かえるの王様 1

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プレイ回数2339難易度(4.3) 3867打 長文 長文モード可
原作 グリム兄弟
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 ROM 8132 8.6 94.5% 445.5 3846 223 82 2024/09/12
2 なり 4175 C 4.5 92.9% 855.2 3866 295 82 2024/11/26

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問題文

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(むかしむかし、まだまほうつかいがいたころのはなしです。)

むかしむかし、まだ魔法使いがいたころの話です。

(あるところに、おしろがあっておうさまがすんでいました。)

あるところに、お城があって王様が住んでいました。

(おうさまのおひめさまはそろってきれいでしたが、なかでもすえのおひめさまの)

王様のお姫さまは揃ってきれいでしたが、中でも末のお姫様の

(うつくしいことといったらありませんでした。)

美しいことといったらありませんでした。

(そらのおひさまさえ、すえのおひめさまのかおをてらすたびに)

空のお日様さえ、末のお姫様の顔を照らすたびに

(うっとりとみとれるほどでした。)

うっとりと見とれるほどでした。

(すえのおひめさまは、ときどきおしろのちかくのもりへあそびにいきました。)

末のお姫さまは、時々お城の近くの森へ遊びに行きました。

(もりのおくには、こんこんとみずのわきでているいずみがありました。)

森の奥には、こんこんと水のわき出ている泉がありました。

(おひめさまはすずしいいずみのふちで、きんのぼーるをなげあげては)

お姫さまは涼しい泉のふちで、金のボールを投げ上げては

(りょうてでうけとめてあそぶのがすきでした。)

両手で受け止めて遊ぶのが好きでした。

(あるあついひのことです。おひめさまが、いつものようにきんのぼーるをほうりあげると)

ある暑い日のことです。お姫さまが、いつものように金のボールを放り上げると

(おちてきたぼーるはてからそれて、ころころころがって、ぽちゃん!)

落ちてきたボールは手からそれて、ころころ転がって、ポチャン!

(いずみにおちてしまいました。)

泉に落ちてしまいました。

(「あっ、どうしましょう!」)

「あっ、どうしましょう!」

(きんのぼーるは、ぐんぐん、ぐんぐん、しずんでいきました。)

金のボールは、ぐんぐん、ぐんぐん、沈んでいきました。

(いずみはそれはふかくて、そこのほうがみえないくらいでした。)

泉はそれは深くて、底の方が見えないくらいでした。

(「ああっ、ぼーるが・・・」おひめさまはなきだしました。)

「ああっ、ボールが・・・」お姫さまは泣き出しました。

(すると「おひめさま、どうしたのですか。」)

すると「お姫さま、どうしたのですか。」

(どこかでこえがしました。みると、いずみのふちのいしのうえに)

どこかで声がしました。見ると、泉のふちの石の上に

(きたならしいいっぴきのかえるが、ちょこんとすわっていました。)

きたならしい一匹のかえるが、ちょこんと座っていました。

など

(「ぼーるが・・・きんのぼーるがみずにおちてしまったの。」)

「ボールが・・・金のボールが水に落ちてしまったの。」

(「なあんだ。それでないていたのですか。しんぱいいりません。)

「なあんだ。それで泣いていたのですか。心配いりません。

(わたしがとってきてあげますよ。」)

私が取ってきてあげますよ。」

(かえるは、おおきなめだまをぎろぎろさせながらいいました。)

かえるは、大きな目玉をぎろぎろさせながら言いました。

(「きんのぼーるはとってきてあげますがね、おれいになにをくれますか。」)

「金のボールは取ってきてあげますがね、お礼に何をくれますか。」

(「なんでもあげるわ。きれいなどれすでも、ほうせきでもきんのかんむりでも・・・」)

「何でもあげるわ。きれいなドレスでも、宝石でも金の冠でも・・・」

(「そんなものはいりません。そのかわり、わたしをあなたのともだちにしてくださいよ」)

「そんなものはいりません。そのかわり、私をあなたの友達にしてくださいよ」

(「まあ、おともだちですって?」)

「まあ、お友達ですって?」

(「ぐえっ、ぐえっ、そうなんです。わたしはおひめさまとおともだちになりたいんですよ」)

「グエッ、グエッ、そうなんです。私はお姫さまとお友達になりたいんですよ」

(とかえるはいいました。)

とかえるは言いました。

(かえるはつづけてこういいました。)

かえるは続けてこう言いました。

(「そして、わたしがおしろへあそびにいったら、ごちそうしてください。)

「そして、私がお城へ遊びに行ったら、ごちそうしてください。

(わたしをおひめさまのとなりにすわらせて、おひめさまとおなじこっぷやおさらで)

私をお姫様の隣に座らせて、お姫さまと同じコップやお皿で

(のんだりたべたりさせてください。)

飲んだり食べたりさせてください。

(そして、よるになったらあなたのべっどでねかせてください。」)

そして、夜になったらあなたのベッドで寝かせてください。」

(おひめさまはおなかのなかで、「なんて、ずうずうしいかえるでしょう。)

お姫さまはお腹の中で、『なんて、ずうずうしいかえるでしょう。

(かえるなんてみずのなかで、なかまといっしょにけろけろないていればいいのよ」)

かえるなんて水の中で、仲間と一緒にケロケロないていればいいのよ』

(とおもいました。でも、きんのぼーるをひろってきてもらいたかったので)

と思いました。でも、金のボールを拾ってきてもらいたかったので

(「かえるさん、いうとおりにするわ。」とこたえました。)

「かえるさん、言うとおりにするわ。」と答えました。

(「それでは、やくそくしましたよ」かえるはそういうと、とぷん!)

