春茶　夏恋慕

(きみがすきってわかっちゃうな)

君が好きってわかっちゃうな

(みずいろにとけたそら)

水色に溶けた空

(おちつかないぼくをしられたくない)

落ち着かない僕を知られたくない

(すこしうしろをあるく)

少し後ろを歩く

(まだなつのにおいがうるんだひとみをゆがめているんだ)

まだ夏の匂いが 潤んだ瞳を歪めているんだ

(きみはふわりとどきそうでとどかないけれど)

君はふわり 届きそうで届かないけれど

(ゆらりゆらりゆれるみなもに)

ゆらりゆらり揺れる 水面に

(ぼくはきみのとなりでいいの)

僕は君の隣で いいの?

(きらりひかるそのまなざしで)

きらり光るその眼差しで

(なついろにこころはおどるこぼれそうなこいがそまる)

夏色に心は踊る こぼれそうな恋が染まる

(きみにすきっていえないな)

君に好きって言えないな

(けしきはにじんでまた)

景色は滲んでまた

(きみのことをおもいでにしたくない)

君のことを思い出にしたくない

(あおくなつがくれてゆく)

蒼く夏が暮れてゆく

(またあのすずのねがうかんだぼくをゆらしているんだ)

またあの鈴の音が 浮かんだ僕を揺らしているんだ

(きみがわらうそれだけでよかったはずなのに)

君が笑う それ だけでよかったはずなのに

(ぽたりぽたりともるなつのひ)

ぽたりぽたり灯る夏の火

(ぼくはきみにこいしていいの)

僕は君に恋して いいの?

(やみにとけるはなびみたいに)

闇に溶ける花火みたいに

(きみをまえにこころがのぞく)

君を前に心が覗く

(ふらりふらりきみにゆれる)

ふらりふらり君に揺れる

(もっととなりであかねいろがなみにそまる)

もっと隣で 茜色が波に染まる

(そっとおしえてよこわれないようにやさしく)

そっと教えてよ 壊れないように優しく

(きみとぼくだけのおもいでがくるりおよぐ)

君と僕だけの思い出が くるり泳ぐ

(くるりおよぐ)

（くるり泳ぐ）

(ゆらりゆらりゆれるみなもに)

ゆらりゆらり揺れる 水面に

(ぼくはきみのとなりでいいの)

僕は君の隣で いいの?

(きらりひかるそのまなざしで)

きらり光るその眼差しで

(なついろにこころはおどる)

夏色に心は踊る

(あわのようにはかないような)

泡のように儚いような

(こぼれそうなこいはそまる)

こぼれそうな恋は染まる