怪物事変 7~8話

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投稿者投稿者ななみーなみいいね0お気に入り登録
プレイ回数121難易度(3.7) 60秒 長文 かな

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問題文

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(ほんとはぜんぜんどうでもよくなんかなかったんだ)

ホントは、(親のことは)全然どうでもよくなんかなかったんだ。

(きついげんじつがまってたらどうしようってずっとにげてた)

きつい現実が待ってたらどうしようって、ずっと逃げてた

(でももうへいきだおれはここがあるしとともだちがいるから)

でも、もう平気だ。俺はここがあるし、と、友達もいるから

(いまこどもにめっちゃみられた)

今、子供にメッチャ見られた?

(へぇいがいしきってこどもにすかれないたいぷだとおもってた)

へぇ、意外。織って子供に好かれないタイプだと思ってた

(むかしばなしというのはみんぞくしりょうのひとつでひとびとのせいかつのなかからうまれたものがおおい)

昔話というのは民俗資料の一つでね、人々の生活の中から生まれたものが多い

(しきだいじょうぶかな)

織、大丈夫かな?

(だいじょうぶだとおもうつよいかおしてたから)

大丈夫だと思う。強い顔してたから

(しきなんからしくないやけにあかるい)

織、何からしくない やけに明るい。

(ふしぜんだとおもうむりしてるようにも)

不自然だと思う?無理してるようにも

(しぇーーだめだよかばねくんほんとのこといっちゃあ)

しぃーー!ダメだよ夏羽くん、ホントのこと言っちゃあ。

(しきせいいっぱいつよがってるんだからほんとはないだもがまんしてるんだよ)

織、精一杯強がってるんだから!ホントは涙も我慢してるんだよ!

(しらんぷりしてあげなきゃ)

知らんぷりしてあげなきゃ!

(だけどあのひおれはまちきれなくなってあのとびらのむこうがわに)

だけどあの日、俺は待ちきれなくなってあの扉の向こう側に

(そこでなんかとてつもなくこわいものをみた)

そこで、何かとてつもなく怖いものを見た

(ちがうあれはもっとずっとおぞましいはきけをもよおすなにか)

違う!あれは、もっとずっとおぞましい、吐き気をもよおす、何か!?

(そんなわけなかったんだかあちゃんがおれをすてるわけなかった)

そんな訳なかったんだ。母ちゃんが俺を捨てる訳なかった。

(かあちゃんをしんじてじょうきょうをうたがえばよかったんだなのにおれは)

母ちゃんを信じて状況を疑えばよかったんだ。なのに、俺は!?

(のびまるとかいったな)

野火丸とかいったな

(いまいちしんようならねえけどじょうほうをきょうゆうしたい)

いまいち信用ならねえけど、情報を共有したい。

など

(おれのしってることをはなすおまえもはなせ)

俺の知っていることを話す、お前も話せ!

(おじさんとけっこうながいこといっしょにくらしてたかんじょうてきにはしんじたくねえ)

おじさんと、結構長いこと一緒に暮らしてた。感情的には信じたくねえ。

(でももしすべてがつながってぜんぶほんとのことならおれは)

でも、もし全てがつながって、全部ホントのことなら、俺は

(おじさんをゆるさない)

おじさんを許さない

(それはころすっていみですか)

それは殺すって意味ですか?

(そうだとめるか)

そうだ。止めるか?

(とめない)

止めない

(あのなおまえひとごろしがせけんいっぱんてきにだいぶわるいことなのわかってる)

あのな!お前、人殺しが世間一般的にだいぶ悪いことなの分かってる!?

(でもしきはあえてそれをえらぶんだろおれにできることはある)

でも織はあえてそれを選ぶんだろ?俺に出来ることはある?

(あついゆうじょうぐちゃぐちゃにしたくなるなぁ)

熱い友情、グチャグチャにしたくなるなぁ

(いちおういままでせわになったおんとかなくはねえからよ)

一応、今まで世話になった恩とか、無くはねえからよ

(くるしまねえようにころしてやるよ)

苦しまねえように殺してやるよ

(ころしをよしとしてるんじゃないかくごしてるんだあんたとちがってね)

殺しを良しとしてるんじゃない、覚悟をしてるんだ、あんたと違ってね。

(やればやられるやられるならやるそれだけさ)

やればやられる、やられるならやる、それだけさ

(あららおれちゃったてきながらあっぱれなせんぽうですね)

あらら、折れちゃった。敵ながらあっぱれな戦法ですね。

(どうしますかばねくんしきくんはせんいそうしつしてるみたいですけど)

どうします夏羽くん、織くんは戦意喪失してるみたいですけど、

(ぼくたちだけでやりますか)

僕達だけでやりますか?

