とどめを刺して

(しつぼうしたってきみがいうとききみはしつぼうのかのじょみたいだ)

失望したって君が言う時　君は失望の彼女みたいだ

(よあけまえだちのけのひいたそらしにんみたいないちにちがまたくる)

夜明け前だ　血の気の引いた空　死人みたいな一日がまた来る

(きみのひとみはきょぜつしていたあいまいなじゅだくとさだめと)

君の瞳は拒絶していた　曖昧な受諾と定めと

(じかんがくれるはずだったものそのほとんどを)

時間がくれるはずだったもの　そのほとんどを

(おかしいのはじぶんいがいきらいなくせにわらってるぱらのいあ)

おかしいのは自分以外　嫌いなくせに笑ってるパラノイア

(かなしいふうにはなかないかなしいなんてみとめない)

悲しい風には泣かない　悲しいなんて認めない

(ねえにどとなかないようにきみをおどすきみにとどめをさして)

ねえ二度と泣かないように　君を脅す君にとどめを刺して

(ぼくとにげようちのはてまでおってはくらやみあすなきとうぼう)

僕と逃げよう　地の果てまで　追っては暗闇　明日無き逃亡

(「だれにだってつらいことはある」そういうのはじぶんにだけいって)

「誰にだって辛いことはある」　そういうのは自分にだけ言って

(きみのつらさをへいぼんにしたがるひとのむじかくがだれかのつらさになる)

君の辛さを平凡にしたがる　人の無自覚が誰かの辛さになる

(あおいこくどうをひたはしってにげきれるようなきがした)

青い国道をひた走って　逃げ切れるような気がした

(なにかにおわれてるようなきぶんにおわれてた)

何かに追われてるような気分に追われてた

(こどうがはやいぶんだけひとよりはやくはしれるといいきかせ)

鼓動が速い分だけ　人より速く走れると言い聞かせ

(くるしいかおではしらないくるしいなんてみとめない)

苦しい顔で走らない　苦しいなんて認めない

(ねえにどとなかないようにきみをみくびるきみにとどめをさして)

ねえ二度と泣かないように　君を見くびる君にとどめを刺して

(ぼくとにげようけっぱくではいられなかったじんせいのろいながら)

僕と逃げよう　潔白ではいられなかった人生　呪いながら

(たちよっただいなーできみとぼくのかおじゃしんしめいてはいのにゅーす)

立ち寄ったダイナーで　君と僕の顔写真　指名手配のニュース

(「じぶんのきもちをさつがいしたとされるだんじょふたりが」)

「自分の気持ちを殺害したとされる男女二人が」

(「けいかくてきとうぼう」)

「計画的逃亡」

(「ふくそうをかえながら」)

「服装を変えながら」

(「ちじんのもとをてんてんと」)

「知人の元を転々と」

(ねえかーらじおのぼりゅーむをあげて)

ねえ　カーラジオのボリュームを上げて

(ねえもっとあげて)

ねえ　もっと上げて

(さいこうなきぶんなんだわらいがとまらない)

最高な気分なんだ　笑いが止まらない

(どこまでもいけそうだどこまでもいけそうだ)

どこまでも行けそうだ　どこまでも行けそうだ

(ねえにどとなかないようにきみをいじめるきみにとどめをさして)

ねえ　二度と泣かないように　君をいじめる君にとどめを刺して

(ぼくとにげよういのちつきるまでこのよにおんぎもぎりもないさ)

僕と逃げよう　命尽きるまで　この世に恩義も義理もないさ

(きゅうかーぶ、もうすぴーどそりゃそうだ)

急カーブ、猛スピード　そりゃそうだ

(このけつまつはもちろんそうぞうした)

この結末は　もちろん想像した

(まがりきれぬみちをまがろうとしたんだ)

曲がり切れぬ道を曲がろうとしたんだ

(せめてさいごはわらっているため)

せめて最期は　笑っている為