事後叙景

(ぼくはかんがえた)

僕は考えた

(まいたたねもかれた)

蒔いた種も枯れた

(なんだかんだうれたいもとおまわりだが)

なんだかんだ「売れたい」も遠回りだが

(よくあるはなしでおわるのしゃくだ)

よくある話で終わるの癪だ

(さいのうだけじゃもうそくろうがいか)

才能だけじゃもう即老害か？

(りちょうよろしくとらにでもなろうか)

李徴よろしく虎にでもなろうか

(ってむそうかでさびてんなここのろうか)

って夢想家　で錆びてんなここの廊下

(りんじんもかいかもおわってるみょうだ)

隣人も階下も終わってる妙だ

(さっきからひめいがきこえてないか)

さっきから悲鳴が聞こえてないか？

(ちゅうかせいすとろぼこわれた)

中華製ストロボ壊れた

(ねうちがつかなきゃこれかみきれだ)

値打ちがつかなきゃこれ紙切れだ

(なんでもやってみるのはきちだが)

なんでもやってみるのは吉だが

(たにんのかんしょうをりようすんな)

他人の感傷を利用すんな

(わめくむきずなぼくのじんせい)

喚く無傷な僕の人生

(あげくふきつなよこぎるかげ)

挙句不吉な横切る影

(じごばっかしるすぜこのさんじょう)

事後ばっか記すぜこの惨状

(よにはばかるげいじゅつかのたんじょう)

世に憚る芸術家の誕生

(かってだなどいつもこいつもじぶんごととして)

勝手だなどいつもこいつも自分ごととして

(からまわってんねじょうとうくでかきまわそうとして)

から回ってんね常套句でかき回そうとして

(じけんははくちゅうどうどうさほらみろつみかさねのほうぼうが)

事件は白昼堂々さほら見ろ積み重ねの方々が

(うつしてうつしてってないてる)

写して　写してって泣いてる

(きがついたじてんでもうおわり)

気がついた時点でもう終わり

(ただまにあったこともあっただろうな)

ただ間に合ったこともあっただろうな

(ちらついたじてんでもうおわり)

ちらついた時点でもう終わり

(やめとけばよかったはうそだろうな)

やめとけばよかったは嘘だろうな

(からからの)

空々の

(じごだろうな)

事後だろうな

(ぼくはかんがえたって)

僕は考えたって

(わからんばっか)

わからんばっか

(おもえばじんせいのちょうしがわるいな)

思えば人生の調子が悪いな

(うつしてたしゃったーおちるときに)

写してたシャッター落ちるときに

(ちょっとくずしてたもんがみちるたびに)

ちょっと崩してたもんが満ちる度に

(たたいてなおせふぁみこんみたいに)

叩いて直せファミコンみたいに

(いたいのにてをとめなかったたんに)

痛いのに手を止めなかった単に

(いきてるかちなんてだれにもないさ)

生きてる価値なんて誰にもないさ

(はんぱなかくごにあってるきみに)

半端な覚悟　似合ってる君に

(なんせんすだなどっかできいたはなしだけをして)

ナンセンスだなどっかで聞いた話だけをして

(しんどうがくさっていくようすをじっきょうちゅうけい)

神童が腐っていく様子を実況中継

(およばぬたいがんこうこうとじごからはじまってるしゅくしゅくと)

及ばぬ対岸煌々と事後から始まってる粛々と

(ぜんぶぜんぶじゅうしょうだ)

全部、全部、重症だ

(きがついたじてんでもうおわり)

気がついた時点でもう終わり

(ただまにあったこともあっただろうな)

ただ間に合ったこともあっただろうな

(ちらついたじてんでもうおわり)

ちらついた時点でもう終わり

(やめとけばよかったはうそだろうな)

やめとけばよかったは嘘だろうな

(きがついたじてんでおわり)

気がついた時点で終わり

(じごだろうな)

事後だろうな