ミュージック（サカナクション）

(ながれながれ)

流れ流れ

(とりはとおくのいわがなつかしくなるのか)

鳥は遠くの岩が懐かしくなるのか

(たかくそらをとんだ)

高く空を飛んだ

(だれもしらない)

誰も知らない

(しらないまちをみおろし)

知らない街を見下ろし

(とりはなにをおもうか)

鳥は何を思うか

(さびしいぼくとおなじだろうか)

寂しい僕と同じだろうか

(はなればなれ)

離れ離れ

(とりはむれのなかまがなつかしくなるのか)

鳥は群れの仲間が懐かしくなるのか

(たかいこえでないた)

高い声で鳴いた

(なにもいわない)

何も言わない

(いわないまちはしずかに)

言わない街は静かに

(それをきいていたんだ)

それを聞いていたんだ

(よわいぼくとおなじだろうか)

弱い僕と同じだろうか

(いたみやきずやうそになれたぼくらのことばは)

痛みや傷や嘘に慣れた僕らの言葉は

(つかれたかわも)

疲れた川面

(うかびながれ)

浮かび流れ

(きみがすむまちで)

君が住む町で

(きえた)

消えた

(きえた)

消えた

(かわはながれる)

カワハナガレル

(きえた)

消えた

(まだみえてない)

マダミエテナイ

(まだみえてない)

マダミエテナイ

(きえたきえた)

消えた消えた

(かわはながれる)

カワハナガレル

(きえた)

消えた

(まだみえない)

マダミエナイ

(まだみえないから)

マダミエナイカラ

(ぬれたままのかみでぼくはねむりたい)

濡れたままの髪で僕は眠りたい

(ぬぎすてられたふく)

脱ぎ捨てられた服

(きのうのままだった)

昨日のままだった

(なにもいわない)

何も言わない

(いわないへやのかべにそれはよりかかって)

言わない部屋の壁にそれは寄りかかって

(だらしないぼくをみているようだ)

だらしない僕を見ているようだ

(いたみやきずやうそになれたぼくのひとりごと)

痛みや傷や嘘に慣れた僕の独り言

(つかれたよるとならびふくかぜ)

疲れた夜と並び吹く風

(きみのほおへ)

君の頬へ

(ふれた)

触れた

(ふれた)

触れた

(よるはながれる)

ヨルハナガレル

(ふれた)

触れた

(ないてはいないないてはいない)

ナイテハイナイナイテハイナイ

(ふれた)

触れた

(ふれた)

触れた

(よるはながれる)

ヨルハナガレル

(きみが)

君が

(ないていたないていたから)

ナイテイタ　ナイテイタカラ

(ふりかえったきせつにたって)

振り返った季節に立って

(おもいだせなくていやになって)

思い出せなくて嫌になって

(ながれながれてたとりだって)

流れ流れてた鳥だって

(まちでないてたろないてたろ)

街で鳴いてたろ　鳴いてたろ

(すぎさったきせつをまって)

過ぎ去った季節を待って

(おもいだせなくていやになって)

思い出せなくて嫌になって

(はなればなれからとびたって)

離れ離れから飛び立って

(とりもないてたろないてたろ)

鳥も泣いてたろ　泣いてたろ

(いつだってぼくらをまってる)

いつだって僕らを待ってる

(つかれたいたみやきずだって)

疲れた痛みや傷だって

(かわらないままのよるだって)

変わらないままの夜だって

(うたいつづけるよつづけるよ)

歌い続けるよ　続けるよ

(いつだってぼくらをまってる)

いつだって僕らを待ってる

(まだみえないままただまってる)

まだ見えないままただ待ってる

(だらしなくてよわいぼくだって)

だらしなくて弱い僕だって

(うたいつづけるよつづけるよ)

歌い続けるよ　続けるよ