人魚姫 7

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原作 アンデルセン

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問題文

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(あるひ、おうじさまはにんぎょひめにいいました。)

ある日、王子様は人魚姫に言いました。

(「となりのくにまでふねででかけるよ。おうじょさまにあいにいくことになったんだ」)

「隣の国まで船で出かけるよ。王女様に会いに行くことになったんだ」

(にんぎょひめがはっとしたようにかおをくもらせると、)

人魚姫がはっとしたように顔を曇らせると、

(おうじさまはにんぎょひめのかみをやさしくなでました。)

王子様は人魚姫の髪をやさしくなでました。

(「ちちやははのいいつけなのだよ。そのおうじょさまとけっこんするようにいわれている。)

「父や母のいいつけなのだよ。その王女様と結婚するように言われている。

(でもわたしがすきなのは、あらしのばんにわたしをたすけてくれたむすめさんなのだよ。)

でも私が好きなのは、嵐の晩に私を助けてくれた娘さんなのだよ。

(そのひとをおよめさんにしたいのだが、どこにいるのかさっぱりわからないのだ・・)

その人をお嫁さんにしたいのだが、どこにいるのかさっぱりわからないのだ・・

(きみは、そのひとにそっくりなのだよ。きみはくちがきけないけど、やさしくて)

君は、その人にそっくりなのだよ。君は口がきけないけど、優しくて

(ほんとにいいむすめだ。わたしはきみをおよめさんにするつもりだよ」)

ほんとにいい娘だ。私は君をお嫁さんにするつもりだよ」

(そういって、にんぎょひめにきすをしました。)

そう言って、人魚姫にキスをしました。

(「ありがとう!おうじさま。あのひ、おうじさまをおたすけしたのは、このわたしです。)

『ありがとう!王子様。あの日、王子様をお助けしたのは、この私です。

(わたしはおうじさまのおよめさんになりたくて、にんげんになったのです・・・」)

私は王子様のお嫁さんになりたくて、人間になったのです・・・」

(にんぎょひめはこころのなかでさけんでいました。)

人魚姫は心の中で叫んでいました。

(おうじさまのふねはしゅっぱつしました。つきのあかるいよるでした。)

王子様の船は出発しました。月の明るい夜でした。

(にんぎょひめがふねのてすりからうみをながめていると、)

人魚姫が船の手すりから海を眺めていると、

(とおいなみまに、またおねえさまたちのしんぱいそうなかおがみえました。)

遠い波間に、またお姉さまたちの心配そうな顔が見えました。

(「わたし、おうじさまのおよめさんになれそうよ!」)

「私、王子様のお嫁さんになれそうよ!』

(にんぎょひめがうれしそうにあいずしかけたとき、ふねのかじとりがきたのでやめました。)

人魚姫が嬉しそうに合図しかけた時、船のかじ取りが来たのでやめました。

(つぎのあさ、ふねはとなりのくににつきました。)

次の朝、船は隣の国に着きました。

(きょうかいのかねがそろってなりひびき、ぐんがくたいがらっぱをふきならし)

教会の鐘がそろって鳴り響き、軍楽隊がラッパを吹きならし

など

(まちじゅう、おまつりのようにおうじさまをかんげいしていました。)

町じゅう、お祭りのように王子様を歓迎していました。

(「おうじょさまは、どんなかたかしら・・・」にんぎょひめはふと、しんぱいになりました。)

『王女様は、どんな方かしら・・・」人魚姫はふと、心配になりました。

(やがておうじょさまがあらわれました。まあ、そのうつくしいこと!)

やがて王女様が現れました。まあ、その美しいこと!

(あおいひとみはやさしくほほえみ、いまひらいたばかりのばらのようでした。)

青い瞳は優しく微笑み、今開いたばかりのばらのようでした。

(おうじさまはかけよってさけびました。)

王子様は駆け寄って叫びました。

(「おお、あなただ!あらしのばんにわたしをたすけてくれたのは、あなただ!)

「おお、あなただ!嵐の晩に私を助けてくれたのは、あなただ!

(わたしはずっと、あなたをさがしていたのです!」)

私はずっと、あなたを探していたのです!」

(おうじさまは、かおをあからめているおうじょさまをだきしめました。)

王子様は、顔を赤らめている王女様を抱きしめました。

(それからにんぎょひめにいったのです。)

それから人魚姫に言ったのです。

(「なんてしあわせなんだろう!さがしていたひとにあえるなんて!)

