馬鹿騒ぎはもう終わり

(きょうがこわれてもう、おひらきのじかんだ)

今日が壊れて　もう、お開きの時間だ

(ちらかったへやをみてでっきでさいごのいっぱい)

散らかった部屋を見て　デッキで最後の一杯

(きみはまだわかいかぜをしゃつのすそにかっていて)

君はまだ若い風を　シャツの裾に飼っていて

(あさがやがてくるはずのちへいせんをそっとなでる)

朝がやがて来るはずの　地平線をそっと撫でる

(ばかさわぎはもうおわり)

馬鹿騒ぎはもう終わり

(らぐのもようがかわってらぴざそーすとびーるで)

ラグの模様が変わってら　ピザソースとビールで

(ときによごしたじんせいはかきなおしたことにして)

時に汚した人生は　書き直したことにして

(ふしだらなせいじかにいかるのはわかるけど)

ふしだらな政治家に　怒るのは分かるけど

(わいんびんでわったてれびべんしょうはしてもらうぜ)

ワイン瓶で割ったテレビ　弁償はしてもらうぜ

(ばかさわぎはもうおわり)

馬鹿騒ぎはもう終わり

(ときにじぶんをうしなったきになるよこううつざいやてのぬくみやきゅうふきんや)

時に自分を失った気になるよ　抗うつ剤や手の温みや給付金や

(ふざいとどけやじしんのふざいやいやすなあらしむなさわぎいまはなき１７さい)

不在届や自身の不在やいや　砂嵐　胸騒ぎ　今は亡き　17歳

(ばかさわぎはもうおわり)

馬鹿騒ぎはもう終わり

(よみかけすわんけのほうへごみばこの＊＊＊)

読みかけスワン家の方へ　ゴミ箱の***

(べんじょでねてるゆうじんいや、あんただれだっけ)

便所で寝てる友人　いや、あんた誰だっけ

(どこまでもいけるけれど、あえていかないってかおで)

どこまでも行けるけれど、あえて行かないって顔で

(このせかいにこしかけてはたいくつとのみかわした)

この世界に腰掛けては　退屈と飲み交わした

(ばかさわぎはもうおわり)

馬鹿騒ぎはもう終わり

(ぼくらのかたてではとりこぼしてしまうんだ)

僕らの片手では　取りこぼしてしまうんだ

(ほら、たったいまおとしたくるまのきーみたいにね)

ほら、たった今落とした　車のキーみたいにね

(「やめておきなしんじまうよ」きみがおかしそうにいう)

「止めておきな　死んじまうよ」　君が可笑しそうに言う

(「やめておきなしんじまうよ」たしかにねたしかにね)

「止めておきな　死んじまうよ」　確かにね　確かにね

(ときにじぶんをうしなったきになるよはれたどにちやあるこーるやせろとにんや)

時に自分を失った気になるよ　晴れた土日やアルコールやセロトニンや

(ふかいねむりやかいていはくらいやいやすなあらしむなさわぎいまはなき１７さい)

深い眠りや海底は暗いやいや　砂嵐　胸騒ぎ　今は亡き　17歳

(ばかさわぎはもうおわり)

馬鹿騒ぎはもう終わり

(ずつうだけがのこったきょうねつまなつにひあがるいつかのゆめ)

頭痛だけが残った強熱　真夏に干上がるいつかの夢

(ちらばったやしんとむこうみずほほえみとむぼうびなげいごう)

散らばった野心と向こう見ず　微笑みと無防備な迎合

(ただしさはときどきひすてりーせんろのくちてゆくまくらぎ)

正しさは時々ヒステリー　線路の　朽ちてゆく枕木

(ごがつのしめったつちのにおいかげふみというよりかげふまれ)

五月の湿った土の匂い　影踏みというより影踏まれ

(かたづけがおわったらあさがきたら)

片付けが終わったら　朝が来たら

(ぼくらはどこにむかうんだろう)

僕らはどこに　向かうんだろう

(それはねそれはねきみがつぶやく)

それはね　それはね　君がつぶやく

(「それぞれのじんせいにもどるの」)

「それぞれの人生に戻るの」

(ばかさわぎはもうおわり)

馬鹿騒ぎはもう終わり