深夜高速/阿部真央

(しんやこうそくできみのてにきすした)

深夜高速で君の手にキスした

(まなつのまほうだねいまはなにもこわくない)

真夏の魔法だね今は何も怖くない

(なにかいいかけたくちびるふさいで)

何か言いかけた唇ふさいで

(はしりぬけるよるはみてみぬふりをしてる)

走り抜ける夜は見て見ぬふりをしてる

(ぼくらはじゆうでぼくらはひどくこどくだね)

僕らは自由で僕らは酷く孤独だね

(こたえをえらばないでいる)

答えを選ばないでいる

(ぼくらはずるいおとなだね)

僕らはずるい大人だね

(こんなにきみをよごして)

こんなに君を汚して

(ぼくはまだそのむねにだかれたいとおもう)

僕はまだその胸に抱かれたいと思う

(かさなりあうそのたびに)

重なり合うその度に

(きみがまたすこしとおくなるきがしてる)

君がまた少し遠くなる気がしてる

(きみのきもちがみえかくれしてる)

君の気持ちが見え隠れしてる

(「たしかにしたい」とか)

「確かにしたい」とか

(「このままでもいい」とか)

「このままでもいい」とか

(きみはなにかをかんちがいしてる)

君は何かを勘違いしてる

(たしかにすることなどぼくたちにはないだろ)

確かにすることなど僕たちにはないだろ

(きみをてにはいれてなにもかもくりあにして)

君を手に入れて何もかもクリアにして

(そんなきもちでいだくきみに)

そんな気持ちで抱く君に

(はたしてかちがあるのかな？)

果たして価値があるのかな？

(どんなにきみとつながっても)

どんなに君と繋がっても

(ぼくはこのさびしさをまぎらわせないまま)

僕はこの寂しさを紛らわせないまま

(かさなりあうそのたびにぼくはまたぼくをうしなう)

重なり合うその度に僕はまた僕を失う

(わかってるんだけど．．．)

わかってるんだけど...

(あまいゆめとはちがうよどんだよるを)

甘い夢とは違う淀んだ夜を

(さまようようになげいておよいで)

彷徨うように嘆いて泳いで

(あいすることもてばなすこともえらばないでいる)

愛することも手放すことも選ばないでいる

(ぼくらは．．．ずるいおとなだね)

僕らは...ずるい大人だね

(こんなにきみをよごして)

こんなに君を汚して

(ぼくはまだそのむねにだかれたいとおもう)

僕はまだその胸に抱かれたいと思う

(かさなりあうそのたびに)

重なり合うその度に

(きみがまたすこしとおくなる)

君がまた少し遠くなる

(ぼくはまたぼくをうしなう)

僕はまた僕を失う

(わかってるんだけど．．．)

わかってるんだけど...