盗作
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歌詞(問題文)
(「おんがくのきっかけはなんだっけ。)
「音楽の切っ掛けは何だっけ。
(ちちのもつれこーどだったかな。)
父の持つレコードだったかな。
(おとをきくことはきもちがいい。)
音を聞くことは気持ちがいい。
(きくだけならどりょくもいらない。)
聞くだけなら努力もいらない。
(まえおきはいいからはなそう。)
前置きはいいから話そう。
(あるとき、おもいついたんだ。)
ある時、思い付いたんだ。
(このうたがぼくのものになれば、このあなはうまるだろうか。)
この歌が僕の物になれば、この穴は埋まるだろうか。
(だから、ぼくはぬすんだ」)
だから、僕は盗んだ」
(ああ、まだたりない。ぜんぶたりない。)
嗚呼、まだ足りない。全部足りない。
(なにひとつもみたされない。)
何一つも満たされない。
(このままひとりじゃあぼくはいきられない。)
このまま一人じゃあ僕は生きられない。
(もっとしりたい。あいをしりたい。)
もっと知りたい。愛を知りたい。
(このこころをみたすくらいうつくしいものをしりたい。)
この心を満たすくらい美しいものを知りたい。
(「あるときに、まちをながれるうたがぼくのきょくだってことにきがついた。)
「ある時に、街を流れる歌が僕の曲だってことに気が付いた。
(うれたなんてあたりまえさ。)
売れたなんて当たり前さ。
(めいさくをぬすんだものだからさぁ!)
名作を盗んだものだからさぁ!
(あいつもばかだ。こいつもばかだ。)
彼奴も馬鹿だ。こいつも馬鹿だ。
(ほめちぎるやつらはみんなばかだ。)
褒めちぎる奴等は皆馬鹿だ。
(むらがるうごうのしゅう、ほんとうのかちなんてわからずに。)
群がる烏合の衆、本当の価値なんてわからずに。
(まぁ、それはぼくもおなじか」)
まぁ、それは僕も同じか」
(ああ、なにかがたりない。)
嗚呼、何かが足りない。
(これだけぬすんだのにすこしもみたされない。)
これだけ盗んだのに少しも満たされない。
(うわつらのことばひとつじゃみたされない。)
上面の言葉一つじゃ満たされない。
(あいがしりたい。かねがたりない。)
愛が知りたい。金が足りない。
(このねたみをみたすくらいうつくしいものをしりたい。)
この妬みを満たすくらい美しいものを知りたい。
(「おんがくのきっかけがなんなのか、)
「音楽の切っ掛けが何なのか、
(いまじゃもうわすれちまったがよくじゃないことはおぼえてる。)
今じゃもう忘れちまったが欲じゃないことは覚えてる。
(なにかきれいなものだったな。)
何か綺麗なものだったな。
(ばけのかわなんていつかはがれる。)
化けの皮なんていつか剥がれる。
(みむきもされないよるがくる。)
見向きもされない夜が来る。
(そのときにみられるけしきがしんそこたのしみで。)
その時に見られる景色が心底楽しみで。
(そうだ。)
そうだ。
(なにひとつもなくなって、ちいもあいもぜんぶなくなって。)
何一つもなくなって、地位も愛も全部なくなって。
(なにもかもうしなったあとにみえるよるはほんとうにきれいだろうから、)
何もかも失った後に見える夜は本当に綺麗だろうから、
(ほんとうに、ほんとうにきれいだろうから、)
本当に、本当に綺麗だろうから、
(ぼくはぬすんだ」)
僕は盗んだ」
(ああ、まだたりない。もっとかきたい。)
嗚呼、まだ足りない。もっと書きたい。
(こんなうたじゃみたされない。)
こんな詩じゃ満たされない。
(きみらのばとうじゃあぼくはみたされない。)
君らの罵倒じゃあ僕は満たされない。
(まだしらないあいをかきたい。)
まだ知らない愛を書きたい。
(このこころをみたすくらいうつくしいものをしりたい。)
この心を満たすくらい美しいものを知りたい。
(まだたりない。まだたりない。)
まだ足りない。まだ足りない。
(まだたりない。まだたりない。)
まだ足りない。まだ足りない。
(まだたりない。ぼくはたりない。)
まだ足りない。僕は足りない。
(ずっとたりないものがわからない。)
ずっと足りないものがわからない。
(まだたりない。もっとしりたい。)
まだ足りない。もっと知りたい。
(このからだをとかすくらいうつくしいよるをしりたい。)
この身体を溶かすくらい美しい夜を知りたい。