怪物事変　４話～６話　名言

(おとなのかいぶつというのはみんなあれほどつよいものだろうか)

大人の怪物というのは、みんなあれほど強いものだろうか？

(もしおれにあのときのちからがあれば)

もし俺に、あのときの力があれば？

(もっとたんれんしないと)

もっと鍛錬しないと。

(おれはしなないからいいけどじむしょのみんなをまもれないのはいやだな)

俺は死なないからいいけど、事務所のみんなを守れないのは嫌だな。

(みはいさんがわるいひとじゃなくてよかった)

ミハイさんが悪い人じゃなくてよかった

(ふかくきつねがきからおちるとは)

不覚。狐が木から落ちるとは

(かばねのくびをもっていなりさまのもとへかえったがそこにはすでにあたらしいきつねがいた)

夏羽の首を持って、飯生様の元へ帰ったが、そこには既に新しい狐がいた

(いなりさまはいちどもこんのほうをみてくれなかった)

飯生様は、一度も紺の方を見てくれなかった。

(こんがいいこじゃなかったからだ)

紺がいい子じゃなかったからだ。

(いまのこんのままじゃかえれない)

今の紺のままでは、帰れない

(こんしょうぶしよう)

紺、勝負しよう

(こんはよわいいなりさまにきらわれてとうぜんだ)

紺は弱い飯生様に嫌われて当然だ

(こんはこんはわるいこだぁぁぁーーー)

紺は紺は、悪い子だぁぁぁー！！！

(やるのはあのこぞうどもだ)

（仕事を）やるのはあの小僧共だ。

(わたしはそれをみてたのしむことしかしたくない)

私はそれを見て楽しむことしかしたくない

(いやだからってこれはへたすればしにんが)

いや、だからってこれは下手すれば死人が！？

(このわたしからげーむをうばったのだ)

この私からゲームを奪ったのだ。

(それぐらいでなければわりにあわぬな)

それぐらいでなければ、割に合わぬな

(こんいなりさまのもとえかえりづらいならいぬがみさんのところへくる)

紺。飯生さんの元へ帰りづらいなら、隠神さんの所へ来る？

(いぬがみさんならきっとこんにいばしょをくれる)

隠神さんならきっと紺に居場所をくれる。

(おれもたすけてもらったどう)

俺も助けてもらった、どう？

(それはできない)

それは出来ない。

(こんなきつねだたぬきのもとではくらせない)

紺は狐だ、狸の元では暮らせない。

(でもかばねとならくらしてもいい)

でも、夏羽となら暮らしてもいい。

(かばねはたぬきのてさきだがたぬきではない)

夏羽は狸の手先だが、狸ではない

(ここならすずめもはともいるからくうにはこまらない)

ここなら、雀も鳩もいるから、食うには困らない。

(かばねもここでいっしょにくらせばいい)

夏羽もここで、一緒に暮らせばいい

(ぐんたいにしょぞくしていたこともあったのでな)

軍隊に所属していたこともあったのでな。

(とうじはとらんしるヴぁにあのしにあのしにがみとよばれていた)

当時は、トランシルヴァニアの死神と呼ばれていた

(そうかこのこぞうなにかとらうまをかかえているな)

そうか。この小僧、何かトラウマを抱えているな？

(れいせいでしんちょうなどというのはそれをかくすためのきょせいだったわけだ)

冷静で慎重などというのは、それを隠すための虚勢だった訳だ。

(これはあそびがいがあるぞ)

これは遊びがいがあるぞ！

(おれはこわいことがものすごくこわい)

俺は、怖いことがものすごく怖い。

(がきのころおやといっしょにくらしていたことはなんとなくおぼえている)

ガキの頃、親と一緒に暮らしていたことは、なんとなく覚えている。

(でもどうしてはなればなれになったのかがおもいだせない)

でも、どうして離れ離れになったのかが、思い出せない

(おもいだせないということはきっとなにかとてつもなくこわいことがあったんだ)

思い出せないということは、きっと何か、とてつもなく怖いことがあったんだ

(うっかりならばしかたがない)

