運命

(からっとかわいたじめんに)

空っと乾いた地面に

(ひやみずをかけてみる)

冷水をかけてみる

(ひろったぱーつで)

拾ったパーツで

(くみたてたぷろぺらき)

組み立てたプロペラ機

(いっしょにのろうねなんて)

一緒に乗ろうねなんて

(はなしたごごさんじ)

話した午後三時

(こうかしたですわりこんだえらいひと)

高架下で座り込んだ偉い人

(はじめまして)

はじめまして

(わたしみぎうでをたんとうしますわおじょうさん)

私右腕を担当しますわお嬢さん？

(あいにくさこのしんぞうは)

生憎さ この心臓は

(だれかのものじゃないんだ)

誰かの物じゃ無いんだ

(きれいにいくには)

綺麗に逝くには

(きたないせいをしりすぎた)

汚い生を知りすぎた

(ちゅういじこうはよくよくよんで)

注意事項はよくよく読んで

(こうかいだけしないでおいて)

後悔だけしないでおいて？

(あんぜんけんわくかんせんしゃ)

安全圏 湧く観戦者

(ぜったいはないかんらくがい)

絶対は無い歓楽街

(ありきたりなすじがきはもやそうか)

ありきたりな筋書きは燃やそうか

(かしかしたおのれのこどう)

可視化した己の鼓動

(えらべぬじょはりのまど)

選べぬジョハリの窓

(ふたしかなままついだいでんし)

不確かなまま継いだ遺伝子

(にくみあってあいしあっている)

憎み合って 愛し合っている

(ゆめにみたけつまつは)

夢に見た結末は

(おそろしくもうんめいのように)

恐しくも運命のように

(かえられないのだから)

変えられないのだから

(ひとつになるひとつになる)

ひとつになる　ひとつになる

(ひとつになる)

ひとつになる

(ころんだはんどうとっさに)

転んだ反動咄嗟に

(そでぐちをつかみとる)

袖口を掴み取る

(ひろったぱーつがちゅうにまうひととき)

拾ったパーツが宙に舞う一時

(しろんだじめんに)

白んだ地面に

(ひとりでたおれこむものがたり)

1人で倒れ込む物語

(そんなもんはかげぼうしにすててゆけ)

そんなもんは影法師に捨ててゆけ

(ろくでなしのむすこをもたれて)

ろくでなしの息子を持たれて

(さぞかしたいへんでしょうに)

さぞかし大変でしょうに

(つかずはなれずくりかえしては)

付かず離れず繰り返しては

(かんどうをいいだせずにいるんだな)

勘当を言い出せずにいるんだな

(せいろんだってときにはくうきょ)

正論だって時には空虚

(たいまいだけたたいておいで)

大枚だけ叩いておいで？

(むしょうのあいなどさじょうのろうかく)

無償の愛など砂上の楼閣

(きみのゆうしをさみとどけたいんだよ)

君の融資をさ見届けたいんだよ

(からまりつづけたいとをたちきれば)

絡まり続けた意図を断ち切れば

(いたみのたづなじょうずににぎれれば)

痛みの手綱 上手に握れれば

(ふしょくしたおぞんから)

腐食したオゾンから

(ぬけられるだろう)

抜けられるだろう

(うばいあってあたえあっていた)

奪い合って 与え合っていた

(びょうじゃくなけつまつははかりしるも)

病弱な結末は 計り知るも

(けいはくにみえて)

軽薄に視えて

(そろばんをふみつけた)

算盤を踏み付けた

(ひとつになるひとつになる)

ひとつになる　ひとつになる

(ひとつになる)

ひとつになる

(うんめいは)

運命は＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