空とぶかばん 1
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | BE | 3733 | D+ | 4.2 | 89.6% | 540.2 | 2281 | 264 | 43 | 2024/11/07 |
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問題文
(むかし、あるまちにひとりのしょうにんがいました。)
むかし、ある町にひとりの商人がいました。
(すごいおおがねもちで、まちのおおどおりからうらどおりのすみずみまで)
すごい大金持ちで、町の大通りから裏通りのすみずみまで
(びっしりとぎんかをしきつめることができるほどでした。)
びっしりと銀貨を敷き詰めることができるほどでした。
(でも、そんなばかなことをするしょうにんではありませんでした。)
でも、そんな馬鹿なことをする商人ではありませんでした。
(おかねのつかいかたをだれよりもよくしっていたからです。)
お金の使い方を誰よりもよく知っていたからです。
(なにしろ、どうかをいちまいつかうとぎんかをいちまいもうけるほど)
なにしろ、銅貨を一枚使うと銀貨を一枚もうけるほど
(おかねもうけのうまいしょうにんだったのです。)
お金儲けのうまい商人だったのです。
(やがて、このしょうにんはとしをとってなくなりむすこがのこされた)
やがて、この商人は年をとって亡くなり息子が残された
(たくさんのおかねをうけつぐことになりました。)
たくさんのお金を受け継ぐことになりました。
(のんきなむすこは、まいばんぱーてぃーにでかけたのしくあそびくらしました。)
のんきな息子は、毎晩パーティーに出かけ楽しく遊び暮らしました。
(ひるはともだちをおおぜいあつめて、おさつでたこをつくってとばしたり)
昼は友達を大勢集めて、お札で凧を作って飛ばしたり
(いしころのかわりに、かわにきんかをなげてあそんだりしました。)
石ころのかわりに、川に金貨を投げて遊んだりしました。
(これでは、おかねなどいくらあってもたりません。)
これでは、お金などいくらあってもたりません。
(たちまち、すっからかんになってのこっているのはたったよんまいのどうかと)
たちまち、すっからかんになって残っているのはたった四枚の銅貨と
(いつもきていたがうんとすりっぱだけになってしまいました。)
いつも着ていたガウンとスリッパだけになってしまいました。
(そうなると、まいにちおしかけてあそんでいたたくさんのともだちは)
そうなると、毎日押しかけて遊んでいたたくさんの友達は
(ぱったりこなくなりました。みちであってもしらんかおです。)
ぱったり来なくなりました。道であっても知らん顔です。
(ただひとりだけ、いいともだちがいてむすこにふるいかばんをくれました。)
ただ一人だけ、いい友達がいて息子に古いかばんをくれました。
(「なにか、ものいれにでもしろよ」というのです。しんせつはうれしいけれど)
「なにか、物入れにでもしろよ」と言うのです。親切はうれしいけれど
(おおきなかばんにいれるものなどなんにもありません。)
大きなかばんに入れる物など何にもありません。
(「しかたがない。ぼくがなかにはいってひるねでもするか」)
「仕方がない。僕が中に入って昼寝でもするか」
(むすこは、かばんにはいってかちんととめがねをおしました。)
息子は、かばんに入ってカチンと留め金を押しました。
(するとどうでしょう。かばんはふわっとうきあがりまどからとびだして)
するとどうでしょう。かばんはふわっと浮き上がり窓から飛び出して
(びゅーんとそらたかくまいあがったのです。)
ビューンと空高く舞い上がったのです。
(「うわあっ、とんでる」かばんは、しろいくものうえをどこまでもとんでいきます。)
「うわあっ、飛んでる」かばんは、白い雲の上をどこまでも飛んでいきます。
(むすこは、むちゅうでかばんのふちにしがみついていました。)
息子は、夢中でかばんのふちにしがみついていました。
(かばんのそこがぎしぎしきしむので、)
かばんの底がギシギシきしむので、
(いまにもこわれやしないかとひやひや、どきどき。)
今にも壊れやしないかとひやひや、どきどき。
(もしもそこがぬけたらむすこはそのままじごくいきですからね。)
もしも底が抜けたら息子はそのまま地獄行きですからね。
(「おお、かみさま、どうかおまもりください」)
「おお、神様、どうかお守りください」
(そのうちとつぜん、かばんはぐんぐんついらくしはじめたではありませんか。)
そのうち突然、かばんはぐんぐん墜落し始めたではありませんか。
(そして、どすん。かばんがとまったところは、なんととおいとるこのもりのなかでした。)
そして、ドスン。かばんが止まった所は、なんと遠いトルコの森のなかでした。
(やれやれと、のんきなむすこはかばんをこのはでかくしてまちへでました。)
やれやれと、のんきな息子はかばんを木の葉でかくして町へでました。
(うれしいことに、がうんのままでもへいきです。)
うれしいことに、ガウンのままでもへいきです。
(とるこはだれでも、がうんにすりっぱであるいていたからです。)
トルコは誰でも、ガウンにスリッパで歩いていたからです。
(むすこは、ふしぎなおしろをみつけたので、あかちゃんをつれたおんなのひとにたずねました。)
息子は、不思議なお城をみつけたので、赤ちゃんを連れた女の人に尋ねました。
(「もしもし、あのおしろは、ずいぶんたかいところにまどがありますね。なぜですか?」)
「もしもし、あのお城は、随分高いところに窓がありますね。なぜですか?」
(「あそこには、それはそれはうつくしいおうじょさまがすんでいらっしゃるのですよ」)
「あそこには、それはそれは美しい王女様がすんでいらっしゃるのですよ」
(おんなのひとはこえをちいさくしていいました。)
女の人は声を小さくして言いました。
(「おうじょさまは、すきなひとができるとふしあわせになると、うらないしにいわれたのです。)
「王女様は、好きな人ができると不幸せになると、占い師に言われたのです。
(それでおうさまもおきさきさまもしんぱいして、だれもおうじょさまにちかづけないように)
それで王様もお妃様も心配して、誰も王女様に近づけないように
(しているのですよ」「ははあ、なるほど。ありがとう」)
しているのですよ」「ははあ、なるほど。ありがとう」
(むすこは、もりへひきかえしました。)
息子は、森へ引き返しました。