つよがり

(はじめてのきすのあとはなみだでるほどわらった)

はじめてのキスのあとは　涙出るほど笑った

(だけどこんやのふたりはなぜだまっているのだろう)

だけど今夜のふたりはなぜ黙っているのだろう

(ほんきになればきずつくだけわかっていたはずなのに)

本気になれば傷つくだけ　わかっていたはずなのに

(ひきかえすにはもうおそすぎたなつのなごりたち)

引き返すにはもう遅すぎた　夏の名残たち

(このよるをさいごのよるときめていたずるいあなた)

この夜を最後の夜と決めていたずるいあなた

(さよならはいわないよそれだけがぼくのさいごのつよがり)

さよならは言わないよ　それだけが　ぼくの最後のつよがり

(そのかみもほそいゆびもくせのあるわらいごえも)

その髪も細い指も　クセのある笑い声も

(２４じかんぼくひとりのものならよかったのに)

二十四時間　ぼくひとりのものならよかったのに

(くちづけのあとあなたがつくためいきをききながして)

くちづけのあとあなたがつくため息をききながして

(かるいじょーくでごまかすぼくをせめてわらってよ)

軽いジョークでごまかすぼくをせめて笑ってよ

(このこいをさいごのこいときめたのはぼくひとりで)

この恋を最後の恋と決めたのはぼくひとりで

(さよならのかわりのつくりわらいけしたとおいくらくしょん)

さよならの代わりのつくり笑い　消した遠いクラクション

(おわらないかなしみわかちあうかくごがたりないなら)

終わらない悲しみ　分かち合う覚悟が足りないなら

(いまのぼくにはあなたのことあいするしかくはない)

いまのぼくにはあなたのこと愛する資格はない

(かぎられたじかんのなかでこころまであつくしたね)

かぎられた時間の中で心まで熱くしたね

(あいされたきおくをほこりにしてそっとあるいてみるよ)

愛された記憶を誇りにしてそっと歩いてみるよ

(このよるをさいごのよるときめていたずるいあなた)

この夜を最後の夜と決めていたずるいあなた

(さよならはいわないよそれだけがぼくのさいごのつよがり)

さよならは言わないよ　それだけが　ぼくの最後のつよがり

(きっとさいごのつよがり)

きっと最後のつよがり