ナンシー④（終）

(ぽーるはいえねこで、そとにだしたことがないので、なんしー)

ポールは家猫で、外に出したことがないので、ナンシー

(はあせります。ふさいは、くらいときにさがすのはむりだと)

はあせります。夫妻は、暗いときに探すのは無理だと

(いいますが、なんしーはしんぱいしました。ひるま、)

言いますが、ナンシーは心配しました。昼間、

(なんしーはさがしますが、ねこはみつかりません。)

ナンシーは探しますが、猫は見つかりません。

(ねこをさがすさいちゅうに、なんしーは、もりのおくにこわれた)

猫を探す最中に、ナンシーは、森の奥に壊れた

(つりーはうすをみつけました。あとでなんしーはふさいに、)

ツリーハウスを見つけました。あとでナンシーは夫妻に、

(むかしつりーはうすをつくったことがあるかといいます。)

昔ツリーハウスを作ったことがあるかと言います。

(ふさいのひょうじょうがかわりました。なんしーはきおくがある、)

夫妻の表情が変わりました。ナンシーは記憶がある、

(おもいだしたといいます。そこへねこがもどってきました。)

思い出したと言います。そこへ猫が戻ってきました。

(れおはなんしーをむすめとみとめたのか、ねこをいえのなかに)

レオはナンシーを娘と認めたのか、猫を家の中に

(いれることをきょかし、「きみのへやへつれていけ」)

入れることを許可し、「君の部屋へ連れていけ」

(といいます。なんしーがえれんとさんぽにいこうとする)

と言います。ナンシーがエレンと散歩に行こうとする

(ときに、けんさぎしからでんわがかかりました。)

ときに、検査技師から電話がかかりました。

(となりのへやからえれんのようすをながめたなんしーは、えれんが)

隣の部屋からエレンの様子を眺めたナンシーは、エレンが

(らくたんしてなみだをながすようすをみます。えれんとなんしーが)

落胆して涙を流す様子をみます。エレンとナンシーが

(こはんにさんぽへいくと、えれんははなします。)

湖畔に散歩へいくと、エレンは話します。

(むすめのぶるっくがしっそうしたひ、ぶるっくは、ぺっとしょっぷに)

娘のブルックが失踪した日、ブルックは、ペットショップに

(いたこねこをみてはしっていったそうです。ぶるっくが)

いた子猫を見て走って行ったそうです。ブルックが

(ずっとほしがっていたこねこが、みせにいました。)

ずっと欲しがっていた子猫が、店にいました。

(そのことを、えれんははなします。２りがさんぽであるいて)

そのことを、エレンは話します。2人が散歩であるいて

(いると、とおくでかすかにじゅうせいがしました。かりのじゅうです。)

いると、遠くでかすかに銃声がしました。狩りの銃です。

(せいねんが１りはしってくると、つうほうしてくれといいます。)

青年が1人走ってくると、通報してくれと言います。

(しゅりょうじにやせいどうぶつとかんちがいし、ひとをごしゃしてしまった)

狩猟時に野生動物と勘違いし、人を誤射してしまった

(のです。それをきいたなんしーは、たおれたおとこ・べんに)

のです。それを聞いたナンシーは、倒れた男・ベンに

(かけよるとすばやくしけつし、いしきをうしなわないようにこえを)

駆け寄ると素早く止血し、意識を失わないように声を

(かけつづけました。べんのなまえをよび、たすけようと)

かけつづけました。ベンの名前を呼び、助けようと

(ひっしのなんしーのすがたをみて、えれんは、なんしーは)

必死のナンシーの姿を見て、エレンは、ナンシーは

(わるいじょせいではないとおもいます。よる、ゆうしょくのさいにえれんは)

悪い女性ではないと思います。夜、夕食の際にエレンは

(れおに、いかになんしーがてぎわよくきゅうめいそちをほどこしたか)

レオに、いかにナンシーが手際よく救命措置を施したか

(はなしました。そして「だいじなのは、いまあるかんけい」と)

話しました。そして「大事なのは、いまある関係」と

(いいます。えれんはなんしーをだきしめて「あいして)

言います。エレンはナンシーを抱きしめて「愛して

(いる。むじょうけんで」とささやきました。ざいあくかんに)

いる。無条件で」とささやきました。罪悪感に

(さいなまれたなんしーは、「はなしたいことがある。)

苛まれたナンシーは、「話したいことがある。

(かくしていたことが、いくつかある」といって、うそを)

隠していたことが、いくつかある」と言って、嘘を

(こくはくしようとします。えれんはせいしし、「つらい)

告白しようとします。エレンは制止し、「つらい

(ことがあったのよね。よくじつまたきく」といい、)

ことがあったのよね。翌日また聞く」と言い、

(なんしーにねむるようしじしました。ぶるっくのへやに)

ナンシーに眠るよう指示しました。ブルックの部屋に

(いったなんしーですが、よるがふけるのをまって、)

行ったナンシーですが、夜が更けるのを待って、

(にもつをまとめてねこをつれ、こっそりとふさいのいえから)

荷物をまとめて猫を連れ、こっそりと夫妻の家から

(でていきます。なんしーがさるようすを、れおがだまって)

出ていきます。ナンシーが去る様子を、レオが黙って

(みていました。なんしーはひとりくるまをうんてんし、)

見ていました。ナンシーはひとり車を運転し、

(さっていきます・・・。)

去っていきます…。