独裁者　名シーン

(きかいよりたいせつなのはじんどうだ)

機械より大切なのは人道だ。

(かしこさよりたいせつなのはしんせつさだ)

賢さより大切なのは親切さだ。

(これらをなくしたときじんせいはぼうりょくてきできょむてきとなる)

これらを無くした時、人生は暴力的で虚無的となる。

(らじおやひこうきによってわたしたちのきょりはちかづいた)

ラジオや飛行機によって、私達の距離は近づいた。

(これらのはつめいがもつそのほんしつが)

これらの発明が持つその本質が、

(ひとびとのぜんりょうをだんけつのためのふへんてきなきょうだいあいをひつようとしている)

人々の善良を、団結の為の普遍的な兄弟愛を必要としている。

(わたしのこえはいませかいじゅうにとどいている)

私の声は今、世界中に届いている。

(ぜつぼうしているだんじょにもこどもたちにも)

絶望している男女にも、子供達にも。

(つみなきものをごうもんしとうごくするしすてむのぎせいしゃたちにも)

罪無き者を拷問し、投獄するシステムの犠牲者達にも。

(このこえがきこえているひとびとにわたしはつたえたい)

この声が聞こえている人々に私は伝えたい。

(ぜつぼうすることはないと)

絶望する事はない、と。

(いまわたしたちのうえにあるのはふこうだが)

今、私達の上にあるのは不幸だが、

(それはつかのまのどんよくでありじんるいのしんぽをおそれるてきいであり)

それは束の間の貪欲であり、人類の進歩を怖れる敵意であり、

(ぞうおはどくさいしゃのしとともにきえてなくなる)

憎悪は独裁者の死と共に消えて無くなる。

(そしてひとびとからうばわれたちからはもちぬしへとかえっていく)

そして人々から奪われた力は持ち主へと帰っていく。

(しぜんのせつりがあるかぎりじゆうはけっしてほろびることはない)

自然の摂理がある限り、自由は決して滅びる事は無い。

(へいしたちよどくさいしゃにみをささげてはならない)

兵士達よ、独裁者に身を捧げてはならない。

(やつらはきみたちをけいべつしどれいにしとうせいし)

奴らは君達を軽蔑し、奴隷にし、統制し、

(なにをすべきかなにをかんがえるべきかなにをかんじるべきかをつたえ)

何をすべきか、何を考えるべきか、何を感じるべきかを伝え、

(おしえこみだいえっとさせかちくのようにあつかい)

教え込み、ダイエットさせ、家畜のように扱い、

(つかいすてとしてもちいるのだ)

使い捨てとして用いるのだ。

(そんなざんにんなやつらにみをささげてはならない)

そんな残忍な奴らに身を捧げてはならない。

(きかいじみたやつらなどに)

機械じみた奴らなどに。

(きみたちはましんじゃないかちくでもないにんげんだ)

君達はマシンじゃない。家畜でもない。人間だ。

(きみたちのこころにはじんどうにもとづいたあいがある)

君達の心には人道に基づいた愛がある。

(にくんだりしてはならない)

憎んだりしてはならない。

(にくもうとするのはあいなきものしぜんのせつりにはんするものだけだ)

憎もうとするのは愛無き者、自然の摂理に反する者だけだ。

(へいしたちよどれいになるためにたたかうなじゆうになるためにたたかってくれ)

兵士達よ、奴隷になる為に戦うな。自由になる為に戦ってくれ。

(るかによるふくいんしょだい１７しょうにはこうかかれている)

「ルカによる福音書」第17章にはこう書かれている。

(かみのくにとはなんじのうちにあるものなりと)

「『神の国』とは、汝のうちにあるものなり。」と。

(ひとりだけでもふくすうのひとびとだけでもなく)

一人だけでも、複数の人々だけでもなく、

(すべてのひとびとのなかにあるといういみだ)

全ての人々の中にあると言う意味だ。

(きみたちにはちからがある)

君達には力がある。

(きかいをつくりこうふくをつくりだすちからだ)

機械を作り、幸福を作りだす力だ。

(きみたちはこのよをじゆうでうつくしくすばらしいぼうけんにするちからがある)

君達はこの世を自由で美しく、素晴らしい冒険にする力がある。

(みんしゅしゅぎのなのもとそのちからをいっちだんけつしてつかおう)

民主主義の名の下、その力を一致団結して使おう。

(あたらしいせかいのためにたたかうのだ)

新しい世界の為に戦うのだ。

(まっとうなせかいでははたらくきかいがうみだされ)

真っ当な世界では働く機会が生み出され、

(わかものにはみらいがろうじんにはあんしんがあたえられる)

若者には未来が、老人には安心が与えられる。

(そうしたやくそくをすることによってどくさいしゃはちからとともにのぼりつめた)

そうした約束をする事によって、独裁者は力と共に上り詰めた。

(しかしそれはうそだった)

しかしそれは嘘だった。

(やつらがやくそくをまもることはないこのさきもぜったいに)

奴らが約束を守る事は無い。この先も絶対に。

(どくさいしゃはみずからをじゆうにするがひとびとをどれいにするのだ)

独裁者は自らを自由にするが、人々を奴隷にするのだ。

(いまやくそくをはたすためにたたかおう)

今、約束を果たす為に戦おう。

(どんよくもぞうおもふかんようもこっきょうのかきねをはいじょするじゆうなせかいのためにたたかおう)

貪欲も憎悪も不寛容も、国境の垣根を排除する自由な世界の為に戦おう。

(かがくとしんぽがすべてのこうふくをみちびくようなりせいあるせかいのためにたたかおう)

科学と進歩が全ての幸福を導くような理性ある世界の為に戦おう。

(へいしたちよみんしゅしゅぎのなのもといっちだんけつしよう)

兵士達よ、民主主義の名の下、一致団結しよう。