手纏ノ端無キガ如シ
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歌詞(問題文)
(かなたからながめるわたしは)
彼方から眺める私は
(さぞかしこっけいでしょう)
嘸かし滑稽でしょう
(ちょうしょうがしずけさに)
嘲笑が静けさに
(しみいりこだまする)
沁み入り谺する
(なんどここをたとうとも)
何度此処を立とうとも
(なんどここへかえろうとも)
何度此処へ帰ろうとも
(そのじつ、どれだけかさねどふじつ)
其の実、どれだけ重ねど不実
(ふりだしをみうしなう)
振出を見失う
(これはいきかかえりか)
これは行きか帰りか
(ひざまずきてをあわせ)
跪き手を合わせ
(こえたかだかにあえぐ)
声高々に喘ぐ
(いのりあがめおがみ)
祈り 崇め 拝み
(そのはてになにをつかんだ)
その果てに何を掴んだ?
(なけどさけべどくわれのこるいたみこそが)
泣けど叫べど喰われ残る痛みこそが
(ゆいいつそれがおのれのゆいいつ)
唯一…それが己の唯一
(つめたくわらういしだたみ)
冷たく嗤う石畳
(そのひたいをなすりつけて)
その額を擦り付けて
(いついつまでもあきもせずに)
いついつまでも飽きもせずに
(あけのくちにねじこむ)
朱の口に捩じ込む
(それはまさにひとりよがり)
それは正に独り善がり
(あじみもせぬえさとおなじ)
味見もせぬ餌と同じ
(あたりいちめんはとしゃのうみ)
辺り一面は吐瀉の海
(きづかずじゅすいたゆたう)
気付かず入水 揺蕩う
(いきもかえりもない)
行きも帰りも無い
(ひゃくどふめどふりだしのいち)
百度踏めど 振出の壱
(ひざまずきてをあわせ)
跪き手を合わせ
(そらたかだかにあおぐ)
天高々に仰ぐ
(うつろなめがおよげば)
虚ろな目が游げば
(できしもたわむれに)
溺死も戯れに
(とうにむしばまれていた)
疾うに蝕まれていた
(しょくしょうぎみのいたみ)
食傷気味の痛み
(いまださいは)
未だ賽は
(てのうちでおどる)
手の内で躍る
(くうをきるだけのむいとしりつつ)
空を切るだけの無意と知りつつ
(まよいごのてをひいて)
迷い子の手を引いて
(くりかえすくりかえす)
繰り返す 繰り返す
(たまきのはしなきがごとし)
「手纏ノ端無キガ如シ」
(ゆえにひざまずく)
故に跪く
(はきだしたことのはにいのちがやどるほど)
吐き出した言の葉に命が宿る程
(おのれをさらけだすいたみに)
己を曝け出す痛みに
(どうこくをうたえるのなら)
慟哭を謳えるのなら
(かぞえうたをおきざり)
数え歌を置き去り
(かなたからめをそらし)
彼方から目を逸らし
(つばをはきすてさいをふる)
唾を吐き捨て賽を振る
(さらば)
然らば