天目影打
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問題文
(あめのまかげうち)
天目影打
(しんそくでなをはせるてんぐをもきりおとすというでんせつをもつ、めいしがはっちゅうしたかたな。)
神速で名を馳せる天狗をも斬り墜とすという伝説を持つ、名士が発注した刀。
(めいとううすべりばんこうあめのまのかげうち。)
名刀「薄縁満光天目」の影打ち。
(いわくらりゅうしょだいとうしゅどういんがこんだむらにいんきょちゅうにせわになったれいとして、)
岩蔵流初代当主「道胤」が紺田村に隠居中に世話になった礼として、
(さいもんけにぞうていしたものだ。)
柴門家に贈呈したものだ。
(いわくらりゅうのひけんてんぐしょうはまよいを)
岩蔵流の秘剣「天狗抄」は迷いを
(すべてすててやっとつかえるわざだという。)
すべて捨ててやっと使える技だという。
(てんぐしょうはてんぐしょうのもじりで、)
「天狗抄」は「天狗勝」のもじりで、
(そらとぶてんぐさえもきりおとせるけんだ。)
空飛ぶ天狗さえも斬り落とせる剣だ。
(すうひゃくねんかん、いんのなをせしゅうしてきたいわくらのけんごうたちは)
数百年間、「胤」の名を世襲してきた岩蔵の剣豪たちは
(いなずまでひけんをふるい、むすうのようまをきりすてた。)
稲妻で秘剣を振るい、無数の妖魔を斬り捨てた。
(てんぐしょうがかんせいしたのは、まつられなくなったやしろのなかだった。)
「天狗抄」が完成したのは、祀られなくなった社の中だった。
(ひけんのいりょくがおおきく、たてものはことごとくこわされ、)
秘剣の威力が大きく、建物は尽く壊され、
(いわくらどういんのかたなもまっぷたつになった。)
岩蔵道胤の刀も真っ二つになった。
(そのご、けんじゅつのうででいわくらりゅうをそうりつし、くじょうけのしなんやくになった。)
その後、剣術の腕で岩蔵流を創立し、九条家の指南役になった。
(とうじのあめのまにいらいして、)
当時の天目に依頼して、
(いんのなとともにうけついでいくめいとううすべりばんこうあめのまをうってもらった。)
胤の名とともに受け継いでいく名刀「薄縁満光天目」を打ってもらった。
(そのかたなのいつわもしょせつあり、ひとのえんさえきれるといわれている。)
その刀の逸話も諸説あり、人の縁さえも切れると言われている。
(ながいごうは、いわくらどういんがじきじきにしていしたものだそうだ。)
長い号は、岩蔵道胤が直々に指定したものだそうだ。