ブリーチポエム

背景
投稿者投稿者仕事用いいね0お気に入り登録
プレイ回数365難易度(3.8) 4285打 長文 かな

関連タイピング

問題文

ふりがな非表示 ふりがな表示

(われらはすがたなきゆえにそれをおそれ)

我等は 姿無き故に それを畏れ

(ひとがきぼうをもちえるのはしがめにみえぬものであるからだ)

人が希望を持ちえるのは死が目に見えぬものであるからだ

(もしわたしがあめだったならそれがえいえんにまじわることのない)

もし わたしが雨だったならそれが永遠に交わることのない

(そらとだいちをつなぎとめるように)

空と大地を繋ぎ留めるように

(だれかのこころをつなぎとめることができただろうか)

誰かの心を繋ぎ留めることができただろうか

(ぼくたちはひかれあうすいてきのようにわくせいのように)

ぼくたちは ひかれあう水滴のように 惑星のように

(ぼくたちははんぱつしあうじしゃくのようにはだのいろのように)

ぼくたちは 反発しあう磁石のように 肌の色のように

(つるぎをにぎらなければおまえをまもれない)

剣を握らなければ おまえを守れない

(つるぎをにぎったままではおまえをだきしめられない)

剣を握ったままでは おまえを抱き締められない

(そう、われわれにうんめいなどない)

そう、我々に運命などない

(むちときょうふにのまれあしをふみはずしたものたちだけが)

無知と恐怖にのまれ足を踏み外したものたちだけが

(うんめいとよばれるだくりゅうのなかへとおちてゆくのだ)

運命と呼ばれる濁流の中へと堕ちてゆくのだ

(われわれはなみだをながすべきではない)

我々は涙を流すべきではない

(それはこころにたいするにくたいのはいぼくであり)

それは心に対する肉体の敗北であり

(われわれがこころというものをもてあますそんざいであるということの)

我々が心というものを持て余す存在であるということの

(しょうめいにほかならないからだ)

証明にほかならないから だ

(さびつけばにどとつきたてられず)

錆びつけば 二度と突き立てられず

(つかみそこなえばわがみをさくそうほこりとははににている)

掴み損なえば 我が身を裂くそう 誇りとは刃に似ている

(ああおれたちはみんなめをあけたままそらをとぶゆめをみてるんだ)

ああ おれたちは皆眼をあけたまま空を飛ぶ夢を見てるんだ

(おれたちはてをのばすくもをはらいそらをつらぬき)

俺達は 手を伸ばす雲を払い 空を貫き

など

(つきとかせいはつかめてもしんじつにはまだとどかない)

月と火星は掴めても真実には まだ届かない

(とどかぬきばにひをともすあのほしをみずにすむように)

届かぬ牙に 火を灯すあの星を見ずに済むように

(こののどをさいてしまわぬように)

この吭を裂いて しまわぬように

(われわれががんぺきのはなをうつくしくおもうのはわれわれががんぺきにあしをとめてしまうからだ)

我々が岩壁の花を美しく思うのは我々が岩壁に足を止めてしまうからだ

(おそれなきそのはなのようにそらへとふみだせずにいるからだ)

悚れ無き その花のように空へと踏み出せずにいるからだ

(ほこりをひとつすてるたびわれらはけものにいっぽちかづく)

誇りを一つ捨てるたび我等は獣に一歩近づく

(こころをひとつころすたびわれらはけものからいっぽとおのく)

心を一つ殺すたび我等は獣から一歩遠退く

(きしむきしむじょうざいのとうひかりのごとくにせかいをつらぬく)

軋む軋む 浄罪の塔光のごとくに 世界を貫く

(ゆれるゆれるせぼねのとうおちてゆくのはぼくらかそらか)

揺れる揺れる 背骨の塔堕ちてゆくのは ぼくらか 空か

(ぼくはただきみにさよならをいうれんしゅうをする)

ぼくは ただ きみにさよならを言う練習をする

(ふりしきるたいようのたてがみがはくひょうにのこるあしあとをけしてゆく)

