南洲翁遺訓〈現代語訳〉17~20

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西郷隆盛の教えです。
ふんわりと現代語に訳しております。
詳しくは大家の翻訳を参照してください。

前半の「1~20」は、主に為政者(上に立つ者)としての訓えが説かれ、
後半の「21~41」は、主に個人の修身についての訓えが説かれています。
個人的には後半の「21~」進めるのがお勧めです。

ローマ字欄に原文を記載してあります。
盛和塾関係の方に是非おすすめです。

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問題文

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(せいどうをふみ、なんとならばくにもろともたおれてやるぞ)

正道を踏み、何とならば国もろとも倒れてやるぞ

正道を踏み國を以て斃るゝの

(というほどのせいしんがないと、)

というほどの精神が無いと、

精神無くば、

(しょがいこくとのがいこうかんけいは、ただしくたいとうにいじすることはできないのだ。)

諸外国との外交関係は、正しく対等に維持することはできないのだ。

外國交際は全かる可からず。

(きょうこくにおそれかしこまりいしゅくし、ただえんまんにことをはこぶのをしゅとして、)

強国に恐れ畏まり萎縮し、ただ円満に事を運ぶのを主として、

彼の強大に畏縮し、圓滑を主として、

(せつぎをまげてまで、いわれるがままのじゅうじゅんなしせいをみせていると、)

節義を曲げてまで、言われるがままの従順な姿勢を見せていると、

曲げて彼の意に順從する時は、

(けいべつをうけ、あなどられるけっかをまねくこととなり、しんこうかんけいもかえってはたんし、)

軽蔑を受け、侮られる結果を招くこととなり、親交関係も却って破綻し、

輕侮を招き、好親却て破れ、

(しまいにはきょうこくにせいあつされるじたいにいたってしまうであろう。)

しまいには強国に制圧される事態に至ってしまうであろう。

終に彼の制を受るに至らん。

(はなしがこくじにおよんだとき、なんしゅうおうはたいへんになげきおっしゃった。)

話が国事に及んだ時、南洲翁は大変に嘆きおっしゃった。

談國事に及びし時、慨然として申されけるは、

(わがくにが、がいこくからはずかしめをうけるじたいにあたっては、)

我が国が、外国から辱めを受ける事態に当たっては、

國の凌辱せらるゝに當りては、

(たとえくにがたおれてしまおうとも、)

たとえ国が倒れてしまおうとも、

縱令國を以て斃るゝ共、

(せいどうをふみ、どうぎをつくすのはせいふのほんむである。)

正道を踏み、道義を尽くすのは政府の本務である。

正道を踐み、義を盡すは政府の本務也。

(ふだんかんりょうたちがざいせい、しょくりょうじじょう、いんふらなどのぎろんするのをきいていると、)

普段官僚達が財政、食糧事情、インフラなどの議論するのを聞いていると、

然るに平日金穀理財の事を議するを聞けば、

(なんというえいゆうごうけつのぎろんかとおもわれるのであるが、)

何という英雄豪傑の議論かと思われるのであるが、

如何なる英雄豪傑かと見ゆれ共、

(げんじつにいざ「けっせんやむなし」というじたいにのぞんだとたん、)

現実にいざ「血戦已む無し」という事態に臨んだ途端、

血の出る事に臨めば、

(かれらははとのようにあたまをいっかしょにあつめ、)

彼らは鳩のように頭を一カ所に集め、

頭を一處に集め、

(ただいやしくいちじてきなあんらくとめさきのやすきほしんをはかるばかりである。)

ただ卑しく一時的な安楽と目先の安き保身を謀るばかりである。

唯目前の苟安を謀るのみ、

(せんのいちじをおそれ、そのきがいもなく、せいふとしてのほんむもはたせないようなことでは、)

戦の一字を恐れ、その気概も無く、政府としての本務も果たせない様な事では、

戰の一字を恐れ、政府の本務を墜しなば、

(それはただのしょうほうしはいじょというもので、)

それはただの商法支配所というもので、

商法支配所と申すものにて

(まったくもってせいふなどといえるものではない。)

全くもって政府などと言えるものではない。

更に政府には非ざる也。

(こらい、しゅくんもかしんもともどもに、じぶんはかんぜんだとおもっているそしきにあっては、)

古来、主君も家臣も共々に、自分は完全だと思っている組織にあっては、

古より君臣共に己れを足れりとする世に、

など

(うまくおさまったじだいはない。)

うまく治まった時代はない。

治功の上りたるはあらず。

(じぶんにはまだまだたりないところがある、とかんがえるところからこそ、)

自分にはまだまだ足りないところがある、と考えるところからこそ、

自分を足れりとせざるより、

(しもじものいうことにいたるまでもききいれることができるものなのである。)

下々の言うことに到るまでも聞き入れることができるものなのである。

下々の言も聽き入るゝもの也。

(また、じぶんがかんぜんだとしているおごったにんげんというものは、)

また、自分が完全だとしている驕った人間というものは、

己れを足れりとすれば、

(しゅういがそのひとのまちがいやけってんをただすとき、たちまちいかりげきこうするので、)

周囲がその人の間違いや欠点を糾すとき、忽ち怒り激昂するので、

人己れの非を言へば忽ち怒るゆゑ、

(もののどうりがただしくわかっているけんじんやくんしは、)

物の道理が正しく分かっている賢人や君子は、

賢人君子は

(そのようなにんげんにつき、じょりょくすることはけっしてない。)

そのような人間に従き、助力することは決してない。

之を助けぬなり。

(いかほどせいどやほうほうろんをぎろんしたところで、)

いかほど制度や方法論を議論したところで、

何程制度方法を論ずる共、

(そもそも、それをおこなうじんぶつじたいがにんげんとしてできていないのであれば、)

そもそも、それを行う人物自体が人間として出来ていないのであれば、

其人に非ざれば

(なにをやったところでうまくたちゆかないだろう。)

何をやったところでうまく立ち行かないだろう。

行はれ難し。

(まずできたじんぶつあってのち、はじめていろいろなほうさく、せいどはおこなわれるものなのだ。)

まず出来た人物あって後、始めて色々な方策、制度は行われるものなのだ。

人有て後方法の行はるゝものなれば、

(じつにひとこそがだいいちのたからであって、)

実に人こそが第一の宝であって、

人は第一の寶にして、

(まずじぶんがそういったりっぱなじんぶつになるこころがけが、なによりじゅうようなことなのである。)

まず自分がそういった立派な人物になる心掛けが、何より重要な事なのである。

己れ其人に成るの心懸け肝要なり。

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