荊棘輪舞曲

(むせかえるちのかとざいかのはて)

噎せ返る血の香と 罪過(ざいか)の果て

(わらうのはだれ)

(嗤うのは誰？)

(くるいさくきょうわくのはなびらが)

狂い咲く誑惑(きょうわく)の花弁(はなびら)が

(のぞむのはなに)

(望むのは何？)

(からだのおくふかくうずくきおく)

躰の奥深く　疼く記憶

(おろかなほどにほしいあのねつが)

愚かなほどに欲しい...あの熱が

(いまわしくもいとおしいうんめいのいばら)

忌まわしくも愛おしい　運命の荊棘

(きりさきふみしだいてなおからみつく)

切り裂き　踏み拉いて尚　絡み付く

(ひかりはやがてのろいにかわり)

希望(ひかり)は　やがて呪いに変わり

(うつくしいまましゅうえんにおちむかう)

美しいまま終焉に落ち向かう

(ばらのろんど)

薔薇の輪舞曲

(くちてゆくやくそくのろうごくで)

朽ちてゆく約束の牢獄で

(あれはうつつか)

(彼(あ)れは現(うつつ)か？)

(すがるのはぬくもりのざんしょうか)

縋るのは温もりの残照か

(ただれたゆめか)

(爛れた幻想(ゆめ)か？)

(かのひのもりふかくとじたきおく)

かの日の森深く　閉じた記憶

(とわにあめよやむなとそうねがった)

永劫(とわ)に雨よやむなと...そう願った

(やきつくしてしまえよしってしまえばそう)

焼きつくしてしまえよ　知ってしまえばそう

(しらずにいたころにはもうもどれない)

知らずにいた頃にはもう　戻れない

(ねがいはまうはなにうずもれて)

切望(ねがい)は　舞う花に埋(うず)もれて

(がれきとなってときにかききえゆく)

瓦礫となって　時に搔き消えゆく

(あいのようで)

愛のようで

(らいめいがなりひびく)

雷鳴が　鳴り響く

(うらぎりよにくしみよこどくよ)

裏切りよ！憎しみよ！孤独よ！

(ひそやかなしんじつとすくいなきたましいに)

密やかな 真実と　救い無き 魂に

(ひかりあれと)

光あれと

(いまわしくもいとおしいうんめいのいばら)

忌まわしくも愛おしい　運命の荊棘

(きりさきふみしだいてなおからみつく)

切り裂き　踏み拉いて尚　絡み付く

(はげしくやさしくまわるあれは)

烈しく優しく廻る　あれは

(うつくしいゆめえいえんをかなでるばらのろんど)

美しい夢　永遠を奏でる　薔薇の輪舞曲

(きみにささぐ)

君に捧ぐ