「それでは、約束しましたよ」かえるはそう言うと、トプン!

(みずにもぐって、しばらくしてからきんのぼーるをくわえてうかびあがってきました。)

水に潜って、しばらくしてから金のボールをくわえて浮かび上がってきました。

(「さあ、とってきましたよ。」)

「さあ、取ってきましたよ。」

(かえるはぼーるをくさのうえにほうりあげました。)

かえるはボールを草の上に放り上げました。

(「まあ、うれしい」おひめさまは、ぼーるをむねにだいてかけだしました。)

「まあ、うれしい」お姫さまは、ボールを胸に抱いて駆け出しました。

(「まってください。わたしもいっしょにおしろへいきますよう・・・」)

「待ってください。私も一緒にお城へ行きますよう・・・」

(かえるがうしろでよびましたが、おひめさまはへんじもしないで)

かえるがうしろで呼びましたが、お姫さまは返事もしないで

(もりのみちをはしっていってしまいました。)

森の道を走って行ってしまいました。

(そして、おしろへかえると、もうかえるのことなどすっかりわすれてしまいました。)

そして、お城へ帰ると、もうかえるのことなどすっかり忘れてしまいました。

(かえるはしかたなしに、またみずにもぐりました。)

かえるは仕方なしに、また水に潜りました。

(つぎのひのことです。おひめさまが、おうさまといっしょにひろまでたのしくしょくじをしていると)

次の日のことです。お姫さまが、王様と一緒に広間で楽しく食事をしていると

(ぺたり・・・ぺたり・・・)

ぺたり・・・ぺたり・・・

(おしろのそとでみょうなおとがしました。)

お城の外で妙な音がしました。

(いしのかいだんを、なにかがはいあがってくるようなおとです。)

石の階段を、なにかが這い上がってくるような音です。

(それからおしろのとを、だれかがとんとんとたたきました。)

それからお城の戸を、誰かがトントンとたたきました。

(「このとをあけてくださいな。きれいなすえのおひめさま。」)

「この戸をあけてくださいな。きれいな末のお姫さま。」

(と、しわがれたこえがしました。)

と、しわがれた声がしました。

(「ひめや、だれかがおまえをよんでいるよ。とをあけてあげなさい。」)

「姫や、誰かがお前を呼んでいるよ。戸を開けてあげなさい。」

(とおうさまがいいました。)

と王様が言いました。

(すえのおひめさまは、とのところへかけていきました。)

末のお姫さまは、戸のところへ駆けて行きました。

(「だれかしら?」とをすこしだけあけてのぞくと)

「誰かしら?」戸を少しだけ開けて覗くと

(「あっ!」とのまえにはきのうのかえるがすわっているではありませんか。)

「あっ!」戸の前には昨日のかえるが座っているではありませんか。

(おひめさまはあわてて、ばたんととをしめてしまいました。)

お姫さまは慌てて、バタンと戸を閉めてしまいました。

(いそいでてーぶるにもどりましたが、かおがまっさおになっていました。)

急いでテーブルに戻りましたが、顔が真っ青になっていました。

(「ひめや、なにをびくびくしているのだ。とのそとにこわいものでもいたのかな。」)

「姫や、なにをびくびくしているのだ。戸の外に怖い物でもいたのかな。」

(おうさまがたずねました。おひめさまがだまっていると、もういちどききました。)

王様が尋ねました。お姫さまが黙っていると、もう一度聞きました。

(「どうしたのだ。おそろしいおおおとこでも、おまえをつれにきたのかな。」)

「どうしたのだ。恐ろしい大男でも、お前を連れに来たのかな。」

(「おおおとこじゃありません。とてもきたないかえるが、とのそとにいるんですもの。)

「大男じゃありません。とても汚いかえるが、戸の外にいるんですもの。

(むねがどきどきしちゃったの。」とおひめさまはいいました。)

胸がどきどきしちゃったの。」とお姫さまは言いました。

(「どうしてかえるが、おまえをしっているのだろう。」)

「どうしてかえるが、お前を知っているのだろう。」

(おうさまはふしぎそうに、つぶやきました。)

王さまは不思議そうに、つぶやきました。

(「きのう、もりのいずみにきんのぼーるをおとしてしまったの。)

「昨日、森の泉に金のボールを落としてしまったの。

(そのときかえるが、おともだちになってくれたら)

その時かえるが、お友達になってくれたら

(ぼーるをひろってあげるというんですもの。つい、やくそくをしちゃったの。」)

ボールを拾ってあげると言うんですもの。つい、約束をしちゃったの。」

(「ふうむ、そうだったのか。ひめや、やくそくはまもらなければいけないよ。」)

「ふうむ、そうだったのか。姫や、約束は守らなければいけないよ。」

(「でも・・・。でも、おとうさま、)

「でも・・・。でも、お父様、

(かえるったら、おなじおさらからごちそうをたべましょうなんていうのよ。」)

かえるったら、同じお皿からごちそうを食べましょうなんて言うのよ。」

(「ひめや、かえるをいれてやりなさい。」)

「姫や、かえるを入れてやりなさい。」

(とのそとでは、かえるがわめいていました。)

戸の外では、かえるがわめいていました。

(「ぐえっ、ぐえっ、あけてください、おひめさま。)

「グエッ、グエッ、開けてください、お姫さま。

(ぐえっ、ぐえっ、きのうのやくそくわすれたの。)

グエッ、グエッ、昨日の約束忘れたの。

(ぐえっ、ぐえっ、あなたとわたしは、おともだち。」)

グエッ、グエッ、あなたと私は、お友達。」

(「さあ、はやく!」と、おうさまがいいました。)

「さあ、早く!」と、王様が言いました。

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