「なんて幸せなんだろう!探していた人に会えるなんて!

(きみもよろこんでくれるね」)

君も喜んでくれるね」

(にんぎょひめはあまりのおどろきに、きがとおくなりそうでした。)

人魚姫はあまりの驚きに、気が遠くなりそうでした。

(おうじさまがほかのひととけっこんすれば、つぎのあさ、じぶんはうみのあわになってしまうのです。)

王子様がほかの人と結婚すれば、次の朝、自分は海の泡になってしまうのです。

(きょうかいのかねがたかだかとひびきわたり、)

教会の鐘が高々と響き渡り、

(おうじさまとおうじょさまのけっこんしきがはじまりました。)

王子様と王女様の結婚式が始まりました。

(いちだんとすてきなはなむこのおうじさまと、うつくしいはなよめのおうじょさまが)

一段と素敵な花婿の王子様と、美しい花嫁の王女様が

(てをとりあって、しんぷさまのおいわいのことばをきいています。)

手を取り合って、神父様のお祝いの言葉を聞いています。

(にんぎょひめははれぎをきて、はなよめのしろいながいどれすのすそをもってあげていました。)

人魚姫は晴れ着を着て、花嫁の白い長いドレスの裾を持ってあげていました。

(けれど、おるがんのおともみみにはいらず、おごそかなしきもめにうつりませんでした。)

けれど、オルガンの音も耳に入らず、厳かな式も目に映りませんでした。

(ほほえんでいるだけで、せいいっぱいでした。)

微笑んでいるだけで、精一杯でした。

(かなしみでむねははりさけそうでした。)

悲しみで胸は張り裂けそうでした。

(それでもにんぎょひめは、うつむいてただじっとこらえていたのです。)

それでも人魚姫は、うつむいてただじっとこらえていたのです。

(そのひのゆうがた、おうじさまははなよめのてをとって、ふねにのりました。)

その日の夕方、王子様は花嫁の手を取って、船に乗りました。

(はなよめをくにへつれてかえるのです。)

花嫁を国へ連れて帰るのです。

(おいわいのたいほうがとどろき、あかりをいっぱいともしたふねで)

お祝いの大砲がとどろき、明かりをいっぱいともした船で

(だんすぱーてぃーがはじまりました。)

ダンスパーティーが始まりました。

(みんなのなかにまじって、おうじさまもはなよめとにこにこしながらおどっています。)

みんなの中に混じって、王子様も花嫁とにこにこしながら踊っています。

(うれしそうなかおをして、いっしょにおどるにんぎょひめのきもちはどんなだったでしょう。)

嬉しそうな顔をして、一緒に踊る人魚姫の気持ちはどんなだったでしょう。

(おいわいのだんすがおわったのはよなかでした。)

お祝いのダンスが終わったのは夜中でした。

(にんぎょひめは、ぽつんとひとり、ふなべりからひがしのそらをながめていました。)

人魚姫は、ぽつんと一人、船べりから東の空を眺めていました。

(あさひがのぼれば、じぶんはうみのあわになってきえてしまうでしょう。)

朝日が昇れば、自分は海の泡になって消えてしまうでしょう。

(そのとき、おねえさまたちがおよいできたのです。)

その時、お姉さまたちが泳いできたのです。

(おねえさまたちはないふをさしだしました。)

お姉さまたちはナイフを差し出しました。

(「さあ、このないふでおうじさまのむねをさしなさい。)

「さあ、このナイフで王子様の胸を刺しなさい。

(おうじさまのちがあなたのあしにかかれば、あなたはにんぎょにもどれるわ。)

王子様の血があなたの足にかかれば、あなたは人魚に戻れるわ。

(あなたをたすけたくて、わたしたちはまじょにかみのけをあげてしまったの。)

あなたを助けたくて、私たちは魔女に髪の毛をあげてしまったの。

(そして、このまほうのないふをもらったのよ」)

そして、この魔法のナイフをもらったのよ」

(「おばあさまはあなたのことがしんぱいで、しろいかみのけがぬけてしまったわ。)

「おばあさまはあなたのことが心配で、白い髪の毛が抜けてしまったわ。

(さあ、はやくおうじさまのむねをさして!おしろへかえっておいで」)

さあ、早く王子様の胸を刺して!お城へ帰っておいで」

(おねえさまたちはくちぐちにさけびました。)

お姉さまたちは口々に叫びました。

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