万花繚乱/After the Rain

(うきあしだつよのしたたりよいはやけてひすずしの)

浮足立つ世の滴り　宵は焼けて燈涼しの

(かぜよみちびいてまつりのひ)

風よ導いて　祭りの日

(あとさきはそれのにのつぎこよいはきのむくままに)

後先は其れの二の次　今宵は気の向くままに

(ただきみをおいこしてふりむくどうり)

ただ君を追い越して　振り向く道理

(なつかぜのぬけたながかみが)

夏風の抜けた長髪が

(ふわりはなをくすぐるくらいにちかづけば)

ふわり　鼻をくすぐるくらいに近づけば

(このおもいはたえまないよるのなか)

この想いは絶え間ない夜の中

(てんようたえそらよくらませ)

天よ詠え　空よ眩ませ

(ばんかのさいたよのはてに)

万花の咲いた　世の果てに

(きょうのつづいたこのよるに)

今日の続いたこの夜に

(いらないものなどない)

いらないものなどない

(すいもあまいもよいやみのひばな)

酸いも甘いも宵闇の火花

(くいてはじることなどない)

悔いて恥じることなどない

(せんやみらいまできらめいておくれ)

千夜未来まで煌めいておくれ

(はくじつとなるままに)

白日と成るままに

(ふなれなさしげたならしてほたるびのつづくみちを)

不慣れな差下駄鳴らして　蛍火の続く道を

(かぜのよぶほうへあるいている)

風の呼ぶ方へ歩いている

(てをとるはきみのひだりていまはわけもしらぬように)

手を取るは君の左手　今は理由も知らぬように

(くびかしげてわらうそれははじまり)

首傾げて笑う　それは始まり

(ああちゅうへうかぶこころもよう)

ああ　宙へ浮かぶ心模様

(きみでいろづいたよさり)

君で色づいた　夜さり

(かなわぬこいとしても)

叶わぬ恋としても

(いまだけはなりやまぬよるのまま)

今だけは鳴りやまぬ夜のまま

(いつかたとえきみをわすれたい)

いつかたとえ君を忘れたい

(なつになってしまうとしても)

夏になってしまうとしても

(きょうのおもいはきえぬように)

今日の想いは消えぬように

(よぞらにやきつけて)

夜空に焼き付けて

(ぱっとひらいてよばいのほしの)

パッと開いて　夜ばいの星の

(おどりだすつきよをせに)

踊りだす　月夜を背に

(こいのうれいなんてつれさっておくれ)

恋の憂いなんて連れ去っておくれ

(このゆめみのままに)

この夢見のままに

(よいやみのかぜをがくのねを)

宵闇の風を　楽の音を

(きみでいろづいたひびを)

君で色づいた日々を

(ぼくはわすれないられもしない)

ボクは忘れない...られもしない

(たえまないよるのなか)

絶え間ない夜の中

(きんきとしったいまはなおさら)

禁忌と知った今は尚更

(いとしくおもうばかり)

愛しく想うばかり

(なんどせかいにはばまれど)

何度世界に阻まれど

(なやめるものもない)

悩めるものもない

(すいもあまいもよいやみのひばな)

酸いも甘いも宵闇の火花

(くいてはじることなどない)

悔いて恥じることなどない

(せんやみらいまできらめいておくれ)

千夜未来まで煌めいておくれ

(はくじつとなるままに)

白日と成るままに

(ときあかして)

解き明かして