ジャックと豆の木 3

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イギリスのお話

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問題文

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(とびらのむこうがわはだいどころでした。)

扉の向こう側は台所でした。

(だいどころでは、じゃっくがいままでにみたこともないような)

台所では、ジャックが今までに見たこともないような

(おおきなおんなのひとがしごとをしていました。)

大きな女の人が仕事をしていました。

(そのおんなのひとは、ひとくいのおおおとこのおくさんでした。)

その女の人は、人食いの大男の奥さんでした。

(おくさんは、かたまでたれたくろいながいかみをしていました。)

奥さんは、肩までたれた黒い長い髪をしていました。

(「おはようございます、おくさん」じゃっくはちいさなこえでいいました。)

「おはようございます、奥さん」ジャックは小さな声で言いました。

(「おくさん、なにかたべるものはありませんか。)

「奥さん、何か食べるものはありませんか。

(ぼくはきのうのよるから、なにもたべていないのです」)

僕は昨日の夜から、何も食べていないのです」

(おくさんはじゃっくのこえをきいて、おどろいてふりかえりました。)

奥さんはジャックの声を聞いて、驚いて振り返りました。

(「いったい、おまえさんはどこからきたんだい」)

「いったい、お前さんはどこから来たんだい」

(「ずっとむこうのほうからです。ぼく、おなかがぺこぺこなんです。)

「ずっと向こうのほうからです。僕、おなかがぺこぺこなんです。

(たべるものをくださいませんか」)

食べるものをくださいませんか」

(「なにいってるんだい。こんなところにいたら、うちのひとのたべものにされちゃうよ。)

「何言ってるんだい。こんな所にいたら、うちの人の食べ物にされちゃうよ。

(なにしろうちのひとは、こどものまるやきがだいすきだからね」)

なにしろうちの人は、子供の丸焼きが大好きだからね」

(おくさんは、おなべのすーぷをかきまわしながらいいました。)

奥さんは、お鍋のスープをかき回しながら言いました。

(「わたしがおまえさんだったら、すぐににげるだろうよ。)

「私がお前さんだったら、すぐに逃げるだろうよ。

(うちのひとがかえってくるまえにね」)

うちの人が帰ってくる前にね」

(じゃっくはからだがふるえました。いますぐにでもにげだしたいくらいでした。)

ジャックは体が震えました。今すぐにでも逃げ出したいくらいでした。

(でも、なんておいしそうなすーぷのにおいなんでしょう。)

でも、なんておいしそうなスープのにおいなんでしょう。

(じゃっくはにおいをかいだおかげで、よけいおなかがすいてきました。)

ジャックはにおいをかいだお陰で、余計おなかがすいてきました。

など

(なんだかもうこれいじょう、いっぽもあるけないようなきがしました。)

なんだかもうこれ以上、一歩も歩けないような気がしました。

(「おくさん。どうかそのすーぷをひとくちのませてください。)

「奥さん。どうかそのスープをひと口飲ませてください。

(そうしたら、すぐににげますから」)

そうしたら、すぐに逃げますから」

(しかしざんねんなことに、すーぷをのんでいるじかんなんてありませんでした。)

しかし残念なことに、スープを飲んでいる時間なんてありませんでした。

(どしん、どしん、どしん、というあしおとでおしろがゆれはじめたのです。)

ドシン、ドシン、ドシン、という足音でお城が揺れ始めたのです。

(「たいへん。うちのひとがかえってきたわ。どうしよう。)

「大変。うちの人が帰って来たわ。どうしよう。

(そうだわ、はやくこっちへおいで。このかまどのなかにかくれるのよ」)

そうだわ、早くこっちへおいで。このかまどの中に隠れるのよ」

(おくさんはじゃっくをかまどのなかにおしこむと、ふたをしました。)

奥さんはジャックをかまどの中に押し込むと、蓋をしました。

(どしん、どしん、どしん、すごいおとをたてて)

ドシン、ドシン、ドシン、すごい音を立てて

(ひとくいのおおおとこが、だいどころにはいってきました。)

人食いの大男が、台所に入ってきました。

(「くんくん、におうぞ。にんげんのこどものにおいだ」)

「くんくん、におうぞ。人間の子供のにおいだ」

(おおおとこははなをくんくんとならしていいました。)

