カーテンコールが止む前に

(ぶたいのうらがわで)

舞台の裏側で

(つまらないはなしのつづきを)

つまらない話の続きを

(かわったきみのせにとまらないまくがおりる)

変わった君の背に止まらない幕が降りる

(そうやって)

そうやって

(さいかいしちゃったことばとか)

再会しちゃった言葉とか

(だめだってさんかいまわった)

「駄目だ」って　三回廻った

(きみはわらっていても)

君は笑っていても

(しょうめいにそっておどるようにころがっていく)

照明に沿って　踊るように転がっていく

(ぼくだってわらいたいわけもないのかな)

僕だって笑いたい理由もないのかな

(かわんなくていやになって)

変わんなくて　嫌になって

(あいまいなうそをうたって)

曖昧な嘘を唄って

(さいていだって)

最低だって

(しまえないですわってるぼくをわらっちゃって)

しまえないで座ってる僕を笑っちゃって

(あわいあいのかんせいも)

淡い藍の歓声も

(かんたんにすたってしまえばいいよ)

簡単に廃ってしまえばいいよ

(かたちないこどうのうたもけせないで)

形ない鼓動の歌も消せないで

(ならんだことのははどこからがぼくのせりふで)

並んだ言の葉はどこからが僕の台詞で

(きまったもじをはいた)

決まった文字を吐いた

(とまらないうたがひびく)

止まらない唄が響く

(そうやってまんかいにさいたさくらとか)

そうやって満開に咲いた桜とか

(つめたくてとうめいをしったゆきにさわってても)

冷たくて透明を知った雪に触ってても

(かいえんにそってにげるように)

開演に沿って逃げるように

(かたまっている)

固まっている

(きみだってさなにもおぼえてないみたいだ)

君だってさ　何にも覚えてないみたいだ

(きらえないでそうやって)

嫌えないで　そうやって

(かんたんにうそをついて)

簡単に嘘をついて

(これでずっとばいばいだ)

これでずっとバイバイだ

(なんていえるわけないじゃんか)

なんて言える訳ないじゃんか

(きのうないてきょうはいて)

昨日泣いて　今日吐いて

(あしたにすがっていきるような)

明日に縋って生きるような

(そんないっぺんとうでいたいじんせいでした)

そんな一辺倒でいたい人生でした

(そうやってしんかいをしったつばめとか)

そうやって深海を知ったツバメとか

(とびたっておおぞらにうかんださかなはなんておもうんだろう)

飛び立って大空に浮かんだ魚はなんて思うんだろう

(もっともっと)

もっともっと

(かいえんまであとさんびょう)

開演まであと三秒

(ぼくだって)

僕だって

(それをしってたんだずっと)

それを知ってたんだずっと

(とまんなくて)

止まんなくて

(いやになって)

嫌になって

(あいまいなうたをうたって)

曖昧な唄を歌って

(さいていだって)

最低だって

(あるけないですわってるぼくはうそつきだ)

歩けないで座ってる僕は嘘つきだ

(あわいあいのかんせいもかんたんにおわってしまうから)

淡い愛の歓声も簡単に終わってしまうから

(ただわらってよ)

ただ笑ってよ

(かーてんこーるがやむまえに)

カーテンコールが止む前に

(かわんないよそうやって)

変わんないよ　そうやって

(かんたんにおわっちゃって)

簡単に終わっちゃって

(これでずっとばいばいだなんていえるわけないじゃんか)

これでずっとバイバイだなんて言えるわけないじゃんか

(きのういきてきょういきて)

昨日生きて　今日生きて

(これからもすがってしまうように)

これからも縋ってしまうように

(ばかだなぁってわらったきみにきすをするんだ)

馬鹿だなぁって笑った君にキスをするんだ

(もうただすわっていたぼくにさよならをするんだ)

もうただ座っていた僕にさよならをするんだ

(そうさこんないっぺんとうにわらうじんせいでした)

そうさ　こんな一辺倒に笑う人生でした