心臓

(きみのしんぞうがいまここでふいにうごかなくなったら)

君の心臓が今ここで不意に動かなくなったら

(５ふんもたたずにきみのそんざいがなくなってしまうこと)

5分も絶たずに君の存在が無くなってしまう事

(あぁなんでわすれてしまうかなとてもだいじなことのはずなのに)

あぁ何で忘れてしまうかな　とても大事な事の筈なのに

(きっとぼくはぼくのせかいのおうさまでいたいのですたぶん)

きっと僕は僕の世界の　王様でいたいのです　多分

(あしたのてんきがどうだとかあさってのやくそくがどうだとか)

明日の天気がどうだとか　あさっての約束がどうだとか

(わからないことでぼくらはいちいちこころをすりへらして)

分からない事で僕らはいちいち心を擦り減らして

(そのくせきのうのことはすぐわすれてかこをやたらきれいにねじまげて)

そのくせ昨日の事はすぐ忘れて　過去をやたら綺麗に捻じ曲げて

(しにたくなるほどめんどうなきょうをおきざりにした)

死にたくなる程面倒な　今日を置き去りにした

(どこにもいないしどこへもいけないよ)

何処にも居ないし　何処へも行けないよ

(きみがぼくをつないでくれなきゃ)

君が僕を　繋いでくれなきゃ

(あしたがそこまできてるよきょうがもうおわっていくよ)

明日がそこまで来てるよ　今日がもう終わっていくよ

(きみのこどうがとまらずにいまもうごいてくれることそれすらわすれて)

君の鼓動が止まらずに　今も動いてくれる事　それすら忘れて

(もはやすべてがわらいごとそうたいていのことはわらいごとで)

最早全てが笑い事　そう大抵の事は笑い事で

(そのきになればたにんのなみだすらおかしくてしかたない)

その気になれば他人の涙すら可笑しくて仕方ない

(じぶんのさいていぐあいもそろそろいいかげんわらえてきたよほんとうに)

自分の最低具合もそろそろいい加減笑えてきたよ本当に

(「そういうもんさ」なんていうやつはいますぐにきえてくれ)

「そういうもんさ」なんて言う奴は今すぐに消えてくれ

(もうわかっただろなにもないんだよ)

もう分かっただろ　何もないんだよ

(きみがぼくをつないでくれなきゃ)

君が僕を　繋いでくれなきゃ

(はながさいていつかちってまたあらたなはながさく)

花が咲いていつか散って　また新たな花が咲く

(それはとてもきれいなことだけどぼくはまだたちつくして)

それはとても綺麗な事　だけど僕はまだ　立ち尽くして

(ひとがこわくてしかたないとてもはくあいしゅぎにはなれない)

人が怖くて仕方ない　とても博愛主義にはなれない

(あいつはきえていいがこいつはだめえらそうにじぶんのことばかり)

あいつは消えていいがこいつは駄目　偉そうに自分の事ばかり

(きみのしんぞうがいまここでふいにうごかなくなったら)

君の心臓が今ここで不意に動かなくなったら

(にぎったてのぬくもりもどんなことばもつたわらなくなること)

握った手の温もりもどんな言葉も伝わらなくなる事

(もうにどとわすれないように)

もう二度と忘れないように

(あしたがそこまできてるよきょうがもうおわってしまう)

明日がそこまで来てるよ　今日がもう終わってしまう

(きみのこどうがとまらずにいまもうごいてくれること)

君の鼓動が止まらずに　今も動いてくれる事

(それだけ)

それだけ

(だいじなのはもうそれだけ)

大事なのは　もうそれだけ

(きょうもいきたこのせかいがまたはじまる)

今日も生きたこの世界が　また始まる