大男は鼻をくんくんとならして言いました。

(「ばかなことをいわないでくださいな、おまえさん。)

「ばかなことを言わないでくださいな、お前さん。

(ほら、このやぎのまるやきのにおいですよ。さあ、あついうちにたべてください」)

ほら、このヤギの丸焼きのにおいですよ。さあ、熱いうちに食べてください」

(おくさんはてーぶるのうえに、やぎのまるやきをふたつおきました。)

奥さんはテーブルの上に、ヤギの丸焼きを二つ置きました。

(「なるほど、これはうまそうだ」おおおとこはあっというまに)

「なるほど、これはうまそうだ」大男はあっという間に

(やぎをみんな、ぺろっとたべてしまいました。)

ヤギをみんな、ぺろっと食べてしまいました。

(「ああ、うまかった。どれ、おかねでもかぞえようか」)

「ああ、うまかった。どれ、お金でも数えようか」

(おおおとこはおなかがいっぱいになると、おかねのつまったおおきなふくろを)

大男はおなかがいっぱいになると、お金の詰まった大きな袋を

(いくつかひっぱりだしてきて、おかねをかぞえはじめました。)

いくつか引っ張り出してきて、お金を数え始めました。

(ところが、おなかがいっぱいになっていたおおおとこは、)

ところが、おなかがいっぱいになっていた大男は、

(ついうとうとと、いねむりをはじめたのです。)

ついうとうとと、居眠りを始めたのです。

(そのようすを、じゃっくはこっそりとみていました。)

その様子を、ジャックはこっそりと見ていました。

(「あのふくろひとつあれば、おかあさん、きっとよろこぶだろうな」)

「あの袋ひとつあれば、お母さん、きっと喜ぶだろうな」

(そこで、おおおとこのおくさんがだいどころからいなくなると、)

そこで、大男の奥さんが台所からいなくなると、

(「よし、いまだ」じゃっくは、そっとかまどからはいだすとおかねのはいったふくろを)

「よし、今だ」ジャックは、そっとかまどから這い出すとお金の入った袋を

(ひとつつかんで、あわててにげだしました。)

ひとつつかんで、慌てて逃げ出しました。

(おおおとこにみつかったら、それこそたいへんです。)

大男に見つかったら、それこそ大変です。

(こんがりとおいしそうなまるやきにされて、さっきのやぎみたいに)

こんがりとおいしそうな丸焼きにされて、さっきのヤギみたいに

(ぺろっとたべられてしまうにちがいありません。)

ぺろっと食べられてしまうに違いありません。

(とびらをすりぬけてそとにとびだすと、じゃっくはまめのきめがけて)

扉をすり抜けて外に飛び出すと、ジャックは豆の木めがけて

(はしって、はしって、はしって、はしりつづけました。)

走って、走って、走って、走り続けました。

(やっとまめのきのところまでくると、じゃっくはうしろをふりかえりました。)

やっと豆の木のところまで来ると、ジャックは後ろを振り返りました。

(どうやら、だれもおいかけてはきませんでした。)

どうやら、誰も追いかけては来ませんでした。

(「ああ、たすかった。だれもおいかけてこない」)

「ああ、助かった。誰も追いかけてこない」

(じゃっくは、おかねのはいったおもいふくろをにわにほうりなげると)

ジャックは、お金の入った重い袋を庭に放り投げると

(じぶんもゆっくりとおりていきました。)

自分もゆっくりと下りて行きました。

(「どこにいっていたの。じゃっく」)

「どこに行っていたの。ジャック」

(じゃっくがまめのきからおりてくると、おかあさんがいえからとびだしてきました。)

ジャックが豆の木から下りてくると、お母さんが家から飛び出してきました。

(「それに、このおかね、どうしたの」)

「それに、このお金、どうしたの」

(じゃっくは、ひとくいのおおおとこのはなしをしました。)

ジャックは、人食いの大男の話をしました。

(「そうだったの、でも、よかったわ。ぶじにもどれて」)

「そうだったの、でも、よかったわ。無事に戻れて」

(おかあさんはほっとして、じゃっくをしっかりとだきしめました。)

お母さんはほっとして、ジャックをしっかりと抱きしめました。

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