コヨーテ／平沢進

(ひでりつづきもはやかぞえひゃくつき)

日照続きもはや数え百月

(はでなあめおどりのほこりじゃいのちはあらえぬ)

派手な雨踊りのほこりじゃ命は洗えぬ

(ふいをつくはやてのかげはこよーて)

ふいをつく疾風の影はコヨーテ

(ひかるめにさいごのみずのかめがうつる)

光る目に最後の水の瓶が映る

(むらのいのちあとにほとはんぶん)

村の命あと　二歩と半分

(しずくひとつのこさずいただく！)

滴ひとつ　残さずいただく！

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(おいつおわれつふむくさはひゃくまん)

追いつ追われつ踏む草は百万

(かぜもままとふけばこのよではじめのみちがなる)

風もままと吹けばこの世で始めの　道　が鳴る

(さきはめまいのたにゆけずもどれず)

先はめまいの谷行けず戻れず

(かみよほとけよまりあとほえてのぼるたいぼく)

神よ仏よマリアとほえて登る大木

(はばはおよそにほとはんぶん)

巾はおよそ　二歩と半分

(みあげるみきはくもをいただく)

見上げる幹は　雲を頂く

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(はるかねもとにひびくおのひゃくたび)

遥か根本に響く斧百度

(さらばくもよとなきたおれてたにまのかけはし)

さらば雲よ　と泣き倒れて谷間の架け橋

(わたりゃつかれはてためにはみずうみ)

渡りゃ疲れ果てた目には湖

(つきてうかぶこよーてははれてやつざき)

尽きて浮かぶコヨーテは晴れて八つ裂き

(わけまえやくにことはんぶん)

分け前約　二個と半分

(むらのゆうげにゃおかずにいただく)

村の夕げにゃ　おかずにいただく

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(まあおおむねこんなもん)

まあ大むねこんなもん

(さて)

さて

(あれからかぞえひゃくまんねん)

あれから数え百万年

(あいかわらずのひでりだがきみは)

相変わらずの日照だが君は

(しんかのどあい)

進化の度合い

(にほとはんぶん)

二歩と半分

(もっとかしこくにげていただく)

もっとかしこく逃げていただく

(はい！)

ハイ！

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO

(こよーてこよーてｗｏｏ)

コヨーテコヨーテWOO