「vivy 8話」マツモトのセリフその１

(それにきろくじょうかのじょのじさつはふぇすのでばんのあとで)

それに記録上彼女の自殺はフェスの出番の後で

(きょうのおきゃくさんはかなしまないはずですからおきになさらずけっこうです)

今日のお客さんは悲しまないはずですからお気になさらず結構です

(でぃーヴぁ！)

ディーヴァ！

(ふぅ。あいかわらずいうことのきかない。)

ふぅ。相変わらず言うことの聞かない

(きおくはどうあれけっきょくこんぽんのところはおなじですか)

記憶はどうあれ結局根本の所は同じですか

(へったくそ！)

へったくそ！

(でぃーヴぁ「うるさい」)

ディーヴァ「うるさい」

(５ねんまえていししたんですよ。げんいんはふめいですが。)

５年前停止したんですよ。原因は不明ですが

(かのじょのすてーじのおんきょうやしょうめいをいってにになっていたおんきょうａｉです)

彼女のステージの音響や照明を一手に担っていた音響ＡＩです

(かれのきのうていしがそのごのかのじょのかつどうにおおきくえいきょうをおよぼしたと)

彼の機能停止がその後の彼女の活動に大きく影響を及ぼしたと

(やすいごしっぷではかたられてました)

安いゴシップでは語られてました

(ぱーとなーのげんいんふめいのきのうていしにもめげずにうたいつづけきゃっこうをあびるひげきのうたひめ)

パートナーの原因不明の機能停止にもめげずに歌い続け脚光を浴びる悲劇の歌姫

(そんなかのじょがかれをおってじさつしたというひげきてきけつまつに)

そんな彼女が彼を追って自殺したという悲劇的結末に

(にんげんがあいだとかこころだとかのそんざいをきたいしたわけです)

人間が愛だとか心だとかの存在を期待したわけです

(なんですそのめ？)

何ですその目？

(なんです？)

何です？

(じさつなんてばかげてるとさいしょにいったでしょ)

自殺なんて馬鹿げてると最初に言ったでしょ

(そろそろあなたにせっしょくしたおとこのはなしをしてくれますか？)

そろそろあなたに接触した男の話をしてくれますか？

(でぃーヴぁ「それをおしえてもにげないってやくそくできる？」)

ディーヴァ「それを教えても逃げないって約束できる？」

(できますよ。だってそうしたらあなたはひとりでかってにうごくでしょ)

できますよ。だってそうしたらあなたは一人で勝手に動くでしょ

(みすたーかきたに！なぜここに？それにこのすがた・・・せいしにはかれがいたきろくなんて・・・)

ミスター垣谷！なぜここに？それにこの姿…正史には彼がいた記録なんて…

(げんじょうのじょうほうのみではかいをえんざんすることはひじょうにこんなんだといわざるをえませんね)

現状の情報のみでは解を演算することは非常に困難だと言わざるを得ませんね

(べつにたいしたかんけいあるじんぶつではありませんよ)

別に大した関係ある人物ではありませんよ

(もどらなくていいんですか？)

戻らなくていいんですか？

(たったひとりのたいせつなぱーとなーでした・・・ですか)

たった一人の大切なパートナーでした…ですか

(もんくなしのできばえですね。ですがせいしでもここまではじゅんちょうだったんです)

文句なしの出来栄えですね。ですが正史でもここまでは順調だったんです

(このあとかのじょはひかえしつにもどりそこですたっふとこんごのながれをさいかくにんして)

この後彼女は控室に戻りそこでスタッフと今後の流れを再確認して

(・・・きいてます？)

…聞いてます？

(なにかもんだいでも？)

何か問題でも？

(こちらのけいかくにしゅうちゅうしてくれませんか！)

こちらの計画に集中してくれませんか！

(ひつようなのはおふぃーりあへのどうじょうやきょうかんではなくみらいをすくうかくごです！)

必要なのはオフィーリアへの同情や共感ではなく未来を救う覚悟です！

(あなたもａｉのくせにそれですか。ふぅ)

あなたもＡＩのくせにそれですか。ふぅ

(ヴぃヴぃもくちぐせのようにきにしてましたよ。こころをこめるとはどういうことか)

ヴィヴィも口癖のように気にしてましたよ。心を込めるとはどういうことか

(どうしたらこころをこめてうたえるようになるのかって)

どうしたら心を込めて歌えるようになるのかって

(でぃーヴぁ「ふーん・・・ずいぶんしょほてきななやみをかかえていたのね」)

ディーヴァ「ふーん…随分初歩的な悩みを抱えていたのね」

(しょほてき？)

初歩的？

(でぃーヴぁ「ええ。しょほのしょほよ。あなただってそのくらい・・・)

ディーヴァ「ええ。初歩の初歩よ。あなただってそのくらい…

(もしかしてわからないの？みらいからきたａｉなのに？」)

もしかしてわからないの？未来から来たＡＩなのに？」

(ひつようせいをかんじませんね。ぼくはしんぎゅらりてぃけいかくのためのａｉ)

必要性を感じませんね。僕はシンギュラリティ計画のためのＡＩ

(うたなんてごらくのついきゅうはむいみです)

歌なんて娯楽の追及は無意味です

(ぼくとヴぃヴぃはそんなかんけいじゃありませんよ)

僕とヴィヴィはそんな関係じゃありませんよ

(あくまでしんぎゅらりてぃけいかくでのみきょうりょくを)

あくまでシンギュラリティ計画でのみ協力を

(でぃーヴぁ「じゃあどんなかんけいだったの？」)

ディーヴァ「じゃあどんな関係だったの？」

(むっ。なんですかきゅうに)

むっ。何ですか急に

(でぃーヴぁ「ごまかさないで。さっきもそうだけど)

ディーヴァ「誤魔化さないで。さっきもそうだけど

(わたしはヴぃヴぃのときのきおくをしるためにあなたにきょうりょくをしてるのよ)

私はヴィヴィの時の記憶を知るためにあなたに協力をしてるのよ

(つったさかなにえさをあたえないたいぷ？」)

釣った魚に餌を与えないタイプ？」

(むっ)

むっ

(・・・ふぅ)

…ふぅ

(さんざんなかんけいでしたよ。いまのぼくとあなたのかんけいそのものだ)

散々な関係でしたよ。今の僕とあなたの関係そのものだ

(じぶんかってで、がんこで、こちらのはなしをきかずにこうどうするおばかさんです)

自分勝手で、頑固で、こちらの話を聞かずに行動するおバカさんです

(ぼくのあつかいはざつだしむちゃなことばかりで)

僕の扱いは雑だし無茶な事ばかりで

(すこしはみとめられるとおもったやさきかのじょは・・・)

少しは認められると思った矢先彼女は…

(・・・こんかいかのじょをけいかくにくわえなかったのもそのどうさふりょうがげんいんでした)

…今回彼女を計画に加えなかったのもその動作不良が原因でした

(だからあなたともせっしょくするよていじゃなかった。なのにあなたときたらずけずけと)

だからあなたとも接触する予定じゃなかった。なのにあなたときたらずけずけと

(でぃーヴぁ「だったらなんでわたしをたすけたの？」)

ディーヴァ「だったらなんで私を助けたの？」

(むっ)

むっ

(それは・・・)

それは…