シュプレヒコール

(きょうもせかいのあちらこちらでじゅつごとしゅごがやりあってんだ)

今日も世界のあちらこちらで　述語と主語がやりあってんだ

(ぶんみゃくさえもとおりこしちゃえばきっとへいわのせかいせいふくさ)

文脈さえも通り越しちゃえば　きっと平和の世界征服さ

(ぼくらのあたりまえのまいにちがそれだけでつみといわれんなら)

僕らの当たり前の毎日が　それだけで罪と言われんなら

(いいよはんぱなあめとむちなんかせんねんぶんまとめてさいばんを)

いいよ半端なアメとムチなんか　１０００年分まとめて裁判を

(たまたまあいたあなにぼくたちはてんもんがくてきほうていしきで)

たまたま空いた穴に僕たちは　天文学的方程式で

(うみおとされたそれだけなんだほんとうにただそれだけなんだ)

産み堕とされたそれだけなんだ　本当に　ただそれだけなんだ

(きょうもせかいのあちらこちらでじゅもんのようにとびかってんだ)

今日も世界のあちらこちらで　呪文のように飛び交ってんだ

(うまれてきただけできせきとわかったからひとつだけいいかい)

産まれてきただけで奇跡と　分かったから一つだけ　いいかい

(ｖ．ｉ．ｐげんていしょうひんのわりにこのぎりぎりのひびはなに)

V.I.P限定商品の割に　このギリギリの日々は何？

(どうせきせきでうみおとすならちゃんとさいごまでおこしてよ)

どうせ奇跡で産み堕とすなら　ちゃんと最後まで起こしてよ

(へいわとたいくつのさなんてさおきぬけみたそらのほうがくで)

平和と退屈の差なんてさ　起き抜け見た空の方角で

(まちにまったかくだんとうがぼくらのあたまとおりこしてった)

待ちに待った核弾頭が僕らの頭通り越してった

(いよいよさんじせかいせんそうだ)

いよいよ三次世界戦争だ

(つめたいこえのがっしょうにきぼうのどをこえたかんせいに)

冷たい声の合唱に　希望の度を超えた歓声に

(もみくしゃになったままはしらせたきょうを)

もみくしゃになったまま　走らせた今日を

(みぎむけみぎのごうれいにしょうきをうしなったばんざいに)

右向け右の号令に　正気を失った万歳に

(しわくちゃになったままあすをむかえにいくよ)

しわくちゃになったまま　明日を迎えに行くよ

(なんぜんねんまえだかたしかにこのせかいではじめてうそつきと)

何千年前だか確かに　この世界ではじめて「ウソツキ」と

(いったあなたにいっておきたいんだすべてはきみがはじめたんだよと)

言ったあなたに言っておきたいんだ　すべては君が始めたんだよと

(あれからいくとしつきたったってきみのこえはいまもこだましてる)

あれから幾年月経ったって　君の声は今も木霊してる

(おもわずくちをついたよんもじがこのせかいをいまもおおっている)

思わず口をついた四文字が　この世界を今も覆っている

(このしゅんかんもとめどなくほらしろとくろとがやりあってんだ)

この瞬間も止めどなく　ほら　白と黒とがやりあってんだ

(そのひのこであがったほのおでなくなくぼくらだんをとったんだ)

その火の粉で上がった炎で　泣く泣く僕ら暖をとったんだ

(かたりつがれたものがたりはいつもおわりかたはきまっていた)

語り継がれた物語は　いつも終わり方は決まっていた

(そしてかれらはいついつまでもしあわせにくらしましたとさ)

「そして彼らはいついつまでも幸せに暮らしましたとさ」

(ちょっとまってよしりたいのはそのつづきだよまもりたいのは)

ちょっと待ってよ　知りたいのは　その続きだよ　守りたいのは

(やっとてにしたはっぴーえんでぃんぐをからさずにさかせとくかぷせるを)

やっと手にしたハッピーエンディングを　枯らさずに咲かせとくカプセルを

(だいどんでんぎゃくてんしょうりもぜんせかいてきはいらいとも)

大ドンデン逆転勝利も　全世界的ハイライトも

(だしつくしあとはでっとえんどのこのじだいにうまれたうんめいを)

出し尽くし　後はデットエンドの　この時代に産まれた運命を

(にぎょうにまとめられたすとーりーを)

二行にまとめられたストーリーを

(ふみにじられたせいかいもたやすくうらぎられたじょうねつも)

踏みにじられた正解も　容易く裏切られた情熱も

(しわくちゃになってなおこのてのなかに)

しわくちゃになってなお　この手の中に

(つみあげられたあやまちにもくしてかたられずのかいとうに)

積み上げられた過ちに　黙して語られずの回答に

(ちりぢりになってなおしがみつくけど)

散り散りになってなお　しがみつくけど

(いよいよすべてはじめましてですじぶんのうちでみんなまいごです)

いよいよすべて　はじめましてです　自分の家でみんな迷子です

(そうしあわせのかぞえかたからもういちど)

そう　幸せの数え方から　もう一度

(むじつとはりあげたこえでもじつはどっかにこころあたりも)

無実と張り上げた声でも　実はどっかに心当たりも

(さぁいざあまんじてうけましょう)

さぁ　いざ甘んじて受けましょう

(しゅぶんちょうえきぼくのしょうがいを)

『主文：懲役、僕の生涯』を

(いのちをとしいのちのけいきを)

命を賭し　命の刑期を

(つめたいこえのがっしょうにきぼうのどをこえたかんせいに)

冷たい声の合唱に　希望の度を超えた歓声に

(もみくしゃになったままはきだしたきょうを)

もみくしゃになったまま　吐き出した今日を

(とっくにかれはてたるいせんをゆらしつづけるきみのそんざいも)

とっくに枯れ果てた涙腺を　揺らし続ける君の存在も

(ごちゃまぜになったまままたたくせかい)

ごちゃ混ぜになったまま　瞬く世界