忘却日記
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歌詞(問題文)
(かあさんがいきかえるないと)
"母さんが生き返る。ナイト"
(じつげんしたいことをかいたぺーじにそのだいしょうがうかびあがるんだ)
「実現したいことを書いたページにその代償が浮かび上がるんだ。」
(このひづけまでにかならずたっせいするんだいいかいめあ)
「この日付までに必ず達成するんだ、いいかいメア。」
(ゆめにでてきたひゃくにんを・・・こんなものほんとうにしんじるの?)
「夢に出てきた百人を…こんなもの本当に信じるの?」
(このにっきはほんものだがっこうのじょしせいとにかきこませた)
「この日記は本物だ。学校の女子生徒に書き込ませた。」
(じゃあおにいちゃんのそのめも・・・)
「じゃあお兄ちゃんのその目も…」
(あのおんなはてっきりしりょくをうしなったことがだいしょうとなったとおもっていたがちがった)
あの女はてっきり視力を失ったことが代償となったと思っていたが違った。
(そうあの・・・)
「そう、あの…」
(なぜだ?なまえがおもいだせない)
何故だ?名前が思い出せない。
(じょしせいと?そもそもおんなだったか・・・)
女子生徒?そもそも女だったか…
(だいじょうぶ?おにいちゃん・・・)
「大丈夫?お兄ちゃん…」
(そのとききょうだいはまだ)
その時、兄妹はまだ、
(にっきのほんとうのちからをしらなかった)
日記の本当の力を知らなかった。
(いないいないわたしがいない)
いないいない私がいない
(なつとじこめられたせいざつおん)
夏、閉じ込められた静雑音
(いたいきこえやしない)
痛い、聞こえやしない
(わすれたせいのかいろきって)
忘れた生の回路切って
(おちたぎあいのけいしょうかすんだしょうけいを)
堕ちた偽愛の継承 霞んだ憧憬を
(さいごになまえをよびたいなぺーじはやぶかれた)
最期に名前を呼びたいな ページは破かれた
(そうゆるされないことだってあなたがせいといったんだ)
そう、許されないことだって あなたが"正"と言ったんだ
(ひかりのないせかいをぼくらはいく)
光の無い世界を僕らは征く
(きれいなてにやどるよごれすぎたきょういくを)
綺麗な手に宿る 汚れすぎた教育を
(みたされたそのひにくろくにごるそらはしんだ)
満たされたその日に 黒く濁る空は死んだ
(なにこのしゃしん・・・)
「何この写真…」
(どうしたの?おかあさん)
「どうしたの?お母さん。」
(しらないこがわたしたちとうつってるの)
「知らない子が私たちと映ってるの。」
(なにいってるのおにいちゃんじゃない)
「何言ってるのお兄ちゃんじゃない。」
(めあこそなにをいってるの?)
「メアこそ何を言ってるの?」
(おかあさんのこせきをかくにんしたとき)
お母さんの戸籍を確認した時、
(やくしょのひとはひどくこんらんしたけどおにいちゃんはちがった)
役所の人はひどく混乱したけど、お兄ちゃんは違った。
(さいしょからあになどいなかった)
"最初から兄などいなかった"
(せかいがくるっているのかわたしがくるっているのかわからなかった)
世界が狂っているのか、私が狂っているのか、わからなかった。
(きらいきらいあなたがきらい)
嫌い嫌いあなたが嫌い
(ふゆとじこめられたふうけいがだっていまはきおくのおんど)
冬、閉じ込められた風景画だって 今は記憶の温度
(ねぇこわれやすいものだってあなたがしんといったんだ)
ねぇ、壊れやすいものだって あなたが"真"と言ったんだ
(しばられたせかいをぼくらはとく)
縛られた世界を僕らは解く
(きれいなめにやどるおそれすぎたしつめいを)
綺麗な瞳に宿る 怖れすぎた失明を
(うけいれたそのひにしょうじょはあやまちにきづく)
受け入れたその日に 少女は過ちに気付く
(1988ねん8がつ31にち)
1988年8月31日、
(やまおくのしゃどうでせいねんがじょうようしゃにはねられたがいちめいをとりとめる)
山奥の車道で青年が乗用車にはねられたが、一命を取り留める。
(どらいばーはじことうしょ2りはねたときょうじゅつしていたがみつかっていない)
ドライバーは事故当初"2人はねた"と供述していたが見つかっていない。
(2000ねん4がつ4か)
2000年4月4日、
(しかしこのだんせいがつまのしゅっさんちょくぜんにげんいんふめいののうしゅっけつをきたししぼう)
しかしこの男性が妻の出産直前に原因不明の脳出血を来し死亡。
(2014ねん1がつ24か)
2014年1月24日、
(じょしこうせいがこうないでくびをしめられしぼう。)
女子高生が校内で首を締められ死亡。
(しかしとうこうのせいとではなくみもとがわかっていない)
しかし当校の生徒ではなく身元がわかっていない。
(2014ねん4がつ18にち)
