きらいな人

(あたまはとりのふんだらけで)

頭は鳥の糞だらけで

(かたにはちいさなむしがとまっている)

肩には小さな虫が止まっている

(きれいなのはこころくらいだけど)

綺麗なのは心くらいだけど

(それすらじぶんでよごれをぬっていく)

それすら自分で汚れを塗っていく

(おちつけるばしょはといれのこしつだとか)

落ち着ける場所はトイレの個室だとか

(ろっかーのなかだってのは)

ロッカーの中だってのは

(じつはじょうだんばなしなんかじゃなかったんだ)

実は冗談話なんかじゃなかったんだ

(さいていなひとにも)

最低な人にも

(さいこうのにんげんにも)

最高の人間にも

(なりたくなかったんだ)

なりたくなかったんだ

(すれているかんがえしょうねんさ)

すれている考え少年さ

(いままでいきてきて)

今まで生きてきて

(きらいなものをかぞえてみよう)

嫌いなものを数えてみよう

(りょうてりょうあしじゃたりないな)

両手両足じゃ足りないな

(これからもふえていくんだろか)

これからも増えていくんだろか

(いじめっこのかれをいかにして)

いじめっ子の彼をいかにして

(くるしめることだけゆめみるのさ)

苦しめることだけ夢見るのさ

(しょうがっこうのせんせいも)

小学校の先生も

(ちゅうがくのどうきゅうせいも)

中学の同級生も

(みんなしんじゃえばいいのにな)

みんな死んじゃえばいいのにな

(ほんきでおもってるしょうねんさ)

本気で思ってる少年さ

(いままでいきてきて)

今まで生きてきて

(きらいなものをかぞえてみよう)

嫌いなものを数えてみよう

(しんじられないかずになってた)

信じられない数になってた

(とうとうじぶんをきらいになった)

とうとう自分を嫌いになった

(さいていなひとにも)

最低な人にも

(さいこうのにんげんにも)

最高の人間にも

(ともだちがいなかったんだ)

友達がいなかったんだ

(ひとりぼっちのしょうねんさ)

ひとりぼっちの少年さ

(すきなものすら)

好きなものすら

(ろくにすきといえんような)

ろくに好きと言えんような

(ふがいないたいどのしょうねんさ)

不甲斐ない態度の少年さ

(でもすこしだけやさしくなれたんだ)

でも少しだけ優しくなれたんだ

(ただそれだけでよかったんだ)

ただそれだけで良かったんだ

(ただそれだけがよかったんだ)

ただそれだけが良かったんだ