地獄屋八丁荒らし

(さてさておたちあい)

さてさて、お立合い

(ひやかしはごめんだよ)

冷やかしはご免だよ

(さぁよってらっしゃい)

さぁ寄ってらっしゃい

(みてらっしゃい)

見てらっしゃい

(はしたがねではくらしていけねい)

はした金では暮らしていけねい

(いぬにこばんたぁよくいったもんだ)

犬に小判たぁよく言ったもんだ

(さらをわらずにだけいきれりゃなあ)

皿を割らずにだけ生きれりゃなあ

(そうはとんやがおろしやしねい)

然うは問屋が卸やしねい

(たにんさまのいうことばかりじゃ)

他人様のいう事ばかりじゃ

(いろけもへったくれもないわ)

色気もへったくれもないわ

(ほんと)

ほんと

(やだな)

やだな

(そこのけや)

そこ退けや

(とおりゃんせとおりゃんせ)

通りゃんせ通りゃんせ

(ほんじつもかりそめのよをうたおうや)

本日も仮初の世を歌おうや

(なみだこぼれぬように)

涙こぼれぬように

(うえむいてくつとばし)

上向いて靴飛ばし

(あしたてんきになあれ)

あしたてんきになあれ

(ちょいとおまちになってよみずくせい)

ちょいとお待ちになってよ水くせい

(これこそそうだいわゆるごえん)

これこそ、そうだ、いわゆるご縁

(めいどみやげにほらさいごまで)

冥土土産にほら最後まで

(まいどおおきにどうぞごひいきに)

まいどおおきにどうぞご贔屓に

(かみさまのいうことばかりじゃ)

神様の言う事ばかりじゃ

(あじけもへったくれもないわ)

味気もへったくれもないわ

(いっぺんのくいもなくいきたいだけ)

一片の悔いもなく生きたいだけ

(しあわせせえくらべ)

幸せ背え比べ

(よがよならうれしくってないてみたかった)

世が世ならうれしくって啼いてみたかった

(えみがこぼれるように)

笑みがこぼれるように

(おちないではくせんのうえを)

落ちないで白線の上を

(すきっぷしてあるこう)

スキップして歩こう

(ただよりたかいものはなし)

タダより高いものはなし

(にんげんさまこわいものはなし)

人間様怖いものはなし

(みてきいてわらってないて)

見て、聞いて、笑って、泣いて

(だすもんだしたら)

出すもん出したら

(かえってちょうだい)

帰ってちょうだい

(とおりゃんせとおりゃんせ)

通りゃんせ通りゃんせ

(みょうにちもかりそめのよをうたおうや)

明日も仮初めの世を歌おうや

(なみだこぼれたって)

涙こぼれたって

(まえむいてくつとばし)

前向いて靴飛ばし

(まったなしのせかいに)

待ったなしの世界に

(たかくくつとばし)

高く靴飛ばし

(あしたてんきになあれ)

あしたてんきになあれ

(さてさてみせじまい)

さてさて、店仕舞い

(いちゃもんはごめんだよ)

いちゃもんはご免だよ

(さぁかえったかえった)

さぁ帰った帰った

(まいどあり)

まいどあり

(あっは)

アッハ