夕立旅立ち

(いいことなんかなかったまちでも)

いい事なんかなかった街でも

(わかれるときにはさびしくなるんだな)

別れる時には寂しくなるんだな

(でがけにみおくりじんちょうげ)

出かけに見送り沈丁花

(ともだちよまたなこいびとよさらば)

友達よまたな　恋人よさらば

(ゆうだちたびだちゆくさきにひかり)

夕立旅立ち　行く先に光

(なつかしいゆめたちいまだにさめないし)

懐かしい夢達　未だに覚めないし

(ないたりへこんだりそのたびいきかえり)

泣いたり凹んだり　その度生き返り

(あたらしいあんたにふたたびひはさし)

新しいあんたに　再び日は射し

(すぎさるいえいえをかぞえて)

過ぎ去る家々を数えて

(そのかずのじんせいそのかずのわかれ)

その数の人生　その数の別れ

(ぼくはまたひとつかしこくなる)

僕はまた一つ賢くなる

(「あんときああすれば」それもすぎゆくふうけい)

「あん時ああすれば」　それも過ぎ行く風景

(ゆうだちたびだちゆくさきにひかり)

夕立旅立ち　行く先に光

(なつかしいゆめたちいまだにさめないし)

懐かしい夢達　未だに覚めないし

(あんときたしかになかないとちかい)

あんとき確かに　泣かないと誓い

(はじまりのきてきべつりのひびき)

始まりの汽笛　別離の響き

(とかいのせわしないくらしにも)

都会のせわしない暮らしにも

(したたかかぜがふくいなかのかぜがふく)

したたか風が吹く　田舎の風が吹く

(あんたのかおもわすれちまった)

あんたの顔も忘れちまった

(そういうことにしてわすれたことにして)

そういう事にして　忘れたことにして

(ゆうだちたびだちゆくさきにひかり)

夕立旅立ち　行く先に光

(なつかしいゆめたちいまだにさめないし)

懐かしい夢達　未だに覚めないし

(はかないみまちがいとかいにかげぼうし)

儚い見間違い　都会に影法師

(とおどおしいあのまちあおぎみいくとし)

遠々しいあの街　仰ぎ見　幾年