らせん①
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問題文
(あんどうみつおはとうきょうとかんさついをするおとこです。2ねんまえに)
安藤満男は東京都監察医をする男です。2年前に
(かいなんじこでおさないむすこ・たかのりをなくしていらい、じんせいにたいして)
海難事故で幼い息子・孝則を亡くして以来、人生に対して
(やるきをうしない、まいにちしぬことばかりをかんがえていました。)
やる気を失い、毎日死ぬことばかりを考えていました。
(たかのりをすくえなかったときにけっこんゆびわについたむすこ・たかのりの)
孝則を救えなかった時に結婚指輪についた息子・孝則の
(とうはつと、むすこのしゃしんをながめてまいにちくらしています。)
頭髪と、息子の写真を眺めて毎日暮らしています。
(あるひあんどうは、だいがくじだいのどうきゅうせいで、かつゆうじんであった)
ある日安藤は、大学時代の同級生で、かつ友人であった
(たかやまりゅうじがしんだしらせをうけます。へんしなので、あんどうの)
高山竜司が死んだ知らせを受けます。変死なので、安藤の
(きんむするとうきょうとかんさついむいんにたかやまのいたいははこばれました。)
勤務する東京都監察医務院に高山の遺体は運ばれました。
(あんどうがかいぼうをたんとうします。たかやまのいたいはとくにがいしょうもなく、)
安藤が解剖を担当します。高山の遺体は特に外傷もなく、
(げんいんふめいなのでぎょうせいかいぼうになりました。いわゆる)
原因不明なので行政解剖になりました。いわゆる
(とつぜんしあつかいです。どうりょうのみやしたといっしょにかいぼうをはじめたあんどうは、)
突然死扱いです。同僚の宮下と一緒に解剖を始めた安藤は、
(たかやまのしんぞうひだりがわにえしのあとをみつけ、さかんどうみゃくへいそくに)
高山の心臓左側に壊死の痕を見つけ、左冠動脈閉塞に
(よるしんきんこうそくとみなしました。たかやまののどにちいさなかいようが)
よる心筋梗塞とみなしました。高山の喉に小さな潰瘍が
(できているのをみやしたがみつけ、とっておきます。)
できているのを宮下が見つけ、取っておきます。
(たかやまのいのなかから「414174262918」とかかれたちいさな)
高山の胃の中から「4141 74262918」と書かれた小さな
(しへんをみつけたあんどうは、せいぜんのがくせいじだいにあんごうづくりがりゅうこうし、)
紙片を見つけた安藤は、生前の学生時代に暗号作りが流行し、
(たかやまが「おれのつくったあんごうをとけたのは、あんどうだけ」と)
高山が「俺の作った暗号を解けたのは、安藤だけ」と
(いっていたことをおもいだしました。たかやまの、ひととはちがう)
言っていたことを思い出しました。高山の、人とは違う
(のうりょくをしるあんどうは、たかやまのいたいがあんどうにかいぼうされることまで)
能力を知る安藤は、高山の遺体が安藤に解剖されることまで
(よちしてのこした、じぶんあてのたかやまのさいごのめっせーじだと)
予知して残した、自分宛の高山の最期のメッセージだと
(おもいました。あんどうはあんごうかいどくにちゃくしゅします。)
思いました。安藤は暗号解読に着手します。
(あんどうはたかやまのこいびと・たかのまいとあいました。しぬちょくぜんの)
安藤は高山の恋人・高野舞と会いました。死ぬ直前の
(たかやまのけんこうじょうたいについてしつもんしますが、とくにかわった)
高山の健康状態について質問しますが、特に変わった
(ところはないとまいはいいます。まいは「しいんはびでおてーぷ。)
ところはないと舞は言います。舞は「死因はビデオテープ。
(びでおをみたらしぬ」といっており、あんどうはそれがきに)
ビデオを見たら死ぬ」と言っており、安藤はそれが気に
(なりました。ところでたかやまのしいんはけっかんにできるしゅように)
なりました。ところで高山の死因は血管にできる腫瘍に
(よるもので、のどのかいようはてんねんとうににているとみやしたがいいます。)
よるもので、喉の潰瘍は天然痘に似ていると宮下が言います。
(そんなおり、たかやまのもとつま・あさかわれいことむすこ・よういちがじどうしゃ)
そんな折、高山の元妻・浅川玲子と息子・陽一が自動車
(じこでみつかったというしらせがはいりました。)
事故で見つかったという知らせが入りました。
(よういちはじこのまえにしんでいたかのうせいがあり、れいこは)
陽一は事故の前に死んでいた可能性があり、玲子は
(うんてんとちゅうでこうぶざせきのむすこがしんでいるのをみつけて、)
運転途中で後部座席の息子が死んでいるのを見つけて、
(ふりかえったことによってうんてんをあやまったのではないかともくされます。)
振り返ったことによって運転を誤ったのではないかと目されます。