夏目漱石「こころ」2-17
夏目漱石「こころ」2-17
(中)両親と私
こっちゃん様が(上)の方を上げて下さっていたものの続きでございます。
タイピングを投稿するのは初めてですので、誤字脱字等ありましたらご連絡何卒宜しくお願い致します。
次:https://typing.twi1.me/game/365955
こっちゃん様による(上)
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ちょい続きからです。
今回は短めです。
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問題文
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(ひつうなかぜがいなかのすみまでふいてきて、)
悲痛な風が田舎の隅まで吹いて来て、
(ねむたそうなきやくさをふるわせているさなかに、)
眠たそうな樹や草を震わせている最中に、
(とつぜんわたくしはいっつうのでんぽうをせんせいからうけとった。)
突然私は一通の電報を先生から受取った。
(ようふくをきたひとをみるといぬがほえるようなところでは、)
洋服を着た人を見ると犬が吠えるような所では、
(いっつうのでんぽうすらだいじけんであった。)
一通の電報すら大事件であった。
(それをうけとったははは、はたしておどろいたようなようすをして、)
それを受取った母は、果して驚ろいたような様子をして、
(わざわざわたくしをひとのいないところへよびだした。)
わざわざ私を人のいない所へ呼び出した。
(「なんだい」といって、わたくしのふうをひらくのをそばにたってまっていた。)
「何だい」と云って、私の封を開くのを傍に立って待っていた。
(でんぽうにはちょっとあいたいがこられるかといういみがかんたんにかいてあった。)
電報には一寸会いたいが来られるかという意味が簡単に書いてあった。
(わたくしはくびをかたむけた。)
私は首を傾けた。
(「きっとおたのもうしておいたくちのことだよ」とははがすいだんしてくれた。)
「きっと御頼もうして置いた口の事だよ」と母が推断してくれた。
(わたくしもあるいはそうかもしれないとおもった。)
私も或はそうかも知れないと思った。
(しかしそれにしてはすこしへんだともかんがえた。)
然しそれにしては少し変だとも考えた。
(とにかくあにやいもうとのおっとまでよびよせたわたくしが、ちちのびょうきをうちやって、)
とにかく兄や妹の夫まで呼び寄せた私が、父の病気を打遣って、
(とうきょうへいくわけにはいかなかった。)
東京へ行く訳には行かなかった。
(わたくしはははとそうだんして、いかれないというへんでんをうつことにした。)
私は母と相談して、行かれないという返電を打つ事にした。
(できるだけかんりゃくなことばでちちのびょうきのきとくにおちいりつつあるむねもつけくわえたが、)
出来るだけ簡略な言葉で父の病気の危篤に陥りつつある旨も付け加えたが、
(それでもきがすまなかったから、いさいてがみとして、)
それでも気が済まなかったから、委細手紙として、
(こまかいじじょうをそのひのうちにしたためてゆうびんでだした。)
細かい事情をその日のうちに認ためて郵便で出した。
(たのんだいちのこととばかりしんじきったははは、)
頼んだ位地の事とばかり信じ切った母は、
など
(「ほんとうにまのわるいときはしかたのないものだね」といってざんねんそうなかおをした。)
「本当に間の悪い時は仕方のないものだね」と云って残念そうな顔をした。