夏目漱石「こころ」2-11

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投稿者投稿者たけしいいね1お気に入り登録
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夏目漱石「こころ」2-11
(中)両親と私
こっちゃん様が(上)の方を上げて下さっていたものの続きでございます。
タイピングを投稿するのは初めてですので、誤字脱字等ありましたらご連絡何卒宜しくお願い致します。

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こっちゃん様による(上)
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 おおくまねこ 7107 7.2 98.5% 314.3 2267 33 42 2026/01/20
2 pechi 6075 A++ 6.7 90.7% 350.1 2369 242 42 2026/01/26
3 sada 2990 E+ 3.1 94.2% 717.2 2285 140 42 2025/12/14

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問題文

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(わたくしはときどきちちのびょうきをわすれた。いっそはやくとうきょうへでてしまおうかとおもったりした。) 私は時々父の病気を忘れた。いっそ早く東京へ出てしまおうかと思ったりした。 (そのちちじしんもおのれのびょうきをわすれることがあった。) その父自身もおのれの病気を忘れる事があった。 (みらいをしんぱいしながら、みらいにたいするしょちはいっこうとらなかった。) 未来を心配しながら、未来に対する所置は一向取らなかった。 (わたくしはついにせんせいのちゅうこくどおりざいさんぶんぱいのことをちちにいいだすきかいをえずにすぎた。) 私はついに先生の忠告通り財産分配の事を父に云い出す機会を得ずに過ぎた。 (はち) (くがつはじめになって、わたくしはいよいよとうきょうへでようとした。) 九月始めになって、私は愈々東京へ出ようとした。 (わたくしはちちにむかってとうぶんいままでどおりがくしをおくってくれるようにとたのんだ。) 私は父に向って当分今まで通り学資を送ってくれるようにと頼んだ。 (「ここにこうしていたって、) 「此所にこうしていたって、 (あなたのおっしゃるとおりのちいがえられるものじゃないですから」) あなたの仰しゃる通りの地位が得られるものじゃないですから」 (わたくしはちちのきぼうするちいをえるためにとうきょうへいくようなことをいった。) 私は父の希望する地位を得るために東京へ行くような事を云った。
(「むろんくちのみつかるまででいいですから」ともいった。) 「無論口の見付かるまでで好いですから」とも云った。 (わたくしはこころのうちで、そのくちはとうていわたくしのあたまのうえにおちてこないとおもっていた。) 私は心のうちで、その口は到底私の頭の上に落ちて来ないと思っていた。 (けれどもじじょうにうといちちはまたあくまでもそのはんたいをしんじていた。) けれども事情にうとい父はまた飽くまでもその反対を信じていた。 (「そりゃわずかのあいだのことだろうから、どうにかつごうしてやろう。) 「そりゃ僅の間の事だろうから、どうにか都合してやろう。 (そのかわりながくはいけないよ。そうとうのちいをえしだいどくりつしなくっちゃ。) その代り永くは不可いよ。相当の地位を得次第独立しなくっちゃ。 (がんらいがっこうをでたいじょう、) 元来学校を出た以上、 (でたあくるひからひとのせわになんぞなるものじゃないんだから。) 出たあくる日から他の世話になんぞなるものじゃないんだから。 (いまのわかいものは、かねをつかうみちだけこころえていて、) 今の若いものは、金を使う道だけ心得ていて、 (かねをとるほうはまったくかんがえていないようだね」) 金を取る方は全く考えていないようだね」 (ちちはこのほかにもいろいろのこごとをいった。そのなかには、) 父はこの外にも色々の小言を云った。その中には、
など
(「むかしのおやはこにくわせてもらったのに、いまのおやはこにくわれるだけだ」) 「昔の親は子に食わせて貰ったのに、今の親は子に食われるだけだ」 (などということばがあった。それらをわたくしはただだまってきいていた。) などという言葉があった。それ等を私はただ黙って聞いていた。 (こごとがひととおりすんだとおもったとき、わたくしはしずかにせきをたとうとした。) 小言が一通り済んだと思った時、私は静かに席を立とうとした。 (ちちはいついくかとわたくしにたずねた。わたくしにははやいだけがよかった。) 父は何時行くかと私に尋ねた。私には早いだけが好かった。 (「おかあさんにひをみてもらいなさい」) 「御母さんに日を見て貰いなさい」 (「そうしましょう」) 「そう為ましょう」 (そのときのわたくしはちちのまえにぞんがいおとなしかった。) その時の私は父の前に存外大人しかった。 (わたくしはなるべくちちのきげんにさからわずに、いなかをでようとした。) 私はなるべく父の機嫌に逆わずに、田舎を出ようとした。 (ちちはまたわたくしをひきとめた。) 父は又私を引き留めた。 (「おまえがとうきょうへいくとうちはまたさみしくなる。) 「御前が東京へ行くと宅は又淋しくなる。 (なにしろおれとおかあさんだけなんだからね。そのおれもからださえたっしゃならいいが、) 何しろ己と御母さんだけなんだからね。そのおれも身体さえ達者なら好いが、 (このようすじゃいつきゅうにどんなことがないともいえないよ」) この様子じゃ何時急にどんな事がないとも云えないよ」 (わたくしはできるだけちちをなぐさめて、じぶんのつくえをおいてあるところへかえった。) 私は出来るだけ父を慰めて、自分の机を置いてある所へ帰った。 (わたくしはとりちらしたしょもつのあいだにすわって、) 私は取り散らした書物の間に坐って、 (こころぼそそうなちちのたいどとことばとを、いくどかくりかえしながめた。) 心細そうな父の態度と言葉とを、幾度か繰り返し眺めた。 (わたくしはそのときまたせみのこえをきいた。) 私はその時又蝉の声を聞いた。 (そのこえはこのあいだじゅうきいたのとちがって、つくつくぼうしのこえであった。) その声はこの間中聞いたのと違って、つくつく法師の声であった。 (わたくしはなつきょうりにかえって、にえつくようなせみのこえのなかにじっとすわっていると、) 私は夏郷里に帰って、煮え付くような蝉の声の中に凝と坐っていると、 (へんにかなしいこころもちになることがしばしばあった。) 変に悲しい心持になる事がしばしばあった。 (わたくしのあいしゅうはいつもこのむしのはげしいねとともに、) 私の哀愁はいつもこの虫の烈しい音と共に、 (こころのそこにしみこむようにかんぜられた。) 心の底に沁み込むように感ぜられた。 (わたくしはそんなときにはいつもうごかずに、ひとりでひとりをみつめていた。) 私はそんな時にはいつも動かずに、一人で一人を見詰めていた。
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