うっかりならば仕方がない

(みはいさんっていがいとどじなんだね)

ミハイさんって、意外とドジなんだね

(おりきこえてるだいじょうぶ)

織。聞こえてる？大丈夫？

(いまあきらとそっちにむかってるどうちゅう１りたおした)

今、晶とそっちに向かってる。道中１人倒した

(そっちはおりはつよいからだいじょうぶだとおもうけど)

そっちは？織は強いから大丈夫だと思うけど？

(ずいぶんしんらいされているのではないか)

随分、信頼されているではないか？

(おとうとぶんがきさまのしゅうたいをしったらどうおもうであろうな)

弟分が貴様の醜態を知ったら、どう思うであろうな？

(なんだよやればできんじゃんおれ)

何だよやれば出来んじゃん、俺

(そうはいきませんしごとなので)

そうはいきません、仕事なので

(かいぶつもひともいきものです)

怪物も人も生き物です。

(みなさんもごじしんのせいかつのたえにやっているのだとおもいます)

皆さんもご自身の生活のためにやっているのだと思います。

(なのでおれもじぶんのためにみなさんをとめます)

なので俺も、自分のために皆さんを止めます

(このひとはちゅうちょなくじつのいもうとをころせるひとだ)

この人は、躊躇なく実の妹を殺せる人だ。

(おれがまければおりもあきらもころされてしまう)

俺が負ければ、織も晶も殺されてしまう。

(でもげんじょうこのひとにかつしゅだんがみあたらない)

でも現状、この人に勝つ手段が見当たらない。

(まずまちがいなく２りのしはさけられない)

まず間違いなく２人の死は避けられない

(でもなぜだろうあたまでわかっている)

でもなぜだろう？頭で分かっている。

(これいじょうていこうしてもぜんぶむだだいみがない)

これ以上抵抗しても全部無駄だ、意味が無い。

(なのにからだがあきらめようとしない)

なのに、体が、諦めようとしない

(ちがうちがうそうじゃない)

違う違う、そうじゃない。

(それではきさまのからだがこわれてしまいだ)

それでは貴様の体が壊れて終いだ

(このままぜんめつしてしまってはさすがにいぬがみにおこられるからな)

このまま全滅してしまっては、さすがに隠神に怒られるからな。

(だいさーびすでおしえてやる)

大サービスで教えてやる

(いいかかばねよきさまがわたしやそのかいぶつにちからでかてぬのは)

いいか夏羽よ、貴様が私や、その怪物に力で勝てぬのは、

(にんげんのちからしかつまっていないからだ)

人間の力しか使っていないからだ。

(かいぶつのちからをつかえ)

怪物の力を使え

(はんぶんにんげんであることなどわすれてしまえほんのうにしたがうのだ)

半分人間であることなど忘れてしまえ。本能に従うのだ

(しんぷるにかんがえろきさまがいまいちばんかなえたいことはなんだ)

シンプルに考えろ。貴様今一番叶えたいことは何だ？

(こいつをたおしたいおりもあきらもうしないたくない)

こいつを倒したい織も晶も失いたくない

(そうだそれがほんのうこころだ)

そうだ、それが本能心だ

(まったくですよかのんばがふぜいにないしょでにんげんをかこおうなんて)

全くですよ。蚊婆ふぜいが狐に内緒で人間を囲おうなんて

(しょうこがのこるとまずいですからねあと２たいもけしていきます)

証拠が残るとまずいですからね。後２体も消していきます

(あれもしかしてちょっとかわいそうだとかおもってます)

あれ？もしかしてちょっと、かわいそうだとか思ってます？

(ころすのはやむをえないけどけすのはすこしやりすぎのようにおもう)

殺すのはやむを得ないけど、消すのは少しやりすぎのように思う。

(ころすのとなかったことにするのはちがう)

殺すのと無かったことにするのは違う

(でもたすけたいとはおもわないしかわいそうとかもよくわからないから)

でも、助けたいとは思わないし、かわいそうとかもよく分からないから、

(べつにとめない)

別に止めない