勝鬨

(うなるようにさわぎだすよろこびをゆるして)

唸るように騒ぎ出す　歓喜を赦して

(はしりだすつづみのねはやれむじんのうず)

走り出す鼓の音　逸れ無尽の渦

(そそがれるかえんのこえとざされたさかずき)

注がれる火炎の聲　閉ざされた杯

(あわさればむそうのかねまわれうれいのよに)

合わされば夢想の鐘　廻れ憂いの世に

(だいしょうのかんじょうあきなって)

大小の勘定　商って

(うたがっただいしょうならじょうきょうはじょうじょう)

疑った代償なら（状況は上々）

(わらえのたまえいざゆくははなみち)

嗤え（宣え）　いざ往くは花道

(ああかいとうらんまのはれぶたい)

嗚呼 快刀乱麻ノ晴レ舞台

(さけべこのよにいずるいみを)

叫べ此の世に出る意味を

(ふらちなくらいでいいもうちょっとだけおどらせてくれ)

不埒な位で佳い　もう一寸だけ躍らせてくれ

(かいとうらんまみだれさわげふりかざしたおのれのさがを)

快刀乱麻 乱レ騒ゲ　振り翳した己の性を

(かがやかすかちどきちしおとぎれるまで)

輝かす勝鬨　血潮途切れる迄

(とこしえにくちづけてうまれたさきわいなら)

永久に接吻けて　生まれた幸ひなら

(せつなをさすらうゆめちれかげろうにのせ)

刹那を流離う夢　　散れ陽炎に乗せ

(がらんどうにみせかけたゆいがのさらそうじゅ)

伽藍堂に見せかけた　唯我の沙羅双樹

(そまるならしゅらとなれさきほこれいまへ)

染まるなら修羅となれ　咲き誇れ瞬間へ

(あいなったあいじょうたばかってからまって)

相成った哀情　謀って　絡まって

(とうたさきへじょうきょうはちょうじょう)

問うた未来へ（状況は重畳）

(はらえあらがえいざのぼれあかつき)

祓え（抗え）　いざ昇れ暁

(もうまんしんそういやぶれかぶれ)

もう満身創痍破レ被レ

(うたえこのよにあるあかしを)

謳え此の世に在る証を

(やけくそかきならしたましいはみゃくうつ)

ヤケクソ掻き鳴らし魂は脈打つ

(いまかいとうらんまあばれかなでふりまわしたおのれのいしを)

今 快刀乱麻 暴レ奏デ　振り回した己の意志を

(たたきつけてきざめおとがとぎれるまで)

叩きつけて刻め　生命が途切れる迄

(そうぼうゆがめくもとさまようひとびとでけっこう)

相貌歪め雲と彷徨う　人々で結構

(うめつくすときのはざまでくいいだきはてる)

埋め尽くす時代の狭間で　悔い抱き果てる

(だいしょうのかんじょうあきなって)

大小の勘定　商って

(くたばっただいしょうならじょうきょうはじょうじょう)

くたばった代償なら（状況は上々）

(わらえはいまでいざゆくははなみち)

嗤え（灰まで）　いざ往くは花道

(ああさいしょでさいごのひがおちる)

嗚呼 最初で最後の火が落ちる

(きょうらんかなたひきのかけらよ)

狂乱 彼方 悲喜のカケラよ

(ぶらいなるこえでいきをあげここにさけべ)

無頼なる声で息を挙げここに叫べ

(かいとうらんまみだれさわげふりかざしたおのれのさがを)

快刀乱麻 乱レ騒ゲ　振り翳した己の性を

(かがやかすかちどきおとがとぎれるまで)

輝かす勝鬨　生命が途切れる迄

(はるかにひびけ)

遥かに響け