降り頻る太陽の鬣が薄氷に残る足跡を消してゆく

(あざむかれるをおそれるなせかいはすでにあざむきのうえにある)

欺かれるを恐れるな世界は既に欺きの上にある

(ちのようにあかく)

血のように赤く

(ほねのようにしろくこどくのようにあかくちんもくのようにしろく)

骨のように白く孤独のように赤く沈黙のように白く

(けもののしんけいのようにあかくかみのしんぞうのようにしろく)

獣の神経のように赤く神の心臓のように白く

(とけだすぞうおのようにあかくいてつくしょうたんのようにしろく)

溶け出す憎悪のよう に赤くいてつく傷歎のように白く

(よるをはむかげのようにあかく)

夜を食む影のように赤く

(つきをいぬくといきのようにしろくかがやきあかくちる)

月を射抜く吐息のように白く輝き 赤く散る

(あなたのかげはひそやかに)

あなたの影は 密やかに

(いくあてのないどくばりのようにわたしのあゆみをぬいつける)

行くあての無い 毒針のように私の歩みを縫いつける

(あなたのひかりはしなやかに)

あなたの光は しなやかに

(きゅうすいとうをうつらくらいのようにわたしのいのちのみなもとをたつ)

給水塔を打つ 落雷のように私の命の源を断つ

(そう、なにものもわたしのせかいをかえられはしない)

そう、何ものも わたしの世界を 変えられはしない

(うつくしきをあいにたとふのはあいのすがたをしらぬもの)

美しきを愛に譬ふのは愛の姿を知らぬ者

(みにくきをあいにたとふのはあいをしったとおごるもの)

醜きを愛に譬ふのは愛を知ったと驕る者

(このよのすべてはあなたをおいつめるためにある)

この世のすべてはあなたを追いつめる為にある

(われらのせかいにいみなどなくそこにいきるわれらにもいみなどない)

我等の世界に意味などなくそこに生きる我等にも 意味などない

(むいみなわれらはせかいをおもう)

無意味な我等は 世界を想う

(そこにいみはないとしることにすらいみなどむいというのに)

そこに意味は無いと知ることにすら意味など無いとい うのに

(おれたちはたきのなかのさかなおれたちはかごのなかのむし)

俺たちは滝の中の魚俺たちは籠の中の虫

(おれたちははとうのざんがいどくろのしゃくじょうりょくのほんりゅうそれをのむくじら)

俺たちは波濤の残骸髑髏の錫杖力の奔流 それを呑む鯨

(おれたちはごほんかくのおうしおれたちはひをふくかいぶつなきさけぶこども)

俺たちは五本角の雄牛俺たちは火を吹く怪物泣き叫ぶ子供

(ああおれたちはげっこうにどくされている)

ああ 俺たちは月光に毒されている

(どいつもこいつも、ぶっこわれちまえ)

どいつもこいつも、ぶっ壊れちまえ

(われわれはみんないきながらにしてしんでいる)

我々は皆生きながらにして死んでいる

(しゅうえんはつねにはじまりのまえからそこにあるのだ)

終焉は常に始まりの前から そこに在るのだ

(いきることがなにかをしりつづけることならば)

生きることが何かを知り続けることならば

(われわれがさいごにしるものこそがしゅうえんであり)

我々が最後に知るものこそが終焉であり

(しゅうえんをついにみだしかんぜんにしることこそがすなわちしなのだ)

終焉をついに見出し完全に知ることこそが即ち死なのだ

(われわれはなにかをしろうとしてはならない)

我々は何かを知ろうとしてはならない

(しをちょうえつできぬしゃはなにものもしろうとしてはならないのだ)

死を超越できぬ者は何ものも知ろうとしてはならないのだ

(わたしのむねにふかくつきささるそのこえはなりやまぬかんせいににている)

私の胸に深く突き刺さるその声は鳴り止まぬ歓声に似ている

(わたしたちひとつとしてまじりあうものはない)

