悲しい話「『ごめんね…』」

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投稿者投稿者宮本 五郎 電気電機伝記伝奇電器電氣電軌いいね0お気に入り登録
プレイ回数83難易度(3.8) 60秒 長文
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 🌸春うさぎ🌸 4650 C++ 5.1 91.8% 60.0 306 27 8 2024/04/20
2 ピカピカピカピカ 2050 F+ 2.1 97.6% 60.0 126 3 4 2024/03/09

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問題文

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(さっちゃーんこっちおいで)

「さっちゃ~んこっちおいで」

(あのころはこれがくちぐせだった)

あの頃はこれが口癖だった

(わたしにはむかしさきこというむすめがいた)

私には昔咲子という娘がいた

(わたしのいちばんのたからものだった)

私の一番の宝物だった

(おっともちゃんとしていてあのころはじゅんぷうまんぱんだった)

夫もちゃんとしていてあの頃は順風満帆だった

(わたしはときどきようじがあっておっとにおまもりをさせていくことがあった)

私は時々用事があって夫にお守りをさせていくことがあった

(かえっていたときはいつもさきこはないていた)

帰っていた時はいつも咲子は泣いていた

(わたしはまあしかたないかですませていた)

私は「まあ仕方ないか」で済ませていた

(それからだいたい2ねんたってさきこは5さいになった)

それから大体2年たって咲子は5歳になった

(それからもじもかけるようになった)

それから文字も書けるようになった

(ぶんじをかけてわたしはすごいねさっちゃんといってあげた)

文字を書けて私は「すごいねさっちゃん」と言ってあげた

(さきこはなんだかうつろなかおをしていた)

咲子はなんだか虚ろな顔をしていた

(わたしはなんかあったのときいたけどさきこはくびをよこにふった)

私は「なんかあったの?」と聞いたけど咲子は首を横に振った

(わたしとおっとはほっとしていた)

私と夫はほっとしていた

(さらにときはながれさきこがしょうがくいちねんせいのとき)

さらに時は流れ咲子が小学一年生の時

(さきこはまえよりもうつろになっていた)

咲子は前よりも虚ろになっていた

(けどなんどだいじょうぶといってもくびをよこにふる)

けど何度「大丈夫?」といっても首を横に振る

(そのたびにわたしとおっとはむねをなでおろした)

そのたびに私と夫は胸をなでおろした

(けどあるひさきこはかいだんからおちていきをひきとった)

けどある日咲子は階段から落ちて息を引き取った

(あのこはかいだんからおちたらあぶないとわかっていたはずなのに)

あの子は階段から落ちたら危ないと分かっていたはずなのに

など

(しかもおっとはどこかにいってしまった)

しかも夫はどこかに行ってしまった

(わたしはなんにちもなんにちもないていた)

私は何日も何日も泣いていた

(そしてひさしぶりにそとにでるときんじょのやまもとさんがはしってきた)

そして久しぶりに外に出ると近所の山本さんが走ってきた

(やまもとさんはあなたのおっとがさきこちゃんにぼうりょくをふるったたらしいの)

山本さんは「あなたの夫が咲子ちゃんに暴力をふるったたらしいの」

(といったしんじたくなかったしんじれなかった)

といった信じたくなかった信じれなかった

(わたしはそのばでくずれおちた)

私はその場で崩れ落ちた

(くわしくきくとにわでさきこをなぐっていたらしい)

詳しく聞くと庭で咲子を殴っていたらしい

(さきこきづいてあげれなくて)

咲子…気づいてあげれなくて…

(ごめんね)

ごめんね…

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