メアの教育

(ねぇこんなものどうするの？)

「ねぇ、こんな物どうするの？」

(これはねみらいをつくるためのどうぐだ)

「これはね、未来を創るための道具だ。」

(ひとはおもいでのなかではしなないんだよめあ)

「人は思い出の中では、死なないんだよ、メア。」

(さしたかんけいをそこしれたりそうとうらがえして)

刺した関係を底知れた理想と裏返して

(かんびなかじつとしゅうたいをのみほした)

甘美な果実と醜態を飲み干した

(だりーなりーなだりーなきいて)

ダリーナリーナ　ダリーナ聞いて

(すっからかんのまっくらごみおきばで)

すっからかんの真っ暗ゴミ置き場で

(したいいきのすぽっとにこまった)

死体遺棄のスポットに困った

(これでなんてんか)

これで"何点"か

(こえないきみにといたあいのきろくを)

声無い君に問いた愛の記録を

(きみにおしえるべきことはすべておしえた)

「君に教えるべきことは全て教えた。」

(あとはじっこうするだけだ)

「後は実行するだけだ。」

(もういちどおかあさんにあいたいかい)

「もう一度お母さんに会いたいかい。」

(まだてんすうがたりないんだ)

「まだ点数が足りないんだ。」

(どうせひつようがなくなるわそんざいのじぐそー)

どうせ必要が無くなるわ　存在のジグソー

(ひえたまちのちゅうしんでまたこうか)

冷えた街の中心でまた乞うか

(だりーなりーなだりーなきいて)

ダリーナリーナ　ダリーナ聴いて

(あっちもこっちもどっちがどちらさまで)

あっちもこっちもどっちがどちら様で

(くさったごしっぷしゃれこんで)

腐ったゴシップしゃれ込んで

(どうしてせんせいはじょうずなかくれかたはおしえないの)

疑問一、どうして先生は上手な隠れ方は教育しないの

(やだやだわたしはむくちなぴえろだ)

嫌だ嫌だ私は無口な道化師だ

(はいたいのぱれーどせいかいはこうですか)

廃頽のパレード　正解はこうですか

(ねぇこのこえいつかきえるかな)

ねぇこの声いつか消えるかな

(まわりまわるせかいでもういちどだけ)

回り回る世界でもう一度だけ

(さしだされたあいにふれたいの)

差し出された愛に触れたいの

(こわしたおもちゃほんしんじゃない)

壊したおもちゃ本心じゃない

(ゆめのなかでさいたおりのなか)

夢の央で咲いた檻の中

(ゆびさしてわらうんだろんりーろんりー)

指差して嗤うんだロンリーロンリー

(きみのいないせかいはいきやすい)

君の"存在しない"世界は生き易い

(ばかなかんちがいでしょめあ)

馬鹿な勘違いでしょ　メア

(ぼくはきみをきずつけるすべてをゆるさない)

「僕は君を傷つける全てを許さない。」

(しかたのないことなんだ)

「仕方の無いことなんだ。」

(せかいがわるいんだよ)

「世界が悪いんだよ。」

(めあどうしたのそのきず)

「メア、どうしたのその傷。」

(なんでもない)

「なんでもない。」

(きょうはたくさんてんすうがとれたみたいだね)

「今日はたくさん点数が取れたみたいだね。」

(またさんにんでほしをみにいこうね)

「また三人で星を見に行こうね。」

(ちゃっかりうばったどらっぐでじいこういを)

ちゃっかり奪ったドラッグでじい行為を

(しゃれたはいきょでみせあった)

洒落た廃墟で魅せ合った

(これでまんぞくか)

これで"満足"か

(あいないわたしたちのあいじょうでしょうか)

愛無い私たちの愛情でしょうか

(ねぇこのみをすべてきりさいて)

ねぇこの身を全て切り裂いて

(まわりまわるせかいでもうにどとは)

回り回る世界でもう二度とは

(さわれないくびすじにてをあててささやいたんだ)

触れない首筋に手を当てて囁いたんだ

(だいすきよ)

「大好きよ」

(しらむそらのかべがくずれてく)

白む空の壁が崩れてく

(わたしをとじこめたきたないせかい)

私を閉じ込めた汚い世界

(だれかがうしろからはしってくる)

誰かが後ろから走って来る

(おとがしたんだこえがしたんだ)

音がしたんだ声がしたんだ

(ぼくがさいごだきみにおしえよう)

「僕が最後だ。君に教えよう。」

(そろそろじかんぎれなんだよ)

「そろそろ時間切れなんだよ。」

(こわいゆめだっただきしめてわたしのないと)

怖い夢だった　抱きしめて、私のナイト

(あらこんなじかんおかあさんねすぎちゃったかしら)

「あらこんな時間。お母さん寝すぎちゃったかしら。」

(めあおにいちゃんをよんできてくれる？)

「メア、お兄ちゃんを呼んで来てくれる？」

(おにいちゃんはとおいところへでかけたよ)

「お兄ちゃんは、遠い所へ出かけたよ。」

(ふれたははのてはすこしだけあにのおんどがした)

触れた母の手は、少しだけ、兄の温度がした。

(じゃあおにいちゃんがかえってくるまでおひるのしたくてつだってくれる？)

「じゃあ、お兄ちゃんが帰ってくるまでお昼の支度手伝ってくれる？」

(うんわかった)

「うん、わかった。」

(なんてね)

なんてね