night (t)rain

(れいんこーとがおどる)

レインコートが踊る

(そらはきょうもふきげんで)

空は今日も不機嫌で

(ねおんらいとのうずが)

ネオンライトの渦が

(よるのまちをつつんでいる)

夜の街を包んでいる

(きれかかったでんきゅうの)

切れかかった電球の

(ふぃらめんとがあめをてらし)

フィラメントが雨を照らし

(あまつぶつたうまど)

雨粒伝う窓

(いちまいごしにはとうきょうのぎょうれつがえきにのびてる)

一枚超しには東京の行列が駅に伸びてる

(おわらないあみだくじ)

終わらない阿弥陀籤

(でんしかいろのような)

電子回路の様な

(ろせんずをみあげている)

路線図を見上げている

(こうかせんみなもをはしるはめんをみつめた)

高架線水面を走る波面を見つめた

(ぜんせんおいやってひかるほしをうつしたい)

前線追いやって光る星を映したい

(かんたんなことでしょう)

簡単なことでしょう

(たかがいっせいきのうち)

たかが一世紀の内

(でんしゃのまどから)

電車の窓から

(ほしをながめるくらい)

星を眺めるくらい

(しあんからーのかさが)

シアンカラーの傘が

(ないているげんかんで)

泣いている玄関で

(かみにおちたしずくが)

髪に落ちた滴が

(えのぐのようにいろをぬる)

絵の具の様に色を塗る

(こうさてんをよこぎった)

交差点を横切った

(とりはあめにうかれている)

鳥は雨に浮かれている

(こんくりーとのにおい)

コンクリートの匂い

(たちこめるまよなかに)

立ち込める　真夜中に

(がいとうのしろいひが)

街灯の白い灯が

(あかずのふみきりをみる)

開かずの踏切を見る

(えきまえのかふぇてりあ)

駅前のカフェテリア

(むずかしそうなかおをしている)

難しそうな顔をしている

(ひとががめんをみる)

人が画面を見る

(あめにきづいていないように)

雨に気づいていない様に

(そんなせかいのなかで)

そんな世界の中で

(こいをしていきをして)

恋をして　息をして

(そらへおちていく)

空へ落ちていく

(にばんせんからでたでんしゃは)

二番線から出た電車は

(でんきもくうきもみずもないせかいではなそう)

電気も空気も水も無い世界で話そう

(かんたんなことでしょう)

簡単なことでしょう

(たかがいっせいきのうち)

たかが一世紀の内

(へやのまどからそらへとびだすくらい)

部屋の窓から　空へ飛び出すくらい

(れいんこーとがおどる)

レインコートが踊る

(そらはきょうもふきげんで)

空は今日も不機嫌で

(ねおんらいとのうずが)

ネオンライトの渦が

(よるのまちをつつんでいる)

夜の街を包んでいる