(あれかばねくんもしかしておこってます)

あれ?夏羽くん、もしかして怒ってます?

(のびまるうるさい)

野火丸 うるさい

(しきさっきとはすこしじょうきょうがかわったようにおもうだからもういちどきく)

織、さっきとは少し状況が変わったように思う、だからもう一度聞く。

(おれにできることはある)

俺に出来ることはある?

(たすけて)

助けて

(わかった)

分かった

(くくるならこいこのきもいかいぶつめ)

く、来るなら来い!このキモい怪物め!

(ぼくがあいてにならなくもないんだから)

僕が、相手にならなくもないんだから!?

(そういういせいのいいせりふはまえにでていってくれるとたすかるんだが)

そういう威勢のいい台詞は、前に出て言ってくれると助かるんだが

(じゃましないならころさないおれはあなたにしかようがないので)

邪魔をしないなら殺さない。俺は、あなたにしか用が無いので

(どうするしき)

どうする、織?

(もうそのひとをまもるものはなくなったかんたんにころせる)

もうその人を守るものは無くなった、簡単に殺せる。

(おれがやったほうがよければそうする)

俺がやった方がよければそうする?

(いやもうだいじょうぶだごめんなまかせきりにしちまって)

いや、もう大丈夫だ。ごめんな、任せきりにしちまって

(いやちからになれてよかった)

いや、力になれてよかった

(おまえらしいなほんとはぜんぶおれがやるべきだったのに)

お前らしいな。ホントは全部俺がやるべきだったのに。

(ずいぶんおまえのてをけがさせた)

随分お前の手を、汚させた

(おれさこいつらからかあちゃんのことばがきこえたとききづいちかったんだよな)

俺さ、こいつらから母ちゃんの言葉が聞こえた時、気づいちまったんだよな。

(おじさんをころしてももうおれのかぞくはもどってこないっつう)

おじさんを殺しても、もう俺の家族は戻ってこないっつう、

(すげえあたりまえのことさ)

すげえ当たり前のことにさ

(そしたらなにかもうだめだった)

そしたら何かもうダメだった。

(おじさんをぶちころしたいってきもちよりもかあちゃんにもういっかいあいたい)

おじさんをぶち殺したいって気持ちよりも、母ちゃんにもう一回会いたいっ

(ってきもちのほうがつよくなってこころがおれちまった)

って気持ちの方が強くなって、心が折れちまった

(だからいまはもうただむなしくってな)

だから今はもうただ虚しくってな

(あたしがなにものかはまだいえない)

あたしが何者かは、まだ言えない

(いえばきっとあなたはあたしをゆるさない)

言えば、きっとあなたはあたしを許さない。

(あなたにとってのあたしはいまわしきそんざいのはずだから)

あなたにとってのあたしは、忌まわしき存在のはずだから

(おまえのはなしはききあきたんだよにどとおれたちをものあつかいすんなくずやろう)

お前の話は聞き飽きたんだよ!二度と俺たちを物扱いすんな!クズ野郎!

(ゆるすつもりはねえよ)

許すつもりはねえよ。

(あいつがのこしたもんはぜんぶけすしなにかたくらもうとしたらそくつぶす)

あいつが残したもんは全部消すし、何か企もうとしたら即潰す。

(まぁもともといなりさんにもめつけられてるしなにかできるとはおもえないけどな)

まぁ、もともと飯生さんにも目付けられてるし、何かできるとは思えないけどな

(まったくですよわるいどころかさいあくです)

全くですよ。悪いどころか最悪です。

(さいしょからおんじょうだけでいかされていただけなのにかんちがいしないでください)

最初から温情だけで生かされていただけなのに、勘違いしないで下さいね。

(きつねのいかりをかったじてんであなたのうんめいはもうきまってるんですから)

狐の怒りを買った時点で、あなたの運命はもう決まってるんですから

(みじかいよりみちでしたねたのしめました)

短い寄り道でしたね。楽しめました?

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