Void/DUSTCELL

(ごくさいのまんだらこころなどないわ)

極彩の曼荼羅 こころなどないわ

(けもののようにいきてきました)

獣のように生きてきました

(ふつうになんてなれはしないな)

普通になんてなれはしないな

(つみとばつのひびにないてくらして)

罪と罰の日々に啼いて 暮らして

(くうどうだくうどうだぼくは)

空洞だ 空洞だ 僕は

(にんげんのよそおいをしてるだけ)

人間の装いをしてるだけ

(よいのやみにまぎれて)

宵の闇に紛れて

(このままいつそとかして)

此の儘いつそ溶かして

(よきょうだらうじんせいなんて)

余興だらう 人生なんて

(ますいやくをうってちょうだい)

麻酔薬を打って頂戴

(うつしこいしまぼろし)

映し 恋し 幻

(うれいのべつまくなし)

憂い のべつ幕なし

(かえりたいたおやかなばしょへ)

還りたい たおやかな場所へ

(しねるゆうきもないくせに)

死ねる勇気もないくせに

(こどうはまだうずいている)

鼓動はまだ疼いている

(ただひとりだけ)

ただ一人だけ

(まもるためのつよさとにじむきぼうを)

守るための強さと滲む希望を

(あざみあめあがりいろづくはな)

あざみ雨上がり 色づく花

(ちるなこどくがむねをさすとも)

散るな 孤独が胸を刺すとも

(はきだめのようなしょうがいのすべてを)

掃き溜めのような生涯の全てを

(あなたとわらいたくて)

あなたと笑いたくて

(むなしきけいがいのやうなさいげつ)

虚しき形骸のやうな歳月

(ぬけがらによくにたがらんどうです)

抜け殻によく似た伽藍堂です

(いつたいどこがさかいめだったの)

いったい何処が境目だったの

(いちまいのがらすでへだてられて)

一枚の硝子で隔てられて

(ありのままでいたい)

有りの侭でいたい

(ひふにふれていたいよ)

皮膚に触れていたいよ

(だれよりうつくしいよこがお)

誰より美しい横顔

(なまりをかむようなかんかくだもう)

鉛を噛むような感覚だ もう

(ふおんだらうじんせいなんて)

不穏だらう 人生なんて

(かなしみでふいにまたあんぜん)

悲しみで不意にまた暗然

(つぎはぎしたってきりはりしたって)

継ぎ接ぎしたって 切り貼りしたって

(このけがれはおちはしないよ)

この穢れは落ちはしないよ

(こころあさきゆめみし)

心あさきゆめみし

(されどはるがこいしい)

されど春が恋しい

(かえりたいきみがまつばしょへ)

還りたい 君が待つ場所へ

(いきるゆうきもないくせに)

生きる勇気もないくせに

(こどうはまだつづいている)

鼓動はまだ続いている

(いつわりでもいいもういちどだけ)

偽りでもいい もう一度だけ

(すんだこえがききたい)

澄んだ声が聞きたい

(あざみあめあがりいろづくはな)

あざみ雨上がり 色づく花

(ちるなくうきょがはいみたすとも)

散るな 空虚が肺満たすとも

(ねがわくばどうかしょうがいのすべてを)

願わくばどうか 生涯の全てを

(あなたとわらいたくて)

あなたと笑いたくて

(うみべのむこうあさのけはい)

海辺の向こう朝の気配

(きえないなみがとおくひかり)

消えない波が遠く光り