拝啓生きたがりの僕へ

(はいけいいきたがりのぼくへ)

拝啓生きたがりの僕へ

(なんてことばからはじめればいいのか)

なんて言葉から始めればいいのか

(わからないがあえてあいさつはなしだ)

分からないがあえて挨拶は無しだ

(だってきみとは)

だって君とは

(もういやになるほどかおをあわせてる)

もう嫌になるほど顔を合わせてる

(ほどけないゆうしてっせん)

解けない有刺鉄線

(ささったままのふといてつぱいぷ)

刺さったままの太い鉄パイプ

(あがけばあがくほど)

足掻けば足掻くほど

(ふかく、ふかく)

深く、深く

(きやすめていどのおんがくさえ)

気休め程度の音楽さえ

(かえっていたみをますだけだ)

かえって痛みを増すだけだ

(よわいぼくがいけないのだ)

弱い僕がいけないのだ

(はいけいいきたがりのぼくへ)

拝啓生きたがりの僕へ

(どうせまたきれいごとだろ？)

どうせまた綺麗事だろ？

(どれだけおどけたって)

どれだけおどけたって

(かがみにうつるきみはわらってくれなくて)

鏡に映る君は笑ってくれなくて

(なんでなんでよ)

なんでなんでよ

(そんなかおするなよ)

そんな顔するなよ

(はいけいいきたがりのぼくへ)

拝啓生きたがりの僕へ

(「おかげさまでげんきです。)

「お陰様で元気です。

(やむいとまもないほどたぼうにあけくれて」)

病む暇も無い程多忙に明け暮れて」

(なんてじょうだんはわらえない)

なんて冗談は笑えない

(きっとつうじない)

きっと通じない

(しにたくなるほどきみにしられてる)

死にたくなる程君に知られてる

(ごまかしのきかぬだんじょう)

誤魔化しの効かぬ壇上

(なにもうたえないなにもさけべない)

何も歌えない何も叫べない

(ぼくにはなにもないほんものなど)

僕には何も無い本物など

(「しにたいなんてわらわせる」)

「死にたいなんて笑わせる」

(すべてをしるきみがつぶやいた)

全てを知る君が呟いた

(すこしもわらってないえがおで)

少しも笑ってない笑顔で

(はいけいいきたがりのぼくへ)

拝啓生きたがりの僕へ

(ぼくのほうがきれいごとだな)

僕の方が綺麗事だな

(どれだけしにたがってもろくに)

どれだけ死にたがってもろくに

(しねやしないくせにわらえないよな)

死ねやしない癖に笑えないよな

(ごめんごめんってそんなかおするなよ)

ごめんごめんってそんな顔するなよ

(ｌがといたｓのおうとうは)

Lが問いたSの応答は

(かえらないもうかえらないよ)

返らないもう帰らないよ

(いまさらうらがえしだなんてくそかるいこといえないけど)

今更裏返しだなんてクソ軽いこと言えないけど

(いまからでもおそくないなら)

今からでも遅くないなら

(そのきれいごとをきれいなしんじつにかえてみせてよ)

その綺麗事を綺麗な真実に変えてみせてよ

(はいけいいきたがりのぼくへ)

拝啓生きたがりの僕へ

(どうせまたきれいごとだろ？)

どうせまた綺麗事だろ？

(それでもしかたないからきみのそのざれごとをきいてあげるから)

それでも仕方ないから君のその戯言を聞いてあげるから

(ちょっとちょっとでいい)

ちょっとちょっとでいい

(わらってくれるかな)

笑ってくれるかな

(はいけいいきたがりのぼくへ)

拝啓生きたがりの僕へ

(「きょうもげんきはない。それにひによってはあたまがいたくなる。」)

「今日も元気はない。それに日によっては頭が痛くなる。」

(そんなゆうとうつのひびを)

そんな憂と鬱の日々を

(きっとくりかえす)

きっと繰り返す

(それでもさいごまできみとしにたい)

それでも最期まで君と死にたい