私達一つとして混じりあうものはない

(ふたつとしておなじかたちをしていない)

二つとして同じ貌をしていない

(みつめのひとみをもたぬばかりに)

三つ目の瞳を持たぬばかりに

(よっつめのほうがくにきぼうはない)

四つ目の方角に希望はない

(いつつめはしんぞうのばしょにある)

五つ目は心臓の場所にある

(あるじよ、われわれはくじゃくをみるようなめつきであなたをみる)

主よ、我々は孔雀を見るような目つきであなたを見る

(それはきたいと、かつごうときょうふににたそこしれぬものにふちどられているのだ)

それは期待と、渇仰と恐怖に似た底知れぬものに縁取られているのだ

(ただしつようにかざりたてるきりおとされるとしりながら)

ただ執拗に 飾り立てる切り落とされると知りながら

(ただしつようにみがきあげるきりおとされるとしりながら)

ただ執拗に 磨き上げる切り落とされると知りながら

(おそろしいのだおそろしいのだきりおとされるそのときが)

恐ろしいのだ 恐ろしいのだ切り落とされる その時が

(きりおとされたそのかみはしんだあなたににてしまう)

切り落とされた その髪は死んだあなたに 似てしまう

(かみもつめもみなたからもののようにうつくしくかざりたてるのに)

髪も爪も みな宝物のように美しく飾り立てるのに

(なぜみずからのからだからきりはなされただけで)

なぜ自らの体から切り離されただけで

(きたなくぶきみなものとなってしまうのだろう)

汚く不気味なものとなってしまうのだろう

(こたえはかんたん)

答えは 簡単

(それらはすべてみずからのししたすがたにほかならないからだ)

それらは全て自らの死した姿に ほかならないからだ

(そのきずふかし、かいえんのごとしそのつみあかし、ししていろなし)

その疵深し、海淵の如しその罪赤し、死して色無し

(せかいいちきらいだといってくれ)

世界一嫌いだと言ってくれ

(おうはかけるかげをふりきり)

王は駆ける影を振り切り

(よろいをならしぼねをけちらしけつにくをすすりきしみをあげるこころをつぶし)

鎧を鳴らし骨を蹴散らし血肉を啜り軋みを上げる心を潰し

(ひとりふみいるはるかかなたへ)

独り踏み入る遙か彼方へ

(おれたちはむしふきはつせいのあくいのしたではいまわるぜんちゅう)

俺達は虫不揮発性の悪意の下で這い回る蠕虫

(くびをもたげるつきよりたかくあわれなおまえらがみえなくなるまで)

首をもたげる月より高く憐れなお前等が見えなくなるまで

(わたしにつばさをくれるならわたしはあなたのためにとぼう)

私に翼をくれるなら 私はあなたのために飛ぼう

(たとえばこのだいちのすべてがみずにしずんでしまうとしても)

たとえば この 大地のすべてが水に沈んでしまうとしても

(わたしにつるぎをくれるならわたしはあなたのためにたちむかおう)

私に剣をくれるなら私はあなたのために立ち向かおう

(たとえばこのそらのすべてがあなたをひかりでいぬくとしても)

たとえば この 空のすべてがあなたを光で射抜くとしても

(うまれおちれば、しんだもどうぜん)

産まれ堕ちれば、死んだも同然

(しんじるのは、まだはやい)

信じるのは、まだ早い

(ひとをうつくしいとはおもわないけれどはなをうつくしいとはおもう)

人を美しいとは思わないけれど花を美しいとは思う

(ひとのすがたがはなににるのはただきりさかれてたおれるときだ)

人の姿が花に似るのはただ斬り裂かれて倒れる時だ

(おそれることはただひとつおそれをしらぬせんしとすること)

恐れることは ただ一つ恐れを知らぬ 戦士と為ること

(あやまつは、ひところすは、おに)

愆つは、人 殺すは、魔

問題文を全て表示 一部のみ表示 誤字・脱字等の報告