4月44日
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歌詞(問題文)
(またいびきかいてる・・・)
「またいびきかいてる…」
(としょしつのはしのとくとうせきがはるになってへんなやつにとられた)
図書室の端の特等席が、春になって変なやつに取られた。
(わたしがとなりにすわるとすぐさまおきる)
私が隣に座るとすぐさま起きる。
(きょうもおれのほうがさきだななつき)
「今日も俺のほうが先だな、ナツキ。」
(このみちなんかいいだろ?)
「この道、なんかいいだろ?」
(このみちがいっぽんみちでどこまでもつづけばいいとおもった)
この道が一本道で、どこまでも続けばいいと思った。
(それだけでよかったんだ)
それだけで良かったんだ。
(それだけで)
それだけで。
(これはとうさんの20ねんもまえのゆめのはなしだ)
「これは父さんの20年も前の夢の話だ。」
(もしこれをみてもかきこんではいけない)
もしこれを見ても、書き込んではいけない。
(もやしてもやぶりすててもてにしたもののもとにかえる)
燃やしても破り捨てても、手にした物の元に還る。
(このにっきはほんものだ)
この日記は本物だ。
(ちいさなしろいたいおんおおきなくろいたいようかたむけてくとけあった)
小さな白い体温 大きな黒い太陽 傾けてく溶け合った
(きづかないふりすきじゃないふりかくしたかおがまひした)
気付かないふり 好きじゃないふり 隠した顔が麻痺した
(そらはいつまでもどこまでもほんをよんでるなつきがふしぎだった)
ソラはいつまでもどこまでも本を読んでるナツキが不思議だった。
(こんどはあのじんじゃにいこうねがいふだってしってるか?)
「今度はあの神社に行こう。願い札って知ってるか?」
(わたしはそんなおまじないよりすごいものもってるもん)
私はそんなおまじないよりすごいもの持ってるもん。
(このまちにいこうこのやまにいこうきりだすとおこられた)
この街に行こう この山に行こう 切り出すと怒られた
(しずかになればてをひくきみがどうしようもなくいとしくて)
静かになれば手を引く君が どうしようもなく愛しくて
(しょうじょはふるいほんをよんだちいさなねがいかなえましょう)
少女は古い本を読んだ 小さな願い叶えましょう
(かんびなかじつとじこめられた8がつに)
甘美な果実閉じ込められた 8月に
(もとめすぎたのはつみですかさがしてもきみがいない)
求め過ぎたのは罪ですか 探しても君が”存在し”ない
(とけかけたあいのいとをたつ)
解けかけた愛の糸を断つ
(もしもぼくがかわりになるならばいまぼくよきえて)
もしも僕が代わりに為るならば 今僕よ消えて
(こたえてよこたえてよかなしいこえはなんどもきをかすめた)
答えてよ 答えてよ 悲しい声は何度も木を掠めた
(はちがつぼくはなにかをわすれた)
八月、僕は何かを忘れた。
(めをあけてみたきみのいないへやゆめのなかのことばが)
目を開けてみた君のいない部屋 夢の中の言葉が
(ぬるいみみにやいばをあてて)
温い耳に刃を当てて
(かけかけかけかけかけ)
書け 書け 書け 書け 書け
(あわれなぼくをおどした)
憐れな僕を脅した
(かけかけかけかけかけかけ)
書け 書け 書け 書け 書け 書け
(かあさんがふるいほんをみせた)
母さんが古い本を見せた
(あなたがじこにあったときにもってたの)
「あなたが事故に遭った時に持ってたの。」
(みおぼえのないきたないほん)
見覚えの無い汚い本
(そこにかいたもじのかたちがすきだった)
そこに書いた文字の形が 好きだった
(ときをこえてしょうねんはあいをしるしあわせをみたしてく)
時をこえて少年は愛を知る 幸せを満たしてく
(やさしいひとはだれかににてたんだおなかのなかにふれた)
優しい人は誰かに似てたんだ お腹の中に触れた
(もろくてよわいそのきおくはきえてきえてくりかえす)
脆くて弱いその記憶は 消えて消えて繰り返す
(ぼくがおわるそれですむなら)
僕が終わるそれで済むなら
(いまのつまももちろんあいしてる)
今の妻ももちろん愛してる。
(けどなにかわすれてるきがするんだ)
けど何か忘れてる気がするんだ。
(ぼくとかのじょにやどるいのちながれてくながれてく)
僕と彼女に宿る命 流れてく 流れてく
(4がつにはまたこえがきえて)
4月にはまた声が消えて
(あなたいつもちがうだれかをみてるみたい)
「あなた、いつも違う誰かを見てるみたい。」
(そらはないてばかなふでをあてた)
空は哭いて 馬鹿な筆を当てた
(ききたいしらないこえを)
聞きたい 知らない声を
(けどこのかきぬしにまたあえるきがする)
けどこの書き主にまた逢える気がする。
(いきたいあいたい)
生きたい 会いたい
(あのはるのわらうかおがみたくてただ)
あの春の笑う顔が見たくて、ただ。
(4がつ4かうまれてくるはずのいのちをとりもどす)
「4月4日、生まれてくるはずの命を取り戻す。」
(めあなにみてるんだい?)
「メア、何見てるんだい?」
(このおもいでがびっしりかきこまれたぺーじわたしのたんじょうびとおなじなの)
「この思い出がびっしり書き込まれたページ、私の誕生日と同じなの。」
(こどものかおがみたい)
子どもの顔が見たい
(そらしがつよっか)
ソラ 四月四日
(ぼくらにはとうさんなんていないじゃないかぐうぜんだよ)
「僕等には父さんなんていないじゃないか、偶然だよ。」
(さぁきょうもてんすうかせぎにいくよ)
「さぁ、今日も点数稼ぎに行くよ。」
(きょうははやいじゃんなつき)
「今日は早いじゃん、ナツキ。」