夏目漱石「こころ」3-21

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投稿者投稿者たけしいいね0お気に入り登録
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夏目漱石「こころ」3-21
下)先生と遺書
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。

オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
3:初(はじめ)
19:凋れる(しおれる)
19:活け更えられる(いけかえられる)
20:筋違(すじかい)
29:活方(いけかた)
30:花瓶(かへい)
37:傾むけました(かたむけました)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
少し長めです。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 8336 8.4 98.4% 227.3 1925 30 37 2024/06/01
2 HAKU 8100 8.4 96.1% 230.1 1941 77 37 2024/06/03
3 subaru 8053 8.4 95.6% 229.1 1934 89 37 2024/06/04
4 □「いいね」する 7728 8.0 96.0% 242.1 1951 80 37 2024/05/30
5 subaru 7668 7.9 96.0% 241.9 1934 79 37 2024/05/31

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問題文

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(こんなはなしをすると、)

こんな話をすると、

(しぜんそのうらにわかいおんなのかげがあなたのあたまをかすめてとおるでしょう。)

自然その裏に若い女の影があなたの頭を掠めて通るでしょう。

(うつったわたくしにも、うつらないはじめからそういうこうきしんがすでにうごいていたのです。)

移った私にも、移らない初からそういう好奇心がすでに動いていたのです。

(こうしたじゃきがよびてきにわたくしのしぜんをそこなったためか、)

こうした邪気が予備的に私の自然を損なったためか、

(またはわたくしがまだひとなれなかったためか、)

又は私がまだ人慣れなかったためか、

(わたくしははじめてそこのおじょうさんにあったとき、へどもどしたあいさつをしました。)

私は始めて其所の御嬢さんに会った時、へどもどした挨拶をしました。

(そのかわりおじょうさんのほうでもあかいかおをしました。)

その代り御嬢さんの方でも赤い顔をしました。

(わたくしはそれまでびぼうじんのふうさいやたいどからおして、)

私はそれまで未亡人の風采や態度から推して、

(このおじょうさんのすべてをそうぞうしていたのです。)

この御嬢さんの凡てを想像していたのです。

(しかしそのそうぞうはおじょうさんにとってあまりゆうりなものではありませんでした。)

然しその想像は御嬢さんに取ってあまり有利なものではありませんでした。

(ぐんじんのさいくんだからああなのだろう、)

軍人の妻君だからああなのだろう、

(そのさいくんのむすめだからこうだろうといったじゅんじょで、)

その妻君の娘だからこうだろうと云った順序で、

(わたくしのすいそくはだんだんのびていきました。)

私の推測は段々延びて行きました。

(ところがそのすいそくが、おじょうさんのかおをみたしゅんかんに、ことごとくうちけされました。)

ところがその推測が、御嬢さんの顔を見た瞬間に、悉く打ち消されました。

(そうしてわたくしのあたまのなかへいままでそうぞうもおよばなかったいせいのにおいが)

そうして私の頭の中へ今まで想像も及ばなかった異性の匂が

(あたらしくはいってきました。)

新らしく入って来ました。

(わたくしはそれからとこのしょうめんにいけてあるはながいやでなくなりました。)

私はそれから床の正面に活けてある花が厭でなくなりました。

(おなじとこにたてかけてあることもじゃまにならなくなりました。)

同じ床に立て懸けてある琴も邪魔にならなくなりました。

(そのはなはまたきそくただしくしおれるころになるといけかえられるのです。)

その花は又規則正しく凋れる頃になると活け更えられるのです。

(こともたびたびかぎのてにおれまがったすじかいのへやにはこびさられるのです。)

琴も度々鍵の手に折れ曲がった筋違の室に運び去られるのです。

など

(わたくしはじぶんのいまでつくえのうえにほおづえをつきながら、そのことのねをきいていました。)

私は自分の居間で机の上に頬杖を突きながら、その琴の音を聞いていました。

(わたくしにはそのことがじょうずなのかへたなのかよくわからないのです。)

わたくしにはその琴が上手なのか下手なのか能く解らないのです。

(けれどもあまりこみいったてをひかないところをみると、)

けれども余り込み入った手を弾かないところを見ると、

(じょうずなのじゃなかろうとかんがえました。)

上手なのじゃなかろうと考えました。

(まあいけばなのていどくらいなものだろうとおもいました。)

まあ活花の程度位なものだろうと思いました。

(はなならわたくしにもよくわかるのですが、)

花なら私にも好く分るのですが、

(おじょうさんはけっしてうまいほうではなかったのです。)

御嬢さんは決して旨い方ではなかったのです。

(それでもおくめんなくいろいろのはながわたくしのとこをかざってくれました。)

それでも臆面なく色々の花が私の床を飾ってくれました。

(もっともいけかたはいつみてもおなじことでした。)

尤も活方は何時見ても同じ事でした。

(それからかへいもついぞかわったためしがありませんでした。)

それから花瓶もついぞ変った例がありませんでした。

(しかしかたほうのおんがくになるとはなよりももっとへんでした。)

然し片方の音楽になると花よりももっと変でした。

(ぽつんぽつんいとをならすだけで、いっこうにくせいをきかせないのです。)

ぽつんぽつん糸を鳴らすだけで、一向肉声を聞かせないのです。

(うたわないのではありませんが、)

唄わないのではありませんが、

(まるでないしょばなしでもするようにちいさなこえしかださないのです。)

まるで内緒話でもするように小さな声しか出さないのです。

(しかもしかられるとまったくでなくなるのです。)

しかも叱られると全く出なくなるのです。

(わたくしはよろこんでこのへたないけばなをながめては、)

私は喜んでこの下手な活花を眺めては、

(まずそうなことのねにみみをかたむけました。)

まずそうな琴の音に耳を傾むけました。

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