ゲンチアナ

(あたしいがいのだれかのこと)

あたし以外の誰かのこと

(あなたいがいとかんがえるのね)

あなた意外と考えるのね

(あたしいがいとよくみてるよ)

あたし意外とよく見てるよ

(あなたいがいはしりえないことも)

あなた以外は知り得ない事も

(あなたいがいとよくころぶから)

あなた意外とよく転ぶから

(あたしいないときずだらけだけど)

あたし居ないと傷だらけだけど

(あしたごろにはもうもとどおり)

あした頃にはもう元通り

(あかしのこさずしらんぷり)

証残さず知らん振り

(あたしはあなたのこころのきゅうきゅうばこ)

あたしはあなたの心の救急箱

(くるしいときはいつでもあけて)

苦しい時はいつでも開けて

(いたいのいたいのとんでいけ)

いたいのいたいのとんでいけ

(あなたにささげるおまじない)

あなたに捧げるおまじない

(こわいのつらいのとんでいけ)

こわいのつらいのとんでいけ

(やさしいことばのばんそうこう)

優しい言葉の絆創膏

(いたいのいたいのとんでいけ)

いたいのいたいのとんでいけ

(まっしろまわたでだきしめて)

真っ白真綿で抱き占めて

(くらいもやまいもとんでいけ)

cryも病もとんでいけ

(あたしがなおしてあげるから)

あたしが治してあげるから

(あたしいがいはたよらないで)

あたし以外は頼らないで

(あたしいがいとしっとぶかいよ)

あたし意外と嫉妬深いよ

(あなたいがいにきょうみはないけど)

あなた以外に興味は無いけど

(あたしいがいのいとでとじた)

あたし以外の糸で綴じた

(あなたのむねのきずはだいきらい)

あなたの胸の傷は大嫌い

(あたしはあなたのこころのほけんしつ)

あたしはあなたの心の保健室

(くるしいときはいつでもおいで)

苦しい時はいつでもおいで

(あなたのなみだでぬれるゆびはいつも)

あなたの涙で濡れる指はいつも

(あたしじゃなきゃやだよ)

あたしじゃなきゃ嫌だよ

(いたいのいたいのとんでいけ)

いたいのいたいのとんでいけ

(あなたにささげるおまじない)

あなたに捧げるおまじない

(われものはれものとんでいけ)

割れ物腫れ物とんでいけ

(こわれぬいばしょのじょうびやく)

壊れぬ居場所の常備薬

(じゃまものわるものとんでいけ)

邪魔者悪者とんでいけ

(まっしろまわたをまきつけて)

真っ白真綿を巻き付けて

(どこのだれかもしらないおとこの)

何処の誰かも知らない男の

(うでにだかれてほほえまないで)

腕に抱かれて微笑まないで！

(いたいのいたいのとんでいけ)

いたいのいたいのとんでいけ

(あなたとあたしのあいことば)

あなたとあたしの合言葉

(こわいのつらいのとんでいけ)

こわいのつらいのとんでいけ

(さかさまことばのせんばづる)

さかさま言葉の千羽鶴

(いたいのいたいのとんでいけ)

いたいのいたいのとんでいけ

(まっしろまわたできずつけて)

真っ白真綿で傷つけて

(りんりもせいぎもとんでいけ)

倫理も正義もとんでいけ

(いずれはなおしてあげるから)

いずれは直してあげるから

(あたしいがいにすがらないで)

あたし以外に縋らないで

(あたしいがいをうらまないでね)

あたし以外を恨まないでね