関白宣言

(おまえをよめにもらうまえに)

お前を嫁にもらう前に

(いっておきたいことがある)

言っておきたい事がある

(かなりきびしいはなしもするが)

かなりきびしい話もするが

(おれのほんねをきいておけ)

俺の本音をきいておけ

(おれよりさきにねてはいけない)

俺より先に寝てはいけない

(おれよりあとにおきてもいけない)

俺より後に起きてもいけない

(めしはうまくつくれいつもきれいでいろ)

めしは上手く作れ　いつもきれいでいろ

(できるはんいでかまわないから)

できる範囲でかまわないから

(わすれてくれるなしごともできないおとこに)

忘れてくれるな　仕事もできない男に

(かていをまもれるはずなどないってことを)

家庭を守れるはずなどないってことを

(おまえにはおまえにしか)

お前にはお前にしか

(できないこともあるから)

できないこともあるから

(それいがいはくちだしせず)

それ以外は口出しせず

(だまっておれについてこい)

黙って俺についてこい

(おまえのおやとおれのおやと)

お前の親と俺の親と

(どちらもおなじだたいせつにしろ)

どちらも同じだ大切にしろ

(しゅうとこじゅうとかしこくこなせ)

姑　小姑　かしこくこなせ

(たやすいはずだあいすればいい)

たやすいはずだ　愛すればいい

(ひとのかげぐちいうなきくな)

人の陰口言うな聞くな

(それからつまらぬしっとはするな)

それからつまらぬ嫉妬はするな

(おれはうわきはしない)

俺は浮気はしない

(たぶんしないとおもう)

たぶんしないと思う

(しないんじゃないかな)

しないんじゃないかな

(ま、ちょっとかくごはしておけ)

ま、ちょっと覚悟はしておけ

(しあわせはふたりでそだてるもので)

幸せは二人で育てるもので

(どちらかがくろうして)

どちらかが苦労して

(つくろうものではないはず)

つくろうものではないはず

(おまえはおれのところへ)

お前は俺のところへ

(いえをすててくるのだから)

家を捨ててくるのだから

(かえるばしょはないとおもえ)

帰る場所はないと思え

(これからおれがおまえのいえ)

これから俺がお前の家

(こどもがそだってとしをとったら)

子どもが育って年をとったら

(おれよりさきにしんではいけない)

俺より先に死んではいけない

(たとえばわずかいちにちでもいい)

例えばわずか一日でもいい

(おれよりはやくいってはいけない)

俺より早く逝ってはいけない

(なにもいらないおれのてをにぎり)

何もいらない　俺の手を握り

(なみだのしずくふたついじょうこぼせ)

涙のしずく二つ以上こぼせ

(おまえのおかげでいいじんせいだったと)

お前のおかげでいい人生だったと

(おれがいうからかならずいうから)

俺が言うから　必ず言うから

(わすれてくれるなおれのあいするおんなは)

忘れてくれるな俺の愛する女は

(あいするおんなはしょうがいおまえひとり)

愛する女は生涯お前ひとり

(わすれてくれるなおれのあいするおんなは)

忘れてくれるな俺の愛する女は

(あいするおんなはしょうがいおまえただひとり)

愛する女は生涯お前ただ一人