2014年4月18日、
(みもとふめいのせいねんがこうがいのはいきょでみずからのくびをきりしぼう)
身元不明の青年が郊外の廃墟で自らの首を切り死亡。
(とくめいのつうほうによりはっけんされる)
匿名の通報により発見される。
(しんだあとみんなわすれられるんだ)
死んだ後みんな忘れられるんだ。
(このにっきにかきこんだにんげんみんな)
この日記に書き込んだ人間、みんな。
(おにいちゃんはあのこをころしたあと)
お兄ちゃんはあの子を○したあと、
(じつげんしたかったことをかくにんしてにっきをとりかえすつもりだったんだろう)
実現したかったことを確認して日記を取り返すつもりだったんだろう。
(けれどころされることじたいがかのじょののぞみだった)
けれど"○されること自体"が彼女の望みだった。
(こうりょくいがいのちからでうわがきがかのうならあのにっきはかんぺきじゃない)
効力以外の力で上書きが可能なら、あの日記は完璧じゃない。
(わたしはぜったい)
私は絶対、
(ぜったいにおにいちゃんをわすれたくはない)
絶対にお兄ちゃんを忘れたくはない。
(そのさいしゅうれっしゃがきりだしたまだだいたいせいぞんうれいても)
その最終列車が切り出した まだ代替生存憂いても
(かなしいほどせかいはふりむかないただそれだけのこと)
悲しいほど世界は振り向かない 唯それだけのこと
(さいかいのないくらいのうないこわれかけたにっきつづっても)
再会の無い暗い脳内 壊れかけた日記綴っても
(かなしいほどせかいはゆるさないただそれだけなんだ)
悲しいほど世界は許さない 唯それだけなんだ
(あいをちょうだいかわってくすがたも)
愛を頂戴 変わってく姿も
(ないてちょうだいきおくのなかには)
泣いて頂戴 記憶の中には
(こうかいさえもさいてきえて)
後悔さえも咲いて消えて
(たしかにおかあさんにはあえた)
確かにお母さんには会えた。
(すこしいたいたいをわたしとうけとって)
少し痛い体を私と受け取って
(けどこれはわたしのほんとうのしあわせじゃない)
けどこれは私の本当の幸せじゃない。
(すべてをおわらせるためもういちどかぞくにあうためめあはさいごのふでをとった)
全てを終わらせるため、もう一度家族に会うため、メアは、最期の筆を取った。
(10ねんまえにもどるめあ)
「10年前に戻る。メア」
(そうゆるされないうそだって)
そう、許されない嘘だって
(めのまえにすこしわかいおかあさんがいた)
目の前に少し若いお母さんがいた。
(わたしがけしてあげたいの)
私が消してあげたいの
(おかあさんこれにねがいごとをかいてほしいのなまえもね)
「お母さん、これに願い事を書いて欲しいの。名前もね。」
(あいされたじかんの)
愛された時間の
(あらとてもふるいほんねいいわよ)
「あらとても古い本ね、いいわよ。」
(ぼうきゃくだけは)
忘却だけは
(それをみためあのりょうめからあめがふった)
それを見たメアの両眼から、雨が降った。
(めあとないとがいつまでもなかよしでありますようにだりーな)
「メアとナイトがいつまでも仲良しでありますように。ダリーナ」
(かたちのないものだって)
形の無いものだって
(これでおにいちゃんはわたしのこともおかあさんのこともわすれるだろう)
これでお兄ちゃんは私のことも、お母さんのことも忘れるだろう。
(かちもみらいもなくたって)
価値も未来も無くたって
(けどそれでもいい)
けど、それでもいい。
(きえてしまうことなんてないもの)
消えてしまうことなんて無いもの。
(ばかなあにをあいしたこと)
馬鹿な兄を愛したこと。
(だりーなりーなだりーなきいて)
ダリーナリーナ ダリーナ聞いて
(だりーなりーなだりーなきいて)
ダリーナリーナ ダリーナ聞いて
(だりーなりーなだりーなきいて)
ダリーナリーナ ダリーナ聞いて
(だりーなりーなだりーなきいてよ)
ダリーナリーナ ダリーナ聞いてよ
(10ねんごははをわすれたないとはにっきにかきこむことはなかった)
10年後、母を忘れたナイトは日記に書き込むことはなかった。
(10ねんまえにもどるだいしょうとして10ねんごにきえるはずだっためあのそんざいは)
10年前に戻る代償として、10年後に消えるはずだったメアの存在は、
(だりーなのふでによってうわがきされた)
ダリーナの筆によって上書きされた。
(ひとはだれしもしんだらきっといつかわすれられる)
人は誰しも、死んだらきっといつか忘れられる。
(けどわすれられるより)
けど忘れられるより、
(いまここにあるきもちがきえてしまうほうがかなしいでしょ?)
今ここにある気持ちが消えてしまう方が悲しいでしょ?
(だいきらいなおにいちゃん)
大嫌いなお兄ちゃん。
(なんてね)
「なんてね」
(だいすきなおにいちゃん)
「大好きなお兄ちゃん。」