君の名は。

(きみの、なまえは、)

君の、名前は、

(すきだ)

すきだ

(ふたりのあいだとおりすぎたかぜは　どこからさみしさをはこんできたの)

二人の間通り過ぎた風は　どこから寂しさを運んできたの

(うんめいだとかみらいとかってことばがどれだけてを)

運命だとか未来とかって言葉がどれだけ手を

(いつかいこうぜんせいめいもみとうみかいたく)

いつか行こう全生命も未到未開拓

(きみのぜんぜんぜんせからぼくはきみをさがしはじめたよ)

君の前前前世から僕は君を探し始めたよ

(おまえに、あいにきたんだ。)

お前に、会いに来たんだ。

(ずっとだれかを、さがしていた！)

ずっと誰かを、探していた！

(めがさめてもわすれないようにさ、なまえ、かいとこうぜ。)

目が覚めても忘れないようにさ、名前、書いとこうぜ。

(たきくん、たきくんがいる！)

瀧くん、瀧くんがいる！

(あのひ、ほしがふったひ、それはまるで、)

あの日、星が降った日、それはまるで、

(まるで、ゆめのけしきのように、)

まるで、夢の景色のように、

(ただひたすらに、うつくしいながめだった。)

ただひたすらに、美しい眺めだった。

(そういうきもちにとりつかれたのはたぶん、あのひから。)

そう言う気持ちに取り憑かれたのは多分、あの日から。

(たきくん、たきくん、おぼえて、ない？)

瀧くん、瀧くん、覚えて、ない？

(もうこんなまちいやや！こんなじんせいいやや！)

もうこんな街嫌や！こんな人生嫌や！

(わたし、ちょっととうきょういってくる。)

私、ちょっと東京行ってくる。

(おねえちゃん、へんやよ)

お姉ちゃん、変やよ

(これはおまえがはじめたことや！)

これはお前が始めたことや！

(こちらは、いともりまちやくばです。へんでんしょでばくはつじこがはっせいしました。)

こちらは、糸守町役場です。変電所で爆発事故が発生しました。

(おまえは、だれだ。)

お前は、誰だ。

(みつは、みつは、きみのなまえは、みつは、)

みつは、みつは、きみのなまえは、三葉、

(わたしたちは、あえばぜったい、すぐにわかる。)

私たちは、会えば絶対、すぐにわかる。

(だんしのしせん、すかーとちゅうい！じんせいのきほんでしょう！？)

男子の視線、スカート注意！人生の基本でしょう！？

(わたしはいま、こいをしている。わたしたちは、こいをしている。)

私は今、恋をしている。私たちは、恋をしている。

(これじゃあ、なまえ、わかんないよ)

これじゃあ、名前、わかんないよ

(なかいいなぁ、あんたたち。)

仲良いなぁ、あんた達。

(ぼくがあいしたのはふたばです！みやみずじんじゃじゃない！)

僕が愛したのは二葉です！宮水神社じゃない！

(それがむすび、それがじかん。)

それがムスビ、それが時間。

(このままだとこんや、みんなしぬ！)

このままだと今夜、みんな死ぬ！

(だいじなひと、わすれちゃだめなひと、わすれたくなかったひと！)

大事な人、忘れちゃダメな人、忘れたくなかった人！

(あとすこしだけでも、いっしょにいたかった。)

あと少しだけでも、一緒にいたかった。

(きみもいつか、ちゃんと、しあわせになりなさい。)

君もいつか、ちゃんと、幸せになりなさい。

(さらなるばくはつと、やまかじのきけんせいがあります。)

さらなる爆発と、山火事の危険性があります。

(めがさめると、なぜかないている。そういうことが、ときどきある。)

目が覚めると、なぜか泣いている。そう言うことが、時々ある。

(みていたはずのゆめは、いつもおもいだせない。ただ、)

見ていたはずの夢は、いつも思い出せない。ただ、

(ただ、なにかがきえてしまったというかんかくだけが、つよく、のこる。)

ただ、何かが消えてしまったと言う感覚だけが、強く、残る。