源氏物語 蛍3-4「源氏、子息夕霧を思う」

背景
投稿者投稿者みみいいね0お気に入り登録
プレイ回数126難易度(4.5) 1502打 長文

問題文

ふりがな非表示 ふりがな表示

(ちゅうじゃうのきみを、こなたにはけとほくもてなしきこえたまへれど、ひめぎみのおんかたには、)

中将の君を、こなたには気遠くもてなしきこえたまへれど、姫君の御方には、

(さしもさしはなちきこえたまはずならはしたまふ。)

さしもさし放ちきこえたまはずならはしたまふ。

(「わがよのほどは、とてもかくてもおなじことなれど、なからむよをおもひやるに、)

「わが世のほどは、とてもかくても同じことなれど、なからむ世を思ひやるに、

(なほみつき、おもひしみぬることどもこそ、とりわきてはおぼゆべけれ」とて、)

なほ見つき、思ひしみぬることどもこそ、取り分きてはおぼゆべけれ」とて、

(みなみおもてのみすのうちはゆるしたまへり。だいばんどころ、にょうばうのなかはゆるしたまはず。)

南面の御簾の内は許したまへり。台盤所、女房のなかは許したまはず。

(あまたおはせぬおんなからひにて、いとやむごとなくかしづききこえたまへり。)

あまたおはせぬ御仲らひにて、いとやむごとなくかしづききこえたまへり。

(おほかたのこころもちいなども、いとものものしく、)

おほかたの心もちゐなども、いとものものしく、

(まめやかにものしたまふきみなれば、うしろやすくおぼしゆづれり。)

まめやかにものしたまふ君なれば、うしろやすく思し譲れり。

(まだいはけたるおんひひなあそびなどのけはひのけんゆれば、かのひとの、)

まだいはけたる御雛遊びなどのけはひの見ゆれば、かの人の、

(もろともにあそびてすぐししとしつきの、まづおもひいでらるれば、ひひなのとののみやづかへ、)

もろともに遊びて過ぐしし年月の、まづ思ひ出でらるれば、雛の殿の宮仕へ、

(いとよくしたまひて、をりをりにうちしほたれたまひけり。)

いとよくしたまひて、折々にうちしほたれたまひけり。

(さもありぬべきあたりには、はかなしごとものたまひふるるはあまたあれど、)

さもありぬべきあたりには、はかなしごとものたまひ触るるはあまたあれど、

(たのみかくべくもしなさず。さるかたになどかはみざらむと、こころとまりぬべきをも、)

頼みかくべくもしなさず。さる方になどかは見ざらむと、心とまりぬべきをも、

(しひてなほざりごとにしなして、なほ「かの、みどりのそでをみえなおしてしがな」)

強ひてなほざりごとにしなして、なほ「かの、緑の袖を見え直してしがな」

(とおもふこころのみぞ、やむごとなきふしにはとまりける。)

と思ふ心のみぞ、やむごとなき節にはとまりける。

(あながちになどかかづらひまどはば、たふるるかたにゆるしたまひもしつべかめれど、)

あながちになどかかづらひまどはば、倒ふるる方に許し給ひもしつべかめれど、

(「つらしとおもひしをりをり、いかでひとにもことわらせたてまつらむ」とおもひおきし、)

「つらしと思ひし折々、いかで人にもことわらせたてまつらむ」と思ひおきし、

(わすれがたくて、さうじみばかりには、おろかならぬあはれをつくしみせて、)

忘れがたくて、正身ばかりには、おろかならぬあはれを尽くし見せて、

(おほかたにはあせられおもへらず。)

おほかたには焦られ思へらず。

(あにのきみたちなども、なまねたしなどのみおもふことおほかり。たいのひめぎみのおんありさまを、)

兄の君達なども、なま妬しなどのみ思ふこと多かり。対の姫君の御ありさまを、

など

(うちゅうじゃうは、いとふかくおもひしみて、いひよるたよりもいとはかなければ、)

右中将は、いと深く思ひしみて、言ひ寄るたよりもいとはかなければ、

(このきみをぞかこちよりけれど、「ひとのうへにては、もどかしきわざなりけり」)

この君をぞかこち寄りけれど、 「人の上にては、もどかしきわざなりけり」

(と、つれなくいらへてぞものしたまひける。むかしのちちおとどたちのおんなからひににたり。)

と、つれなく応へてぞものしたまひける。昔の父大臣たちの御仲らひに似たり。

問題文を全て表示 一部のみ表示 誤字・脱字等の報告

◆コメントを投稿

※誹謗中傷、公序良俗に反するコメント、個人情報の投稿、歌詞の投稿、出会い目的の投稿、無関係な宣伝行為は禁止です。削除対象となります。

※このゲームにコメントするにはログインが必要です。

※コメントは日本語で投稿してください。

みみのタイピング

オススメの新着タイピング

タイピング練習講座 ローマ字入力表 アプリケーションの使い方 よくある質問

人気ランキング

注目キーワード