θθしにたがりにつけるくすりθθ

(さびついたぽすとにひさびさのてがみどこからともなく)

サビついたポストに久々の手紙　どこからともなく

(まちがえたいのちのおわりにみたかったばしょのしゃしんがそえてあったの)

間違えた命の終わりに見たかった場所の写真が添えてあったの

(わずかなきょうきとじかくがあまいあまいしにたがりをほりおこした)

わずかな狂気と自覚が　甘い甘い希死念慮を掘り起こした

(たいくつなおりのなかものくろてんじょうながめて)

退屈な檻の中　白黒天井眺めて

(まのびしたｓｏｓとうぜんだれにもとどかず)

間延びしたSOS　当然誰にも届かず

(かきのこすことばとわずかばかりのおかしを)

書き残す言葉とわずかばかりのお菓子を

(もってでかけるの)

持って出かけるの

(にげだしてやるんだ)

「逃げ出してやるんだ」

(とおきひにみたつきききゅうおいかけてたびにでようよ)

遠き日に見た月気球追いかけて　旅に出ようよ

(かみさまがくれたこのせかいとからだとがだいきらいだから)

神様がくれたこの世界と躯とが大嫌いだから

(はじめからなにももってなかったじぶんにさいしょでさいごのちゃんすをあたえよう)

初めから何も持ってなかった自分に　最初で最後のチャンスを与えよう

(おおぞらをおよぎたくてあといっぽのゆうきがたりなくて)

大空を泳ぎたくて　あと一歩の勇気が足りなくて

(ふとだれかのこえをきいたしにたくなったらこれをのむといいと)

ふと誰かの声を聴いた「しにたくなったらこれを飲むといい」と

(ちいさなかぷせるをぽいとくちのなかほうりこんで)

小さなθをぽいと口の中放り込んで

(あまくてたのしすぎるあじがしたのでしょう)

甘くて楽しすぎる味がしたのでしょう？

(そらをとぶさかなたちおよげるきがした)

空を飛ぶ魚たち　泳げる気がした

(ひるがおともなくよるへとおきかわる)

昼が音もなく　夜へと置き換わる

(おとしめられつづけたねがいをもういちどいのる)

貶められ続けた願いを　もう一度祈る

(うまれかわったとき)

生まれ変わった時

(なりたかったじぶんになれますように)

『なりたかった自分になれますように』

(ねえせかいどうしていちばんほしいものは)

「ねえ、世界　どうして一番欲しいものは、

(うしないたくないものはてからこぼれおちるの)

失いたくないものは手から零れ落ちるの？」

(ねえせかいほんとはしにたいだなんてことばえらびたくないよ)

「ねえ、世界　ホントは死にたいだなんて言葉選びたくないよ。

(それしかしらなかったから)

それしか知らなかったから」

(ねえせかいほんとはしってたよわかっていたよ)

「ねえ、世界　ホントは知ってたよ解っていたよ。

(しにたがりにつけるくすりはないって)

しにたがりにつけるくすりはないって」

(こうふくのおとをつめたかぷせるしゅがー)

幸福の音を詰めたθカプセルシュガーθ

(すくわれたきがしたほんのすこしおそかったけれど)

救われた気がした　ほんの少し遅かったけれど

(わたしいましあわせだよだけどなぜかな)

私いま　幸せだよ　だけど何故かな

(さみしい)

「さみしい」

(でもこわくはないよかみさまがくれたこのせかいがぜんぶだいきらいだから)

でも怖くはないよ　神様がくれたこの世界が全部　大嫌いだから