アイスクリームコンプレックス

(しろいといきにねしずまるまちかじかむゆびをあたため)

白い吐息に寝静まる街　かじかむ指を温め

(すいぎんとうのしたをおこさないようにつまさきたててあるいた)

水銀灯の下を起こさないように　つま先立てて歩いた

(くらいよみちをみわたせるようにいちばんせのたかいきのうえで)

暗い夜道を見渡せるように　一番背の高い木の上で

(まちあわせしようよ)

待ち合わせしようよ

(ぎんせかいのほどうはかきわすれのすけっちみたい)

銀世界の歩道は　描きわすれのスケッチみたい

(ひろいあつめたさんたのわすれもの)

拾い集めたサンタの忘れ物

(いつのまにだろうふゆのにおいにめがさめる)

いつの間にだろう　冬の匂いに目が覚める

(ぬきあしはおさえられないすきっぷにかえたらめぞふぉるて)

抜き足は抑えられない　スキップに変えたらメゾフォルテ

(もうすぐきみにあえるんだ)

もうすぐ君に会えるんだ！

(こわいそらがおどけていくせかいは)

怖い空がおどけていく　世界は

(こどもがこぼしたあいすくりーむみたいに)

子どもがこぼしたアイスクリームみたいに

(くらいよるにほしちらせばあまいあまいゆめのはじまり)

暗い夜に星散らせば　甘い甘い夢のはじまり

(こいやにせもののあいらびゅーにないたびねつをさまして)

恋や偽物のアイラビューに泣いた　微熱を冷まして！

(つめたいゆめはおいしいにきまっているから)

冷たい夢はおいしいに決まっているから

(やめられないな)

止められないな

(ごくんひとつのみほしたらあいすくりーむこんぷれっくす)

ごくん　ひとつ飲み干したら　アイスクリームコンプレックス

(しあわせとふこうなんてつじつまあわせのかんけいで)

幸せと不幸なんて辻褄合わせの関係で

(あっぷるぱいにいれるしなもん)

アップルパイに入れるシナモン

(そのままじゃとてもたべられたもんじゃない)

そのままじゃとても食べられたもんじゃない

(このせかいにふようなものなんてひとつすらないんだ)

この世界に不要なものなんてひとつすらないんだ

(だってないふとふぉーくできりわけた)

だってナイフとフォークで切り分けた

(どれもにほおをおとしそうで)

どれもに頬を落としそうで

(きっとぼくらももちろんきみも)

きっとボクらも　もちろん君も

(ひつようとしてもらえるひびがどこかにあるんだ)

必要としてもらえる日々が　どこかにあるんだ

(ときがたてばきみもどうしておとなになっちゃうの)

時が経てば　君も　どうして大人になっちゃうの？

(まだまだふしぎやゆめをみたいよ)

まだまだ不思議や夢をみたいよ

(いやなことはこさじいっぱいからにはいまで)

嫌なことは小さじ１杯から２杯まで

(きょうのしちゅーにまぜこんちゃえばいい)

今日のシチューに混ぜこんちゃえばいい

(ないたらわらえるだけわらいはくちゅうぐっすりさんたまりあ)

泣いたら笑えるだけ笑い　白昼ぐっすり　サンタマリア

(そしたらまためをさましてれっつぱーてぃー)

そしたらまた目を覚まして　Let’s party!!

(ないしょばなしもこいもこのせかいも)

内緒話も　恋も　この世界も

(しょくごにでてきたしゃーべっとみたいで)

食後に出てきたシャーベットみたいで

(いちどたべたらやみつきでぼくはすこしこわくなっちゃいそうだ)

一度食べたら病みつきで　ボクは少し怖くなっちゃいそうだ

(まくらもとにあるつづきがどんなけつまつだとしたって)

枕元にある続きがどんな結末だとしたって

(つめたいゆめはおいしいにきまっているから)

冷たい夢はおいしいに決まっているから

(とめられないやもうひとくちだけ)

止められないや　もう一口だけ

(ああ)

ああ

(いっしょうつづいてよこのふこうも)

一生続いてよ　この不幸も

(きっとあしたいきるのにひつようなものなんだ)

きっと明日生きるのに必要なものなんだ

(そうだよねねえ)

そうだよね？　ねえ！

(はんどべるであいずでざーとはまだ)

ハンドベルで合図　デザートはまだ！？

(おそいなあもうくらいつくしちゃお)

遅いなあもう　喰らいつくしちゃお！

(てにつかないぼくらはみんな)

手につかない　ボクらはみんな

(あいすくりーむこんぷれっくす)

アイスクリームコンプレックス