旧約汎化街

(ゆうきゅうのまちじがのらんしょう)

悠久の街 自我の濫觴

(きずはふかくふしをそえる)

創は深く節を添える

(あすのひをまつばかりに)

明日の日を待つばかりに

(もどるもどるかいらくをへてもどる)

戻る戻る 壊落を経て戻る

(こんきゅうのたみひをまたげば)

困窮の民 日を跨げば

(たねをほりかえしうおうさおう)

胤を掘り返し右往左往

(かずはやくにまんよんせん)

数は約二万四千

(いそぐいそぐあわてふためきいそぐ)

急ぐ急ぐ 慌て再迷き急ぐ

(あーとほろにがくさいなまれ)

芸術・微苦く苛まれ

(あるこんそーるにめをうつす)

或制御卓に目を移す

(あせがひたいをなでておちる)

汗が額を撫でて落ちる

(さよならばいばいまたあした)

「さよなら社燕秋鴻、また明冂

(だーとはしりだしはいまみれ)

泥路・走り出し灰塗れ

(あるあすふぁるとでめをやいた)

或瀝青路で目を焼いた

(こわれたがいろにみをおとす)

壊れた街路に身を墜す

(さよならばいばいまたあした)

「さよなら牽衣頓足、また明日」

(いまきざんだ)

ー今刻んだ

(いまひらいた)

ー今拓いた

(ふらくたるは)

ー対自核は

(くりかえした)

ー繰り返した

(じゅうゆたんくにまみれているごくさいしきのぼーるをつかむ)

重油槽に塗れている 極彩色の球体を掴む

(がんきゅうさいずをゆびさきではこぶはこぶこきゅうをとめてはこぶ)

眼球規模を指先で 搬ぶ搬ぶ 呼吸を止めて搬ぶ

(やーどほそながくあいまぬい)

作業場・細長く間縫い

(あるかいせんにぷらぐをさす)

或回線に歩絡を挿す

(のうがゆるしたとわのすきま)

脳が赦した永遠の隙間

(さよならばいばいまたあした)

「さよなら陽関三畳、また明冂

(はーどきゅうよんかくをかこい)

物質・旧四核を囲い

(あるはんきゅうへとせをむける)

或半球へと背を向ける

(じっけんしつにひびくねいろ)

実験室に響く音色

(さよならばいばいまたあした)

「さよなら愛別離苦、また明日」

(いまきざんだ)

ー今刻んだ

(いまひらいた)

ー今拓いた

(ふらくたるは)

ー対自核は

(くりかえした)

ー繰り返した

(いまきざんだ)

ー今刻んだ

(いまひらいた)

ー今拓いた

(ふらくたるは)

ー対自核は

(くりかえした)

ー繰り返した